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【初心者向け】マーケティングの意味と種類をわかりやすく解説

個人がSNSなどで発信するようになってから、「マーケティング」という言葉を見聞きすることも増えたのではないでしょうか。マーケティングは企業にとっても重要な戦略の一つですが、なかなかその内容まではわかりにくいものだと思います。

 

そこでこの記事では、初心者の方でもわかりやすいようにマーケティングについての解説をしています。ぜひとも最後までご一読ください。

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  1. そもそもマーケティングとは?

マーケティングとは、「商品やサービスが売れる仕組み・利用される仕組みを作ること」です。また、「公益社団法人 日本マーケティング協会」では、マーケティングを以下のように定義付けています。

 

 

マーケティングとは、企業および他の組織1)がグローバルな視野2)に立ち、顧客3)との相互理解を得ながら、公正な競争を通じて行う市場創造のための総合的活動4)である。

 

日本マーケティング協会 1990年

 

1)教育・医療・行政などの機関、団体などを含む。

2)国内外の社会、文化、自然環境の重視。

3)一般消費者、取引先、関係する機関・個人、および地域住民を含む。

4)組織の内外に向けて統合・調整されたリサーチ・製品・価格・プロモーション・流通、および顧客・環境関係などに係わる諸活動をいう。

 

出典:日本マーケティング協会の概要

 

マーケティングはビジネスをおこなう企業にとって重要な意味を持ちます。なぜなら、同じ商品や状況であったとしても、商品の売り出し方や見せ方、ブランディングなどによって、売上や認知度も大きく変わるってくるからです。

 

企業が販売や提供している商品やサービスは、誰かに認知されなければ消費行動につながりません。また、認知されたあとに商品やサービスを購入・利用してもらうには、「自社の商品やサービスは何を提供し、購入・利用することで顧客はどういった利益を得ることができるのか」「自社の製品やサービスは同業他社と何が違うのか(自社の商品やサービスにはどういう意味や約束があるのか)」「顧客が本当に求めているもの、解決したいもの、体験したいものはなにか」などを考え、マーケティングをする必要があります。

 

マーケティングは「顧客となる人間」がどう思うか、何を考えているかを探り出し、「顧客の本心や本能を突き止める」ことでもあります。そして、現代のマーケティング手法にはいくつかの種類があり、マーケティングをするために必要になる自社の状況や商品・サービス、市場、競合他社などの状況を分析する手法も存在します。

 

今回の記事では、初心者の方にもわかりやすいように、マーケティングの種類や分類、分析手法を中心にお伝えしていきます。

 

  1. マーケティングの種類

マーケティングの主な手法としては。「マスマーケティング」「ダイレクトマーケティング」「インバウンドマーケティング」「ゲリラマーケティング」が挙げられます。

 

  1. マスマーケティング

マスマーケティングのマスとは英語で【mass|集団、集まり、大部分の、大衆、庶民】などの意味を持つ言葉です。その名のとおりマスマーケティングでは、個別具体的な顧客を想定せずに、一般大衆、不特定多数に向けた画一的なマーケティングをおこないます。

 

マーケティングをおこなう商品の特徴としては、「大量生産、大量消費(販売)」を前提とした大規模なプロモーションが多く、テレビやラジオ、新聞、雑誌などで利用される手法です。マスマーティングは費用が高くなりやすいため、大企業を中心に展開されるものとなります。

 

  1. ダイレクトマーケティング

ダイレクトマーケティングのダイレクトは英語で【direct|直接の、率直な、真っ直ぐに、(注意や視線を)向ける】などの意味を持つ言葉です。ダイレクトマーケティングは、企業が顧客のターゲット像をしっかりと定め、直接的に、双方向性を持ったコミュニケーションを通じてマーケティングをしていくという特徴があります。

 

電話やメール、インターネットなどの通信販売、ECサイトやSNSなどがダイレクトマーケティングに該当し、少ない予算で始められる、効果の検証がしやすいなどのメリットがある手法です。

 

  1. インバウンドマーケティング

インバウンドマーケティングのインバウンドは英語で【inbound|入ってくる、到着する、本国行きの】という意味を持つ言葉ですが、旅行業界やマーケティングなどで利用される「インバウンド」とは意味合いが異なります。これらの業界で利用される際は「海外から日本に入ってくる外国人、商品やサービスに自発的に興味を持ち顧客になってもらう人」などを指すため、インバウンドは和製英語となります。

 

インバウンドマーケティングとは、自社のWEBサイトやブログ、YouTube、Twitter、Instagram、TikTokなどで情報を発信し、顧客が情報を受け取ったことによって自社について興味を持って貰い、消費行動につなげたり、顧客になってもらったりする手法のことをいいます。

 

マスマーケティングやダイレクトマーケティングは、自社の商品やサービスの情報を大衆向け、個人向けに押し出していく側面があるため「プッシュ型」のマーケティングと称されることがあります。それに対し、インバウンドマーケティングはWEBサイトや各種SNSなどから情報の発信はしているものの、その情報を好んで見るか見ないかは消費者の判断による点が大きくなっています。そのため、それらの情報を好んでもらうことができれば、継続して企業や商品、サービスの情報を提供できるという特徴があります。

 

インバウンドマーケティングでは、自社が発信する情報を顧客に判断してもらい、顧客のほうから行動をおこして商品やサービスを購入・利用してもらうことになるため、「プル型」のマーケティングと称されることもあります。(企業側から見ると、押し付けではない情報の発信で顧客を引き込んでいる、ということになります)

 

  1. ゲリラマーケティング

ゲリラマーケティングのゲリラはスペイン語で【guerrilla|小戦争】という意味を持つ言葉ですが、その意味から転じて小規模部隊での奇襲や敵を混乱させる戦法という意味を持つようになりました。日本語で「ゲリラ」という言葉が用いられる際は、「突発的な、突然な、予期しない」などの意味で使われることが多くなっています(ゲリラ豪雨やゲリラライブなど)。

 

ゲリラマーケティングとは、突発的、型破り、インパクトのある、予期していない方法でマーケティングをおこない、サプライズを与えることによって認知度を高めたり、顧客獲得を狙うマーケティング手法です。SNSでのバズマーケティングもこちらに分類され、低コストかつ認知の向上に強いものとなります。しかし、方法を間違えると炎上商法と判断される可能性があるため、見た人に不快感を与えないように注意しなければなりません。

 

  1. マーケティングの分類

マーケティングの分類は、「デジタルマーケティング」と「リアルマーケティング」に大別されます。

 

  1. デジタルマーケティング

デジタルマーケティングとは、インターネットを介したマーケティングのことです。今では当たり前になっているインターネットが普及するまでは、商売やサービスを購入して貰うために、テレビやラジオなどの電波、新聞や雑誌などの紙媒体、あるいは訪問販売などのコミュニケーション方法でマーケティングをおこなっていました。

 

しかし、インターネットおよびスマートフォンが誕生したことにより、マーケティングの中心はデジタルに移り、現在では購買や利用履歴などのビッグデータの分析、AIを活用した情報を利用してのマーケティングができるようになっています。また、デジタルマーケティングが広まったことにより、マスマーケティングのような大衆向けの画一的な手法だけでなく、ダイレクトマーケティングやインバウンドマーケティングなどの手法が確立されていったという経緯もあります。

 

  1. リアルマーケティング

リアルマーケティングとは、物理的、直接的に消費者に商品やサービスを知ってもらうためのマーケティング手法です。潜在顧客と対面したり、直接商品を手に取ってもらってのマーケティングになるため、商品やサービスの認知力向上や購買意欲の向上に強い手法であり、「商品やサービスを購入しようか?利用しようか?」という消費行動を想起させやすいものとなります。

 

具体的には後述しますが、リアルマーケティングには「街頭でのサンプリング」「試供品配布」「説明会・セミナー」「実演販売」などがあります。

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  1. デジタルマーケティングの具体例 

デジタルマーケティングの具体例を4つお伝えします。

 

  1. WEBマーケティング

WEBマーケティングとは、自社のWEBサイトやECサイトへの顧客の流入を促し、商品やサービスの購入・利用を目的としたマーケティング手法です。WEBサイトへの集客をするために、WEBサイト自体を顧客受けがよくなるよう運用したり、オウンドメディア(企業が自身で保有するメディア・企業ブログや商品説明ブログなど)を充実させたり、メール配信をおこなったり、WEBを通したマーケティング施策のすべてがWEBマーケティングに含まれます。

 

そのため、以下で具体的にお伝えする3つの手法も、広義ではすべてWEBマーケティングに含まれます。

 

  1. SEM(検索エンジンマーケティング)

SEM(検索エンジンマーケティング)とは、GoogleやYahoo!JAPANなどの検索エンジンを利用したマーケティング手法のことです。また、SEMには「SEO対策」と「リスティング広告」「ディスプレイ広告」などが挙げられます。

 

SEO対策とは、「検索エンジン最適化」という意味の言葉で、何かしらのキーワード検索で自社のWEBサイトが上位に表示されるように対策を講じるものです。検索エンジン側に「価値のあるWEBページである」と評価してもらうようにWEBサイトやWEBページを作成し、検索上位に表示されるとWEBサイトへの流入が増えることにつながります。そのため、検索エンジンへの対策として重要なものとなります。

 

リスティング広告とは、検索エンジンに広告費を払い、ユーザーが特定のキーワード検索をした際に検索結果の上位に表示されるようにする手法のことで、「ディスプレイ広告」はユーザーがWEBページに入った際に、「画像と文章」あるいは「動画と文章」の広告として表示されるものです。(ディスプレイ広告はバナー広告とも言われます)

 

いずれの方法も、検索エンジンを利用した結果としてユーザーの目につくように対策を講じるものとなっており、現代では多くの企業がSEMを実施しています。

 

  1. ソーシャルメディアマーケティング(SMM)

ソーシャルメディアマーケティング(SMM)とは、YouTube、Twitter、Instagram、TikTokなどのSNSを利用したマーケティング手法です。企業が各種SNSを通して情報を発信し、インバウンドマーケティングとして商品やサービスの購入・利用を促すとともに、企業と顧客とのやりとりを通して商品企画やマーケティングの参考にしたり、競合他社の情報を収集したり、企業認知の向上やファンを増やすために利用します。商品やサービスの販売だけでなく、企業利益につなげるために運用しているケースも多くなっています。

 

  1. コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、ターゲットとなるユーザー像を定め、ターゲットユーザーが求める、価値のある情報を提供することで潜在顧客を増やし、最終的に自社商品やサービスを購入・利用してもらうことを目的としたマーケティング手法です。マーケティングの種類としてはインバウンドマーケティングに分類され、ソーシャルメディアマーケティングやオウンドメディアマーケティングなどの具体的な手法があります。

 

これらのようなWEBマーケティングを実行するにあたって、制作費や人件費はかかってしまいます。しかし、作成したものは企業自身が保有するコンテンツとなり、リスティング広告やディスプレイ広告以外に別途広告費を準備してマーケティングをする必要がありません。また、作成したものは企業の資産となりますので、近年ではWEBマーケティングに力を入れる企業が増えてきています。

 

  1. リアルマーケティングの具体例   

上述したように、リアルマーケティングには「街頭でのサンプリング」「試供品配布」「説明会・セミナー」「実演販売」などがあります。商品を無料・あるいは安値で直接手に取ってもらうことで、利用者が商品の良否を自分で判断できるものになり、顧客の反応についての分析や新規顧客の開拓に強い手法でもあります。

 

コロナ禍以前はスーパーや百貨店で見ることの多かった、試食品の提供や包丁や洗剤の実演販売、また、家具やゲーム、自動車、工芸品などの展示会、初回の値段設定が無料や格安になっているサプリ、フィットネス、整骨院などもリアルマーケティングに分類されます。(無料で商品やサービスを提供する手法を「フリー戦略」あるいは「フリーミアム」といいます)

 

  1. マーケティングで使われている分析手法

「マーケティング」とひとくちに言っても、マーケティングをするためには自社の状況や市場、競合他社などがどのような状況・環境にあるかを理解しなければなりません。この項目では、マーケティングをするために必要な分析手法を6つお伝えします。

 

  1. PEST分析

PEST分析のPESTとは、「政治|Politics」「経済|Economy」「社会|Society」「技術|Technology」のことです。業界内の競合他社だけでなく、業界内の異業種や他の業界、政治、経済といった大きな範疇で自社の環境要因を分析し、経営戦略やマーケティングをどのようにおこなっていくかを決定していく分析手法です。詳細な内容を決定する前の、企業の土台や柱となる戦略を定めるために用いられます。

 

  1. 3C分析

3C分析の3Cとは、「Customer|顧客」「Competitor|競合他社」「Company|自社」のことです。3Cそれぞれの立場に立って分析をすることで、経営戦略やマーケティング戦略を決定していきます。また、3C分析では自社を「内部環境」、顧客や競合他社を「外部環境」として分析をするという特徴があり、現在では3C分析から派生した、4C分析や5C分析などの分析方法も存在します。

 

  1. 5フォース分析

5フォース分析とは、「業界内の競合の脅威」「新規参入の脅威」「代替品の脅威」「買い手の交渉力」「売り手の交渉力」という観点から自社の外部環境を分類、分析し、事業経営やマーケティングの戦略を立てるためにおこなう分析手法です。5フォース分析により、自社の強みや経営資源の分配、業界構造について判断することができるため、客観的な状況を把握するために適した手法となっています。

 

  1. VRIO分析

VRIO分析のVRIO(ブリオ)とは、「Value|経済的価値」「Rarity|希少性」「Inimitability|模倣可能性」「Organization|組織」のことです。VRIO分析は自社の経営資源を明確にするための手法になっており、自社と競合他社を比べた際にどれだけ自社に優位性があるか、自社の強みや弱みは何かを明確にするために用いられます。

 

  1. SWOT分析

SWOT分析のSWOTとは、「Strength|強み」「Weakness|弱み」「Opportunity|機会」「Threat|脅威」のことです。SWOT分析は、自社の強みと弱みを「内部環境」、機会と脅威を「外部環境」としてとらえて分析し、企業や商品の現状を認識するための手法です。また、「強み×機会」「弱み×機会」「強み×脅威」「弱み×脅威」など、分類をかけ合わせた「クロスSWOT分析」をおこなうことで、弱みを強みに変えるためのアイデアなども思い浮かびやすくなります。

 

  1. STP分析

STP分析のSTOとは、「Segmentation|セグメンテーション|市場細分化」「Targeting|ターゲティング|市場選定」「Positioning|ポジショニング|自社の立ち位置の明確化」のことです。市場を細分化(セブメンテーション)し、商品やサービスの市場を選定(ターゲティング)したうえで、競合他社と自社を比較して状況を把握(ポジショニング)するための分析手法となっています。上記の流れで分析をおこなうことにより、顧客やニーズの整理、競合他社との差別化など、事業戦略やマーケティング戦略に役立てることができます。