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ゲーム業界の「IP」とは?自社IP・他社IPの違いや活用事例を解説

ゲームやアニメや漫画などのコンテンツが好きな方は「IP」という表記を見かけることがあると思います。この記事では主にゲーム業界のIPについて解説します。また、ゲーム業界のIPには自社IP、他社IPといった違いがあります。それぞれの違いについてや、メリット・デメリット、IPの活用事例などを解説しています。ぜひともご確認ください。

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  1. IPとは?

IPとは、【Intellectual Property|インテレクチュアル プロパティ】の略称で、日本語では「知的財産」を意味します。知的財産とは、企業や個人の知的創造活動によって創り出されたアイデアや創作物全般を指す言葉です。また、知的財産の権利や利益を守るために法律で規定された「知的財産権」があり、知的財産権は「特許権」や「商標権」、「著作権」などの種類があります。

 

ゲーム業界で利用される「IP」は、ゲームタイトルやキャラクター、漫画やアニメーションなどの著作権を指すことが一般的です。ゲームでは、任天堂の「スーパーマリオ」、バンダイナムコの「機動戦士ガンダム」、スクウェア・エニックスの「ファイナルファンタジー」、「ドラゴンクエスト」、カプコンの「バイオハザード」などがあり、漫画やアニメーションでは「ドラえもん」や「ドラゴンボール」、「ワンピース」、「東京リベンジャーズ」などがあります。

 

知的財産権について詳しく知りたい方は、下記参考にある日本弁理士協会のWebページをご覧ください。

 

※参考:知的財産権とは (日本弁護士会ホームページ)

 

  1. 自社IPとは

ゲーム業界における自社IPとは、自社で創作したゲームタイトルやキャラクターのIPのことです。上述した「スーパーマリオ」や「ファイナルファンタジー」はゲーム開発企業が作成・展開している自社IPに該当します。ここでは、自社IPを創作、活用するうえでのメリットとデメリットをお伝えします。

 

  1. メリット

自社IPを有名なゲームにすることができれば、ゲームのブランド化や売上の向上につながります。また、有名ゲームとなりファンの人がつくことで、自社IPに関連する商品の売上見込みも立てやすくなり、企業運営もしやすくなるでしょう。さらに、自社IPを貸与する場合はロイヤリティが入るため、自社で関連商品を作らなくても収入を得ることができます。

 

また、自社IPの作成に成功し有名なゲームにすることができれば、ゲームだけでなく企業の認知度も上がります。有名なゲームを開発した企業として知られることで、イメージ戦略をしなくとも対外的な評価の向上が見込まれます。

 

  1. デメリット

有名になった自社IPを活用するうえでの大きなデメリットは特にないでしょう。しかし、新しく自社IPを育てる際にはデメリットといえることがあります。

 

当たり前の話になるかもしれませんが、自社IPの開発段階で人的・金銭的なリソースが発生し、商品をリリースしたあとは自社IPの管理なども必要です。また、よいゲームを作成しても、広く認知されるまでにはある程度の時間がかかってしまうことがあります。

 

加えて、開発したゲームが必ずヒットする保証はありません。自社IPとして時間をかけて作成し、宣伝広告費をかけても、最終的にゲームユーザーがどのように評価するかはわからないからです。そのため、自社IPとして育てても、なかなか人気が出ない、認知されないといった事態に陥る可能性があり、場合によっては開発費などの回収が難しくなるケースが考えられます。

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  1. 他社IPとは

他社IPとは、他社にIPがあるキャラクターやタイトルのことをいい、ゲーム業界の場合は他社の漫画やアニメーションなどの著作権・版権(著作物を複製・販売する独占権)を指すことが多くなっています。

 

例えばテレビCMなどで、スマートフォンゲームに期間限定で有名な漫画のキャラクターが登場する、といったものを見たことがあると思います。そちらの仕組みとしては、ゲーム開発企業が他社IPである漫画のタイトルやキャラクター利用にロイヤリティを払い、ゲーム内に登場させている形になります。ここでは、他社IPのメリットとデメリットをお伝えします。

 

  1. メリット

自社IPを創作、保有する必要がないため、キャラクターやストーリーなどにかける時間を削減でき、ゲームとしてのコンテンツ作りに時間をかけることができます。また、他社IPにファンがついている場合は売上の見通しも立てやすくなり、自社IPを新規作成するときとは違い、認知されるまでのコスト削減にもつながります。

 

  1. デメリット

他社IPを利用するためにはロイヤリティが発生し、契約には相応の費用がかかります。また、他社IPのストーリーやキャラクターに沿ったゲームを開発する必要があるため、ゲーム内容に制限がかかり、自社IPのように自由に開発をすることができません。また、内容によっては他社IPの権利者に確認を取るため、その点においては開発スピードも鈍化するといえるでしょう。

 

  1. IPの活用事例

自社IP、他社IPを問わず、ゲーム以外のIP活用として、アニメ、グッズ展開、舞台、音楽のライブやコンサートなどがあります。自社IPのアニメでは、「ポケットモンスター」、「ストリートファイター」、「妖怪ウォッチ」、「イナズマイレブン」、「逆転裁判」など、他社IPのアニメでは「ドラゴンボール」、「ワンピース」、「NARUTO」、「東京リベンジャーズ」などがあり、ゲームや漫画として人気の出たものがアニメ化される傾向があります。

 

グッズ展開は、キーホルダーやマスコット、缶バッチなどの関連商品をはじめ、飲食物とのコラボレーションや一番くじにまで広がっています。自社IPとして近年有名な舞台では「刀剣乱舞」があげられ、2.5次元舞台の盛り上がりにともなってゲームや漫画が原作の舞台が増えてきています。音楽のライブやコンサートは「ラブライブ!スクールアイドルフェスティバル」や「バンドリ! ガールズバンドパーティ!」などのアイドルやバンド育成もののゲームでキャラクターボイスを担当した声優たちがおこないます。音楽のライブやコンサートはもとより、ゲーム内で利用した音楽の配信・販売もIPの活用事例となります。

 

  1. まとめ

ゲーム開発会社が自社IPを育てていくことで、アニメやグッズ展開などにもつながります。これはゲーム運営以外にも収益が入ることになるため、事業運営の大きな力になるでしょう。他社IPは、ファンが満足するゲーム開発をすることでヒット作となり、長年に渡って愛され続けるゲームを作ることが可能です。自社IP、他社IPともにメリットとデメリットがありますので、それぞれの特徴をしっかりと認識しておきましょう。