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スクリプト言語とは?種類やできることなどをわかりやすく解説

スクリプト言語やコンパイラ言語、インタプリタ言語にアセンブリ言語と、プログラミング言語にも分類があることはご存知でしょうか? この記事では、スクリプト言語を中心として、コンパイラ言語とインタプリタ言語との違い、スクリプト言語のメリット・デメリット、学習方法など、初心者の方にもわかりやすく解説をしています。ぜひともご確認ください。

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  1. スクリプト言語とは?

スクリプト言語とは、プログラミング言語の分類の一つで、「比較的簡単に利用できるプログラミング言語の総称」といわれています。

 

プログラミング言語は人間が理解しやすい「高水準言語」と、コンピューターが理解しやすい「低水準言語」に区別されるのですが、高水準言語は人間が理解しやすいようにプログラミングが記述されるので、コンピューターはそのまま処理内容を理解することができません。

 

そこで、プログラミングで記述した内容を機械が理解できる「機械語」に翻訳をする必要があるのですが、スクリプト言語はその翻訳を自動でしてくれるものが多く、手順が簡略化されているという特徴があります。また、スクリプト言語は高水準言語のなかでも文法が簡単で記述量が少ないものが多くなっています。これらの理由から、スクリプト言語は初心者でも学習しやすいプログラミング言語として認識されています。

 

高水準言語や低水準言語、また、代表的な低水準言語である「アセンブリ言語」について解説している記事がありますので、より詳しく知りたい方は関連記事をご確認ください。

 

関連記事:アセンブリ言語とは?アセンブラとの違いや需要について解説

 

  1. スクリプト言語の定義

スクリプト言語の特徴は、機械語への翻訳が簡単、文法が簡単、記述量が少ない、実行速度が遅い、といったものが挙げられますが、明確な定義は存在していません。「比較的簡単に利用できるプログラミング言語の総称」がスクリプト言語であり、何らかの条件を満たせばスクリプト言語になる、といった区分はありませんので、抽象的な概念として使われている分類だと認識しておきましょう。

 

  1. コンパイラ言語との違い

上述したように、高水準言語でプログラミングされた内容をコンピューターに理解させるためには、機械語への翻訳が必要になります。機械語へ翻訳することを「コンパイル」といい、コンパイルをするソフトウェアのことを「コンパイラ」といいます。

 

コンパイラ言語とは、その名のとおり機械語への翻訳にコンパイラを利用する言語のことで、C言語やJava、Go言語などが代表的なものとなります。スクリプト言語はコンパイル作業をしなくても機械語に翻訳できるものが多く、コンパイラ言語に比べて文法が簡単で記述量も少なくなります。また、コンパイラ言語に比べるとスクリプト言語のほうが実行速度が遅いという特徴があります。

 

 

スクリプト言語

コンパイラ言語

コンパイルの有無

不要なものが多い

必要

文法の難易度

低難易度のものが多い

高難易度

記述の多さ

少ないものが多い

多い

実行速度

遅い

早い

 

上記の表にあるように、スクリプト言語の特徴はコンパイラ言語と対になっていますので、どちらか一つを覚えれば認識しやすくなると思います。

 

  1. インプリンタ言語との違い

インタプリタ言語とは、コンパイル作業が不要で、コードを1行ずつ機械語に変換し実行していく言語のことです。コンパイラ言語に比べて手軽にコードの確認や実行ができますが、処理速度が遅い、文法が簡単で記述量が少ないものが多いという特徴があります。

 

スクリプト言語とインタプリタ言語の違いは、「スクリプト言語」という言葉が抽象的な概念を表しているのに対し、インタプリタ言語は「コードを1行ずつ機械語に変換し実行していく言語」、つまり、「プログラムの実行方式」に着目をした区分であるという違いがあります。

 

スクリプト言語と説明されるプログラミング言語にはインタプリタ言語が多くなっているため、スクリプト言語=インタプリタ言語となりがちですが、両者はプログラミング言語を説明するうえでの「概念」と「実行方式」という違いがあります。また、インタプリタ言語を対比する際は、コンパイルという実行方式で区分された、コンパイラ言語が対義語にあたります。この点についても、スクリプト言語と混同しないように注意しましょう。

 

  1. スクリプト言語のメリット

スクリプト言語のメリットを2つお伝えします。

 

  1. 難易度が低い

スクリプト言語は習得難易度が低いため、プログラミング初心者でも学習しやすいといった特徴があります。コンパイラ言語の習得にはコンパイルの方法も覚えなければいけませんが、スクリプト言語はコンパイル不要の言語が多いため、その点について学習する必要はありません。また、代表的なコンパイラ言語であるJavaではJVM(Java Virtual Machine|Java仮想マシン)、C言語ではポインタなど、プログラミング言語を利用するために付随する知識が必要ですが、スクリプト言語であればこれらの知識も不要です。

 

  1. コードの読み書きが簡単

プログラミング言語では、各言語で得意不得意、可能不可能なものもありますが、それぞれの言語を利用して、システムとして近いものも開発できます。また、各言語にはそれぞれ文法が定められており、同類の出力をするにもコードの記述が異なります。

 

スクリプト言語は同じようなシステム開発をするにしても、文法が簡単でコードの記述量が少なく済む特徴があるため、初心者にとって学びやすいものになります。また、スクリプト言語にはインタプリタ言語が多いため、記述したコードをすぐに確認できるというメリットがあります。コード記述に慣れないうちは、コンパイラ言語のように一括で翻訳をするのではなく、一つずつ確認をしながら覚えていくこともおすすめできるため、その点においても初心者に優しい言語であるといえるでしょう。

 

  1. スクリプト言語のデメリット

スクリプト言語のデメリットを3つお伝えします。

 

  1. 実行速度が遅い

スクリプト言語はインタプリタ言語が多いため、プログラム実行時はコードを一行ずつ機械語に翻訳して実行されます。それに対してコンパイラ言語では、コンパイルを通して一括で機械語に翻訳し、翻訳したファイルからプログラムを実行するようになっています。そのため、スクリプト言語はコンパイラ言語に比べると実行速度が遅くなり、素早い処理が求められるシステムにはあまり向いていません。

 

  1. 大規模開発には不向き

処理速度の遅さから、スクリプト言語は大規模開発にはあまり向いていません。実際に、大規模開発ではJavaやC#、Go言語などの処理速度が速いプログラミング言語が利用される傾向があり、スクリプト言語は小規模なシステム開発に向いているといわれます。スクリプト言語で大規模開発ができないわけではありませんが、プログラミング言語の特徴により適材適所は異なると認識しておきましょう。

 

  1. 文法のチェックは実行しないとわからない

スクリプト言語では、プログラムの文法チェックをコマンドやツールですることもできますが、基本的にコードを実行するまで文法チェックがおこなわれません。こまめにプログラムを実行し、確認していけば問題ありませんが、プログラムの確認をせずに大量のコードを実行し、そのなかにエラーがあった際は、コンピューターが異常な動きをする可能性も孕みます。

 

コンパイラ言語では、コンパイル時に文法チェックがおこなわれます。また、コンパイルとプログラムの実行は別の手順となっているため、プログラム実行前にエラーに気付き修正することが可能です。スクリプト言語は機械語への翻訳(コンパイル)と実行を分けることができないため、その点をデメリットとして挙げることもできるでしょう。

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  1. スクリプト言語一覧!代表的なスクリプト言語の種類をご紹介

スクリプト言語として代表的なプログラミング言語を4つお伝えします。また、ここで紹介するスクリプト言語はすべてインタプリタ言語に該当します。

 

  1. Python

Pythonとは、1991年に開発されたオブジェクト指向のスクリプト言語です。近年のプログラミング言語ランキングでは常にトップ3以内に入る人気のある言語で、上述してきたインタプリタ言語の特徴から学習難易度が低く、学習環境も整っているため初心者にもおすすめの言語です。また、データ分析や機械学習、AI開発に強いライブラリ(特定の機能を簡単に使えるようにしたパッケージのようなもの)が豊富にあるため、これらの分野でもよく利用されています。

 

Pythonの資格試験についてはまとめている記事がありますので、よければこちらもご確認ください。

 

関連記事:Python資格試験の種類とは?難易度や勉強方法を紹介

 

  1. Javascript

JavaScriptとは、1995年に開発されたオブジェクト指向のスクリプト言語です。WEBブラウザ上で動作をするプログラミング言語となっており、環境構築が不要という特徴があります。また、JavaScriptはWEBページ上でカルーセル(画像遷移)やポップアップウィンドウなどの動きを出すために利用され、HTML、CSSと合わせてフロントエンド開発の必須言語の一つとなっています。

 

JavaScriptはフロントエンド開発で主に利用されるプログラミング言語ですが、2009年にリリースされた「Node.js」という実行環境を利用することでバックエンド開発もできるようになりました、そのため、WEBアプリケーション開発ではフロントエンド、バックエンドともにJavaScriptで開発をしている企業も多数存在しています。

 

関連記事:フロントエンドとバックエンドの違いとは?仕事内容も解説!

     フロントエンドエンジニアに必用な言語4選 | フレームワーク・ライブラリなどもご紹介

 

  1. Ruby

Rubyとは、1995年に日本人のまつもとゆきひろ氏が開発したオブジェクト指向のスクリプト言語です。Rubyはその使いやすさに合わせて、「Ruby on Rails」というフレームワーク(アプリケーション開発に共通する事項をあらかじめパッケージ化した土台のようなもの)が人気を博し、世界中で利用される言語になりました。Ruby on Railsを利用すると少ないコードでシステムを構築することができるため、小規模開発やスタートアップ企業での開発によく使われています。また、Ruby on Railsは大規模開発にも適用しており、「クックパッド」や「GitHub」などでも利用されています。

 

Rubyについてはまとめている記事がありますので、詳細を知りたい方は関連記事をご覧ください。

 

関連記事::プログラミング言語【Ruby】とは?Rubyの特徴や使用の注意点を解説

 

  1. PHP

PHPとは、1995年に開発されたオブジェクト指向のスクリプト言語です。 PHPはWEBアプリケーション開発に特化しているプログラミング言語となっており、RubyやPythonのように汎用的に開発ができる言語ではありません。しかし、言語としての柔軟性や環境構築のしやすさから人気のある言語となっています。また、CMS(Contents Management System|コンテンツ管理システム)のWordPressがPHPで開発されているため、PHPでWordPressのカスタマイズができることも大きな魅力です。

 

PHPについてもまとめている記事がありますので、詳細はこちらをご確認ください。

 

関連記事:PHPとは?メリット・デメリット、学習方法などを徹底解説

 

  1. スクリプト言語を使った仕事

上述した4つの言語は、WEBアプリケーションのフロントエンドやバックエンド開発ができるため、社外あるいは社内に向けたWEBアプリケーション開発の求人が多くなっています。また、WEBアプリケーションにも種類があり、ゲーム管理やデータ分析、メディア運用、店舗管理など、企業によって開発物は異なり、利用される言語も異なります。

 

加えて、スクリプト言語の開発経験だけを条件としている求人もありますが、データベースやWEBサーバー、クラウドなど、システム開発に付随するスキルや知識を求めるものも多くなっています。

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  1. スクリプト言語の学習方法

スクリプト言語の学習方法を3つお伝えします。

 

  1. プログラミングスクールに通う

独学に自信のない方や効率よく学習したい方は、プログラミングスクールに通うことをおすすめします。プログラミングスクールに通うメリットとしては、カリキュラムが組まれているため勉強がしやすい、疑問点があればすぐ講師に質問ができる、勉強する仲間ができるためモチベーションを保ちやすい、就職や転職のサポートが受けられる、などがあります。

 

デメリットとしては、独学に比べると費用が高額になる、通学型の場合は移動時間もコストになる、プログラミングスクールで言語に必要なすべての知識を学べるわけではない、などになります。

 

また、プログラミングスクールによっては厚生労働省が実施している「教育訓練給付制度」で受講費用の一部が支給されるところがありますので、こちらの制度に対応しているか否かを調べることをおすすめします。さらに、同じく厚生労働省が実施している「IT分野の職業訓練(求職者支援訓練)」では、月10万円の給付金を受けながらプログラミング言語の勉強をすることも可能です。プログラミングスクールごとの比較をすることに加え、各種制度についても勘案したうえで、自身にあったところへ通うようにしましょう。

 

出典:教育訓練給付制度 – 厚生労働省

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  1. 書籍で学ぶ

独学を希望する方は、書籍で勉強を進めていきましょう。今回の記事で紹介したスクリプト言語は書籍が豊富にありますので、WEBで情報を調べ、書店に行って見比べをし、自分にあったものを購入してみてください。また、独学で勉強を進めていくにあたっては、各言語の資格取得を目指すこともおすすめの方法です。

 

Python、JavaScript、Ruby、PHPは初心者からでも合格できる資格試験があり、レベルごとに受験をしていくことで段階的に知識を深めていくことができます。資格を取得することで、就職や転職活動の際に相手先企業に自身の知識やスキルを証明することができますので、積極的に挑戦することをおすすめします。

 

  1. WEBを活用する

独学で進める際は、「Progate」、「ドットインストール」、「paizaラーニング」、「Udemy」などのWEB学習サービスを利用することもおすすめです。Progateなどは月額1,000円程度、Udemyはコースによって数千円程度費用がかかりますが、画像や動画でわかりやすく解説がされているため、書籍に比べてとっつきやすく、勉強しやすいと感じる方も多いかと思います。

 

また、Python、JavaScript、Ruby、PHPはYouTubeでの無料動画もありますので、それらを利用して勉強を始めることもできるでしょう。さらに、【プログラミング ゲーム】などでWEB検索をすると、ゲームでプログラミングの学習ができるものがあります。ゲーム好きの方はそれらを利用することもおすすめです。

 

しかし、WEBだけで勉強を進めていくと、プログラミング言語の全体像がつかみにくくなり、断片的な知識になってしまう可能性があります。そのため、書籍や資格試験の勉強と並行しておこなうほうがよいかと思います。

 

  1. まとめ

スクリプト言語は「比較的簡単に利用できるプログラミング言語の総称」で、コンパイラ言語と対になる特徴があり、スクリプト言語は概念的な分類、インタプリタ言語とコンパイラ言語は実行方法による分類であると覚えておきましょう。

 

今回ご紹介をした4つのスクリプト言語はどれも需要のあるプログラミング言語となりますが、それぞれ特徴が異なっています。自分の目的にあったものを見極めて学習するようにしてください。また、プログラミング言語には他にも種類があり、組み込みやIoT、スマートフォンアプリ、ゲーム開発などはスクリプト言語以外のものがよく利用されます。

 

こちらの記事では、プログラミング言語ごとの特徴を簡潔にまとめています。どのような開発でどのような言語が利用されているかわかるようになっていますので、ぜひともご確認ください。

関連記事:【2021年最新版】求人の多いプログラミング言語やこれから注目の言語とは?