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転職コラム

データアナリストとは?仕事内容や未経験からなる方法を解説

近年では、ビジネスでの問題解決や新規事業の立ち上げの際に、データ分析をして原因や需要を見つけだし、改善策を打ち出していく手法が用いられています。この記事では、これらの業務をおこなうデータアナリストの仕事内容や必須スキル、未経験からの転職方法などを説明しています。ぜひともご参考ください。

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  1. データアナリストとは?

データアナリストとは、クライアントが解決したい問題に関するデータを収集・分析する専門家のことをいいます。扱うデータは顧客の購買動向や市場動向などさまざまで、主に統計学を用いた手法や分析ツールなどでデータを解析し、コンサルティングやマーケティング、ときにはシステム構築などをおこないます。

  1. 平均年収

弊社R-Stoneの求人案件では平均年収は約756万円となっており、年収幅は350万円〜1200万円となっています。また、高額年収のものでは、データ解析業務以外に商品開発関連の業務やプロジェクトマネジメントを任されるものもあります。

  1. データサイエンティストとの違い

データアナリストの主な業務はデータの収集・分析であり、既存のデータ分析システムを用いて、分析したデータにどのような特徴があるか、どのように活かすことができるかを考える仕事です。それに対してデータサイエンティストは、データの収集・分析に加えて、データ分析システムの構築や顧客行動の予測モデル構築などをおこないます。

企業によっては、両者の線引きが曖昧になっている情報も見受けられます。しかしながら、データアナリストは『既存のデータ分析システムを利用し、データの収集・分析をする』ことが多くなり、データサイエンティストは既存データ分析システムに加え、『データ分析システムや予測モデル自体を構築する』ことが多くなる、と区別することができます。データサイエンティストの技術はデータアナリストの技術を土台にしていますので、業務範囲がより広くなります。

また、一般社団法人データサイエンティスト協会 スキル定義委員会では、データサイエンティストを『データサイエンス力、 データエンジニアリング力をベースに データから価値を創出し、 ビジネス課題に答えを出す プロフェッショナル』と定義付けています。

※参考:2021年度スキル定義委員会活動報告 2021年度版スキルチェック&タスクリスト公開

※関連リンク:データサイエンティストに必要な資格とは?年収や仕事内容、必要なスキルもご紹介

  1. データアナリストの仕事内容

データアナリストは、データから統計学や機械学習、分析ツールなどを用いて有益な情報を取り出します。これらの業務をおこなう際の、データから改善策を打ち出すまでの流れをDIKWモデルといいます。情報を区別し抽出、解釈することによって、クライアントが解決したい問題に取り組んでいく工程です。

DIKWモデル

・データ(Data):整理・分類がされていない数値(生データ)

・情報(Information):生データを整理・分類したもの

・知識(Knowledge):情報から導き出した傾向・知見

・知恵(Wisdom):得た知識を利用し、人間が判断する力

クライアントに合った解決策を導くためには、企業が保有しているデータを扱うためのデータベース言語であるSQLのスキル、データを整理するための統計学の手法や分析ツールのスキル、情報の傾向から改善策を打ち出す倫理的思考などが必要になります。また、データアナリストはコンサル型とエンジニア型の2タイプに分けることができます。

  1. コンサル型データアナリスト

分析したデータをもとに、コンサルタントをおこなうタイプのデータアナリストです。クライアントにヒアリングをし、課題解決に必要なデータ選び、データ分析をしたあとに企業戦略や現場システムの改善策などを提案します。そのため、コンサル型データアナリストにはエンジニアスキルの他に、経営やマーケティングなどのコンサルティングに関する知識が求められます。

  1. エンジニア型データアナリスト

コンサル型と同じようにDIKWモデルなどを用いてデータの分析をおこない、分析ツールの改善やシステム開発をおこなうタイプのデータアナリストです。そのため、エンジニア型はコンサル型に比べてPythonやR言語などを利用する頻度が多くなります。また、これらのプログラミング言語には機械学習などのライブラリが多用されますので、コンサル型に比べるとエンジニア色が強く、必要になるスキルも増加します。

上記の説明で、エンジニア型データアナリストはデータサイエンティストと同じではないかと思われる方もいらっしゃると思います。しかし、データアナリストはあくまでデータの活用方法を考える業務であり、データ分析システムやモデル構築をすることが多くなるデータサイエンティストとは業務範囲が異なっています。

  1. データアナリストに必要なスキル

ここからはデータアナリストに必要なスキルを説明していきます。

  1. 統計学(数学)の基礎

統計学とは、データを調べ構造や特徴を解釈し、それらの結果から未知のデータや将来の動向を推測するために使われる学問です。

統計学には記述統計学、推測統計学、べイズ統計学の3種類があります。データアナリストは、集めたデータから平均、分散などの指標を用いて表やグラフを作り、データの傾向を調べ特徴を把握する記述式統計学、全体の一部(標本)から全体(母集団)の推測をする推測統計学を主に利用してデータ分析をおこないます。

また、記述式統計学では平均値や中央値、最頻値といった指標の意味と計算の出し方を、推測統計学では単回帰分析、無作為抽出法などの手法を用いて一部のデータから全体を分析、推測しデータが持つ意味を解釈していきます。

統計学はデータを要約したあとに解釈、予測をしていくため、何を理由に事象Aが起こったのか?という、原因が見えやすく、データアナリストはそこから改善策を導いていきます。これらの業務をおこなうためには、大学基礎レベル、統計検定2級程度のスキルが目安となります。また、統計学では数学をベースに計算していきますので、最低でも微分積分や確率統計などの高校生レベルの知識がなければ習得することは難しくなります。

  1. データベース

顧客情報などの、ある特定のデータを集め整理しやすいようにまとめた情報のことをデータベースといい、データベース管理システムにはDBMS(Data Base Management System)というソフトウェアが利用されています。また、DBMSには関係があるデータをまとめたRDBMS(Relational Data Base Management System)とRDB(Relational Data Base)のように関係性を用いないデータベースのNoSQL(Not Only SQL・ 非リレーショナルデータベース)があります。

現在普及しているデータベース管理システムはRDBMSが最も多く、データアナリストにはDBMS、RDBMSを扱うためのデータベース言語であるSQLのスキルが必須になります。SQLを利用することによってクライアント企業のデータベースから必要データを抽出し、分析システムや統計学に当てはめてデータを解釈するためです。

  1. プログラミング言語

データ分析に使うプログラミング言語は、主にPythonとR言語が利用されています。

  • Python

文法が簡単で学習コストが低く、データ分析以外にもWebアプリケーション作成や機械学習を用いたシステム開発ができるなど、汎用性の高いオープンソースのプログラミング言語です。Pythonを利用することでデータの抽出や統計を簡単にとることができ、表やグラフなどでデータの可視化をすることも可能です。また、データ分析に使うPandas、数値計算に使うNumPyなどの便利なライブラリも豊富に揃っているため、使いこなすことで業務の効率化につながります。

  • R言語

統計学の実習用として開発された経緯もあり、統計やデータ分析に特化したオープンソースのプログラミング言語として知られています。R言語は世界中のエンジニアに利用されており、昔からデータ分析に使われてきたため統計計算のパッケージが膨大にあることも特徴のひとつです。また、新しく開発された統計手法をパッケージ導入を通してすぐに利用できるなどのメリットもあります。

パッケージの豊富さから、Pythonと比べるとさまざまな手法でデータ分析をおこなうことができます。しかしながら、パッケージを使いこなす知識が必要なため習得難易度は高くなっています。

  1. 分析ツール

データ分析を簡単におこなうために企業が提供しているツールのことを言い、身近なものではMicrosoftのExcelも分析ツールのひとつです。Excelには『分析ツール機能』が設けられており、2つのデータの関係性を計算、数値化する相関分析や、行動がどのような結果に影響を及ぼしたかを解明する回帰分析などで統計を求めることができます。

また、企業が保有するデータを収集・分析し、導き出した結果や解釈を企業戦略などに活用することをBI(ビジネスインテリジェンス)といい、BIを導き出すツールのことをBIツールといいます。有名なBIツールにはTableau(タブロー)やMicrosoft Power BI、Google データポータルなどが挙げられ、これらのツールを用いてデータ分析をするスキルもデータアナリストには必要になります。

  1. 論理的思考力(ロジカルシンキング)

論理的思考とは、物事の原因と結果の筋道を体系的に整理し、道理にかなった思考をする能力と言い換えることができます。データアナリストはデータを体系的に整理し、原因と結果の関係性を見つけ出し、クライアントの問題解決まで導かなくてはなりません。統計学を利用する際も、業務全体を通してみても、論理的思考力は必須のものになります。

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  1. 未経験からでもデータアナリストになる方法

他のエンジニア職種と同じように、20代であれば未経験者でもデータアナリストを募集している企業がたくさんあります。求人内容には、データアナリストとして育成していくと記載しているものも多いため、転職してから段階的に業務を任されていくことが期待できます。

一方、30代以降になると未経験者の採用は極端に少なくなります。加えて、他のエンジニア職種と違い、アルバイトや派遣社員の募集もほとんどありませんので、非正規社員として雇用されながらデータアナリストの経験を積んで転職をする、といったルートも厳しくなっています。

そのような理由から、

①関連知識を身につけながらフリーランスとして実績を重ねていき、企業への就職を目指す

②可能であればサーバーやシステムなどのエンジニア職種、あるいはマーケターなどに就職をして、データアナリストになるための経験の一部を積んでからデータアナリストを目指す

といった方法が現実的なルートになると考えられます。

  1. 資格を取る

上記では転職の年齢的な条件を説明しました。しかしながら、資格を取ることでスキルの証明になり、転職に有利に働くことが期待されます。ここではデータアナリストに関連する資格をご紹介します。

  1. 統計検定

一般財団法人 統計質保証推進協会が実施している、日本統計学会公式認定の資格です。難易度に応じて4級から1級まであり、データアナリストでは2級以上を取得していれば実務で活かせるスキルの証明になります。

※参照:統計検定:Japan Statistical Society Certificate

  1. アクチュアリー資格試験

公益社団法人日本アクチュアリー会が実施している、数学上の理論や計算業務の専門職である『アクチュアリー』になるための試験です。アクチュアリーとは、『確率や統計などの手法を用いて、将来の不確実な事象の評価をおこない、保険や年金、企業のリスクマネジメントなどの多彩なフィールドで活躍する数理業務のプロフェッショナル』と公式サイトで説明されており、難関資格となっているため転職活動に有利になるでしょう。

※参照:資格試験情報 – 日本アクチュアリー会

  1. OSS-DB技術者認定資格

特定非営利活動法人エルピーアイジャパン(LPI-Japan)が実施している試験で、『オープンソースデータベース(OSS-DB)に関する技術力と知識を、公平かつ厳正に、中立的な立場で認定するIT技術者認定資格です。』と公式サイトで説明されており、SilverとGoldの二つのレベルがあります。Silverは小規模のデータベースシステムの開発や運用管理、Goldは大規模データベースシステムの開発や運用管理、コンサルティングのスキルの証明になります。

※参照:OSS-DB技術者認定試験

  1. 基本情報技術者試験・応用情報技術者試験

独立行政法人 IPA(情報処理推進機構)が実施している、システム開発やソフトウェア・データベースなどのIT人材に必要とされるスキルを問われる資格です。まずは基本情報技術者試験に合格をしてから応用情報技術者試験を目指しましょう。

応用情報技術者の資格を取得すれば、エンジニアとして高いスキルを持っている証明になります。そのため、IT関連の知識があり、プログラミングを用いる業務もできる人材だと判断されるでしょう。

※参照:制度の概要:基本情報技術者試験

     制度の概要:応用情報技術者試験

  1. データベーススペシャリスト

独立行政法人 IPAが実施しているデータベースなどを扱うインフラエンジニア向けの資格です。しかしながら、データ分析やデータモデル作成など、データアナリストに関連する内容も問われる試験になっており、難関資格にもなっているため資格取得のメリットは大きくなっています。

※参照:制度の概要:データベーススペシャリスト試験

  1. ORACLE-MASTER

日本オラクル社が実施するOracle Databaseの技術を認定する資格で、データベース管理やSQLに関する知識が問われます。難易度に応じてBronze、Silver、Gold、Platinumとなっており、Bronzeを取得すればデータベースの基礎的な知識があることを証明できます。また、SQLのスキルはどのようなリレーショナルデータベースでも応用できるため、試験勉強を通してSQLの基本を身につけることができます。

※参考:be an ORACLE MASTER – | オラクル認定資格制度

  1. G検定・E資格

一般社団法人日本ディープラーニング協会が実施している認定試験です。G検定(ジェネラリスト検定)はエンジニアだけでなく、幅広いビジネスパーソンがAIや機械学習、ディープラーニングの知識があることを証明する資格で、E資格(エンンジニア資格)はAIや機械学習、ディープラーニングなどのシステム開発を実装できるスキルを証明する資格です。G検定はビジネスパーソンとして、E資格はエンジニアとして、データアナリストのスキルがあると判断されるでしょう。

※参考:G検定とは – 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

     E資格とは – 一般社団法人日本ディープラーニング協会【公式】

  1. Python3エンジニア認定データ分析試験

一般社団法人Pythonエンジニア育成推進協会が実施している試験です。Pythonでのデータ分析やIDE(統合開発環境)のJupyter Notebook、ライブラリのpandasやNumPyなどの知識に加え、数学や統計についての問題も出題されます。Pythonでのデータ分析スキルを証明するものになるため、データアナリストとして対応できる範囲が広がります。

※参考:データ分析試験 – Pythonエンジニア育成推進協会

※関連リンク:Python資格試験の種類とは?難易度や勉強方法を紹介

  1. 求人紹介を見る

弊社R-Stoneのデータアナリスト求人では、SQLや分析ツール、プログラミング言語など、上述してきた必須スキルを条件に記載している案件が多く、コンサル型とエンジニア型、双方の募集があります。

コンサル型かエンジニア型かの判断は、開発経験を必須スキルに挙げているか否かで判断できます。ご自身の要望に沿った仕事を見つけられるよう、求人紹介から探していきましょう。

関連リンク:求人検索 – アールストーンより

  1. エージェントを活用する

転職活動をおこなう際は転職専用のエージェントを利用することをおすすめします。転職専用のエージェントでは担当者が付くことが多いので、単独で転職活動をおこなうよりも企業との条件交渉や調整がしやすくなるからです。

また、転職活動やキャリアプランについて相談できる企業も多く、弊社R-Stoneではあなたの強みや転職軸、キャリアの選択肢などをコンサルタントが丁寧にヒアリングし、理想の将来像や持ち味を活かしたキャリア設計、転職活動のサポートをするキャリアドクターという制度を設けています。

エージェントにはさまざまな強みがあり、登録をすることによって非公開求人に応募できることもあります。弊社はIT・WEB・ゲーム業界のエンジニア、クリエイターに特化した転職エージェントになりますので、これらの業界で転職活動をお考えの際は、ご遠慮なくお問合わせください。

関連リンク:他社エージェントとの違い -IT・WEB・ゲーム業界の転職に強いR-Stone

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  1. データアナリストの将来性

分析ツールの項でご紹介した、BI(ビジネスインテリジェンス)のように、データを分析し事業に活かすことは、現在のビジネスでは重要な戦略となっています。加えて、今後もIT技術は進化していくと考えられるため、コンサル型、エンジニア型を問わず、データアナリストによる詳細なデータ分析の需要が増加していくと考えられます。そのような理由から、データアナリストは将来性の高い職業だといえるでしょう。

  1. まとめ

データアナリストは統計学や論理的思考、プログラミング言語など、さまざまなスキルが求められるため、難易度の高い職種であると考えられるかもしれません。しかしながら、現在エンジニアの方やマーケターの方は足りない部分を補うことで転職することも可能であり、まったくの未経験者の方でも、関連資格の難易度の低いものから勉強を続けていくなど、段階を追ってスキルアップを図ることができます。

 

データ分析はより高度なビジネスモデルを作るために必要になる情報となっており、データアナリストからデータサイエンティストなどへのキャリアアップの道筋も立てられています。また、クライアントの問題解決に直結する仕事のため、やりがいが大きい職業のひとつです。この記事を参考にし、データアナリストになれるよう行動していきましょう。