IT・WEB・ゲーム業界の転職に強いR-Stone

転職コラム

SI(システムインテグレーション)とは?

IT業界に就職や転職をしようといろいろと調べているうちに、サービス名や職業名、コンピューターやプログラミングに関する用語の多さに混乱してしまうこともあるかと思います。この記事では、そんな用語のひとつであるSI(システムインテグレーション)について、仕事内容やメリット・デメリット、将来性などについても説明をしています。ぜひともご確認ください。

  1. SI(システムインテグレーション)とは?

SI(システムインテグレーション)とは、System Integrationの略称で「エスアイ」と読みます。 Integrationとは英語で統合、統一という意味で、SIはシステムの企画から設計、運用、保守までを一貫して請け負うサービスのことです。

 

  1. SIerとは

SIerとは「 エスアイアー」と読み、SI をおこなう人(-er)という意味で、一般的にはSI業務を請け負う企業のことを指します。また、 SIerは和製英語となっており、日本国内でしか単語としての意味が通じず、英語圏ではSystem Integratorとなります。

 

SIerには大小さまざまな企業が含まれ、従業員数が一万人以上いる大企業や従業員数が数名の零細企業まで存在しています。また、SIer業界では建設業界のゼネコンのように、仕事の1次請け(親受け、元請け)、2次請け(子請け)、3次請け(孫請け)といったような多重下請け構造(ピラミッド構造)になっていることから『ITゼネコン』などとも呼ばれます。

 

SIerはシーンによって『ベンダー企業』や『ITベンダー』とも呼ばれ、一次請けをするSIerは『プライムベンダー』とも呼ばれます。また、SIerに発注をかける企業のことを『ユーザー企業』といい、SIer業界はBtoB(Business to Business|企業が企業から収益を得る)ビジネスモデルが一般的です。

 

SIerについてまとめている記事もありますので、よろしければこちらもご覧ください。

 

関連記事:SIerに将来性はある?気になる実態を徹底解説

 

  1. SE(システムエンジニア)の違い

SEはシステムエンジニアの略称で、システムの設計や構築をするエンジニアのことを指します。SIはSIerが主におこなうサービスなのに対し、SEは開発者(人)のことを指す言葉なので意味合いが異なっています。SIのサービスのなかで、システム開発をするSEもいますので混同しないように注意しましょう。

 

また、システムエンジニアについて説明をしている記事もありますので、こちらもご確認ください。

 

関連記事:システムエンジニア(SE)とは?仕事内容・プログラマーとの違いや平均年収などをご紹介

     システムエンジニアの転職のポイントは?年齢別に仕事内容・年収をご紹介

 

  1. SIの種類

 SIの種類を4つお伝えします。

 

  1. 外資系

外資系企業とは、日本国外の資本で成り立ち、グローバルにビジネス展開をしている企業のことをいいます。外資系のSIerとしては、IBM、Oracle、Cisco Systems、Accentureなどが該当します。外資系の特徴は、業務で英語を利用する機会が多い、年項序列ではなく成果主義・実力主義、ソフトウェアやハードウェアの販売やコンサルティング業務などもおこなっている、などがあります。

 

  1. ユーザー系

ユーザー系とは、金融・通信・保険・商社などが自社内開発をおこなっていた情報システム部門を独立させた、子会社や関連会社のことをいいます。親会社のシステム開発だけではなく、他社のシステムも開発します。親会社および親会社の関連企業からも仕事を請け負うため、安定した事業基盤を持っています。ユーザー系のSIerには、野村総合研究所、伊藤忠テクノソリューションズ、NTTデータ、みずほ情報総研などが該当します。

 

  1. メーカー系

メーカー系とは、パソコンやサーバーなどのハードウェアを製造している企業の情報システム部門、あるいはその情報システム部門を独立させた子会社や関連会社のことをいいます。ユーザー系と違い、自社のハードウェアを含めたシステム開発をおこなえるという強みがあります。富士通、日本電気(NEC)、日立製作所グループがメーカー系SIerとしては有名で、SIer企業の売上ランキングでは常に上位に入っています。

 

  1. 独立系

独立系とは、ユーザー系やメーカー系などのように親会社があるものではなく、SI事業を専業におこなう企業として大きくなっていったSIerです。そのため、ハードウェアやソフトウェアの選定についても裁量権を持ち、ユーザー企業にマッチした選択を採ることができるという強みがあります。有名な独立系SIerとしては、大塚商会、トランスコスモス、富士ソフト、日本ユニシスなどが該当します。

  1. SIの仕事内容

SI事業はシステムの企画から保守・運用までをおこなう『ウォーターフォール型』の開発手法を採ることが一般的です。そのため、SEなど、他のエンジニア職種がおこなうシステム開発の工程と類似しています。しかし、大手SIerが受注する事業は銀行のオンラインシステム、鉄道の券売機、医療事務システム、自治体のセキュリティシステムなど、大規模な開発案件が多いという特徴があります。

 

また、SIerが請け負うシステム開発では、企画立案、要件定義などの上流工程を1次請けや2次請け企業が作成し、開発やテストなどの下流工程は3次請けや4次請けに仕事を依頼するケースが多く見受けられます。

 

  1. 企画立案

企画は主にユーザー企業(クライアント)が立案します。例えば、基幹業務システムを既存のオンプレミスからクラウドに移行したい、既存の会員システムにポイント制や決済システムを導入したい、顧客データを活用するシステムを開発して事業に活かしたい、などを挙げることができます。SIerの担当者はヒアリングをし、ユーザー企業の要求をまとめ、それらに応えるシステムはどういったものかを明確にしていく必要があります。

 

  1. 要件定義

企画に基づき、システムに必要な機能要件などをまとめていく段階です。ウォーターフォール型の開発では、ひとつ前の工程に戻ることを基本的にはせず、上から下に工程が流れていきます。そのため、要件定義は非常に重要なフェーズとなります。また、要件定義について説明している記事もありますので、詳細を知りたい方はこちらをぜひご確認ください。

 

関連記事:要件定義とは?概要と重要性、進め方から成果物までご紹介

 

  1. 設計書作成

要件定義のフェーズでまとめた要件定義書に基づき、システムの設計をしていきます。設計書はユーザー企業への説明を主目的とした基本設計書、システム開発を担当するエンジニアに向けた詳細設計書があります。ここまでの工程を上流工程と呼び、これ以降の下流工程は下請けのSIerに依頼するケースが多くなっています。

 

  1. 開発作業

詳細設計書に基づきプログラミングをおこないます。開発規模が大きく、自社あるいは下請け企業だけで期日内の納品が難しい場合、下請け企業をさらに増やすケースもあります。

 

  1. テスト

テストには『単体テスト』、『結合テスト』、『総合テスト』があり、プログラミングが終わったシステムをチェックしていきます。また、企業やプロジェクトによっては、システム運用時に発生しうるトラブルを想定しておこなう『運用テスト』をおこないます。加えて、セキュリティ強度などを測定する専門企業にテストを依頼する場合もあります。

 

  1. 運用・保守

開発したシステムをユーザー企業が利用するために、システムを監視し、問題なく運用できるようにします。また、トラブルが発生した際は迅速に対応する必要があり、システムの機能追加などの要望が入る可能性もあります。

 

  1. SIに必要なスキル

SIに必要なスキルを3つお伝えします。

 

  1. システム開発に関する幅広い知識

SIerにより担当する工程が変わってくるケースもありますが、SI業務はシステム開発の最初から最後までを担うため、それぞれの工程に対応する幅広い知識が必要になります。また、ユーザー企業との話し合いもおこなわれるため、ヒアリング力や提案力などといったコミュニケーション能力も欠かせません。

 

システム開発では、データの流れを記載する『データフロー図』やデータベース設計における設計図の『ER図』なども作成する場合があります。また、Webアプリケーションやスマートフォンアプリ、基幹業務システムなど、開発するものによって異なる知識も必要です。

 

  1. テクノロジー全般の知識

システム開発はハードウェアとソフトウェア(OS、ミドルウェアなど)のうえで成り立つため、ユーザー企業の要望に応えるためにはそれぞれを適切に選定する知識が必要になります。そのため、ひとつの機器や製品に対する知識だけでなく、比較検討をするための幅広い知識があったほうがよいでしょう。これらの詳細な知識すべてが求められることはありませんが、知識が増えることによって提案できる選択肢も広がるため、スキルアップのための勉強も欠かせません。

 

  1. プロジェクトマネジメントスキル

ユーザー企業が求めているシステムを開発するためのスケジュール、自社および下請け企業のリソース、予算などを計算し、プロジェクト全体を管理するマネジメント能力が不可欠です。また、チームで取り組んでいくことがほとんどのため、関係先や現場の士気を保ち、円滑に業務を進めるためのリーダーシップや人間力も必要になります。

 

  1. SI業界で働くメリット

SI業界で働くメリットを3つお伝えします。

 

  1. 案件数が安定している

経済産業省が平成30年に公開した『DX レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~』という資料では、日本国内におけるIT人材の約7割がIT企業に所属しているようです。そのため、IT企業以外がシステム開発をする際はSIerに業務を担当してもらうことが通例となっています。また、SIerには公的機関からの依頼もあるため案件数が多く、安定して仕事ができる状態にあるといえます。

 

※参考:DX レポート ~ITシステム「2025年の崖」の克服とDXの本格的な展開~|経済産業省

 

  1. 多くの分野に携われる

SIerはさまざまな企業から業務を請け負うため、多くの分野と携わることができます。そのため、担当した企業の業務の裏側や技術に触れることにより、社会や物の見方、考え方が広がっていく可能性があります。

 

また、案件を複数抱えているSIerの場合、ひとつのプロジェクトが終わり次第すぐに次のプロジェクトの担当を任せられる場合もあり、さまざまな環境ですぐに働けることもメリットといえるでしょう。(同じプロジェクトを長期に渡り担当することもあります)

 

  1. 幅広いスキルが身につく

就業している企業や担当部署などにもよりますが、SI業務は企画提案やマネジメントといった他業種でも必要になる内容が含まれているため、システム開発に関連するエンジニアスキル以外の能力も身につけることができます。これらはIT業界だけでなく、どの業界でも求められるスキルといえるため、転職などのキャリアアップの選択肢が広がるでしょう。

  1. SI業界で働く注意点

SI業界で働く注意点を3つお伝えします。

 

  1. 業務が細分化されている

SIは大規模開発が多く、業務が細分化されている場合が少なくありません。そのため、自身が担当する業務が決まってしまい、プロジェクトを移行しても同じ分野の仕事ばかりを続ける可能性があります。また、多重下請け構造になっているため、企業によっては上流工程だけ、下流工程だけを担当し続ける可能性もあり、そもそもの問題として、企業の業務領域が狭い可能性もあります。

 

  1. 場合によっては給料が上がりづらい

大手SIerは日本企業の特徴である、年功序列で給料が上がっていくケースが多くなっています。そのため、高いスキルを持っていて業務で結果を残したとしても、成果主義・実力主義の企業より給与へ反映されないという情報も見受けられます。

 

また、3次請け、4次請けのSIerなどの場合、業務が依頼される前に報酬が中抜きされてしまうため、そもそもの給与水準が低い場合があります。下請けSIerの収入源が上流SIerからの依頼業務だけだった場合、企業としての収入・売上が少ないという可能性も否定できません。そのため、下請けSIerで実績を残しても給料が上がっていかない、というケースも十分に考えられます。

 

  1. 学びたいプログラミングスキルが身につかない可能性がある

上述したように、SI事業は業務の細分化と多重下請け構造のため、担当する業務が固定化されてしまい、エンジニアとしてのプログラミングスキルが身につかない可能性があります。特に大手SIerほどその傾向が強く、エンジニア業務を期待して入社をしても、プロジェクトマネジメントばかりだった、というケースはよくあるようです。

 

また、SIerは銀行や証券など、エラーが発生した際はニュースにもなってしまうようなシステムも開発するため、最新の技術などは使わず、古くから使われ安定しているレガシーシステムを用いることが多くなっています。この点においても、モダンなプログラミングスキルを身につけたい方にとってはデメリットになってしまいます。

 

関連記事:SIerからの転職 注意点と転職方法について

 

  1. SI業界の将来性

近年は政府が各企業においてDX(デジタルトランスフォーメーション)を進めることを推奨し、ユーザー企業内で自社エンジニアを育て、ITシステムを内製化する動きも出てきています。

 

そのため、SIerの将来性について懸念をする声も聞こえますが、IPA (独立行政法人 情報処理推進機構)が2021年10月に公開した『DX白書2021』では

『内製化する過程で必要となるアジャイル開発の考え方や、クラウドネイティブな開発技術などについて、ユーザー企業の内部人材ではすぐに対応できないことが多いため、ベンダー企業が内製開発へ移行するための支援や、伴走しながらスキル移転することに対するニーズが生ずると考えられる。』(P59より引用)

 

と説明されており、ユーザー企業がSIerに求める業務内容に関するニーズが変わることがあっても、SIerそのものに対するニーズがすぐになることは考えにくいといえるでしょう。また、SIerの将来性について解説をしている記事もありますので、こちらもぜひご確認ください。

 

関連記事:SIerに将来性はある?気になる実態を徹底解説

※参考:DX白書2021 – IPA 独立行政法人 情報処理推進機構

 

  1. まとめ

SIerは企業によって担当する業務領域が異なる可能性があります。そのため、自身がどのような仕事がしたいかをしっかりと考えて就職先を選ぶ必要があるでしょう。また、SIerはユーザー企業の依頼ありきでシステム開発をしていくため、自分で何かしらのシステム開発をしたい、BtoBではなくBtoC(Business to Consumer|企業が消費者から収益を得る)ビジネスモデルで働きたい場合はWeb系企業に就職をしたほうがよいでしょう。

 

しかし、Web系企業ではSIerのように何千億円規模のシステム開発などはほとんどありませんので、社会インフラにも関わる仕事をしたい場合などはSIerに就職をすることをおすすめします。SIer系企業にもいろいろとあり、SIer系企業とWeb系企業でもビジネスモデルや特徴が異なっています。自身の適性や興味のあることについてよく考え、就職や転職をするようにしましょう。

最新の求人情報のチェックはこちらから
求人情報一覧へ