ゲーム業界、赤裸々転職事情

ゲーム業界、赤裸々転職事情

スマホやゲーム機で普段からゲームを楽しんでいる人の中には、一度は「人々が楽しめるゲームを作りたい」「有名なゲームの制作に携わりたい」と考えている方もいるのではないでしょうか。ゲーム業界で働くことでその夢を実現することができますが、ゲーム業界の経験者の知人や友人がいなければ、実状を聞くことは中々難しいといえます。

ゲーム業界への転職を検討されていて、仕事内容や必要なスキル、業界未経験でも採用されるのか、給与や勤務時間はどれくらいなのか、などを知りたい方のために、ここではゲーム業界の転職にまつわる事情を赤裸々にお伝えしたいと思います。

 

未経験者・経験者、どちらが有利?

 

ゲーム業界で働くには、それなりの技術やスキルを持ち合わせていなければ働けないと考えている方も多いようですが、ゲーム作品を取り扱う多くの会社では、ゲーム業界未経験でも採用される可能性は十分にあるといえます。とはいえ、それなりの経験やスキルを求める職種もあるため、経験の有無による有利・不利は、ひとくくりにできないでしょう。

 

基本的にゲーム業界は、ゲームの企画、デザイン、開発から運用までといった分野ごとに、それぞれを担当するプロジェクトチームが作られ、それぞれのチームが企画や構成、キャラクターのデザインなどの開発を進めていきます。また、プロジェクトチームの管理はディレクターが行い、プロジェクト全体の予算や人員、進行のマネジメントはプロデューサーが行います。

 

■ゲーム業界の主な職種

プロデューサー:予算や人員、プロジェクトの進行など、プロジェクト全体を管理する責任者。

ディレクター:企画やデザイン、シナリオなどの品質やスケジュールなど、ゲーム制作の現場を管理する責任者。

ゲームプランナー:ゲームの企画・立案を担当する。ゲームクリエイターと呼ばれることも。

プログラマー:企画書や仕様書通りに動作するように、ゲームシステム、キャラクターの動きやサウンド、効果などのプログラムを組む。

デザイナー:ゲームのキャラクターや背景、アイテムなどのデザインをする。

デバッガー・テスター:ゲームのバグを見つけて報告する。修正後に再度検証を行うことも。

 

ゲーム業界で未経験でも働くことが可能な求人はゲームプランナーやデバッガー、プログラマーだといわれています。しかし、プログラマーやデザイナーの場合は特定のソフトを使って作業をすることがほとんどであるため、経験やスキルを重視して採用されることが多いようです。経験年数や実務経験があることを必須として掲げている会社も多く、未経験からこれらの職種へ転職することは難しいでしょう。

未経験でゲーム業界にチャレンジする場合は、デバッガーやテスターといった職種がおすすめです。デバッガーやテスターは、制作中のゲームをプレイしてバグ(小さな不具合やエラーなど)を発見・報告するという作業が中心なので、スマホやゲーム機でゲームをプレイしたことがある人であれば、ゲーム業界未経験でも比較的採用されやすい職種でしょう。

 

 

年収って上がる?下がる?

 

年収は企業規模や職種、経験によっても大きく異なるため一概にはいえませんが、一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会の「ゲーム開発者の生活と仕事に関するアンケート調査2018」によると、ゲーム開発者の2017年における年収は537.24万円となっています。また、国税庁発表の「平成29年民間給与実態統計調査結果について」によると、業種別の平均給与は、ゲーム業界を含む情報通信業で598.6万円となっており、全業種平均の432.2万円を大きく上回っています。このことから、ゲーム業界への転職で年収が上がる可能性は少なくないといえるでしょう。

 

ただし、前述した通り、給与や年収は就職した企業の規模や職種、学歴、経験年数によって変動します。

例えば、大手ゲームメーカーの大卒初任給であれば職種に関わらず23万円ほどとなりますが、一方、未経験・中途採用のゲームエンジニアは月給18万円スタートという企業も少なくなく、保有するスキルや内定先企業によって、給与には幅が出てしまいます。

また、ゲーム制作のみを行うメーカーの下請け企業よりは、ゲームをすべて自社で開発・販売する企業のほうが給与は高めといわれているうえ、中途採用の場合は職種によっても給与の違いがあり、プログラマーやデバッガーといった開発職より、ディレクターやゲームプランナーといったプロジェクトを企画・統括する職種のほうが、給与は高い傾向にあるようです。

 

もちろん、中途採用の場合はスキルによって給与は異なるようで、実力次第では転職時点で収入が大きく上昇することがあるうえ、規模の小さな企業であっても、スマホゲームなどで大ヒットを連発したならば、その企業に勤めるゲーム開発者たちの給与も間違いなく上がるでしょう。

このように、多くの要因が絡むため一概に年収が上がるとはいえませんが、平均年収のデータからわかる通り、年収が高い業界であることは間違いなく、スキル・経験を得て着実に成長していけば、年収が上がる可能性は高いといえます。

 

勤務時間ってやっぱり長い?

 

ゲーム業界は一昔前まで、残業が多い業界という印象が強かったのではないでしょうか。そうしたイメージから、現在でも勤務時間が長いのでは、と心配する方も少なくないでしょう。実際、平成27年7月に厚生労働省から発表された「過労死等の防止のための対策に関する大綱」には、「過労死等が多く発生している又は長時間労働者が多いとの指摘がある職種・業種」として、自動車運転従事者、教職員、外食産業、医療とともにIT産業があげられているほど、長時間労働が常態化している環境だったと推察されます。

しかし、最近では上記の対策に加え、社員の健康問題や長時間労働是正の動きが活発になっているため、ゲーム業界においても勤務時間が長時間に及ぶといったケースはそうそうありません。ただし、それは通常時におけるゲーム業界の勤務時間であり、時期によっては残業が発生することも少なくありません。

ここからは、ゲーム開発業の勤務時間を時期ごとにご説明します。

 

通常時は8時間勤務、残業無しの企業が多い

エンドクライアントや他工程からの指示を待っている期間、また納期までまだ余裕があるような通常時においては、求人情報に掲載されているような時間が守られているといえるでしょう。具体的には、勤務時間は8時間程度、残業はほとんど発生しないという形です。

また、休日もごく一般的な企業と同じように、土・日・祝日休み、ゴールデンウイークなどの長期休暇もある企業がほとんどで、落ち着いて仕事ができる環境です。

 

納期直前は長時間勤務のケースが多い

どの業界にもいえることですが、ゲーム業界では特に納期直前あわただしくなり、通常時とは一変して勤務時間が増えるケースがほとんどです。1日の勤務時間が10時間を超えることもありますし、問題が解決しなければ通常は休みの日であっても出勤し、問題解決まで仕事をすることがあり、徹夜する可能性もあるでしょう。こうした問題を引き起こす要因としては、プログラムに不具合が発生した、デバッガーによる最終確認で致命的なバグが発見されたなどがあげられます。

こうした期間は必ずあるため、「ゲームが好き」という情熱がなければのりきれないかもしれません。

 

このように波のある仕事ですが、クリエイティブな業界らしく、フレックス制度や昼寝休憩といった新しい勤務体制を積極的に取り入れるほか、繁忙期が過ぎれば代休なども取れるケースが多いので、総合的に見ると、極端に勤務時間が長いということはないでしょう。

 

まとめ

 

今回ご説明した通り、ゲーム業界は企業によってはもちろん、自身が保有しているスキルや経験の有無によって大きく待遇が異なるため、どの項目についても一概に語ることはできません。しかし、新しいことを積極的に取り入れる業界のため、現在推進されている働き方の見直しなどに素早く取り組んでおり、メリハリをつけて働くことができる環境といえるでしょう。

もちろん、繁忙期などはハードなスケジュールになるので、ひとつのことをやり抜く忍耐力や体力、そして何より「ゲームが好き」という気持ちを持っていなければ厳しい環境かもしれません。しかし、自分の携わったゲームが完成し、多くの人にプレイしてもらえるというやりがいは、どの業界より大きいのではないでしょうか。

ゲーム業界に興味を持っているという方は、まず業界を深く知る転職エージェントなどに相談し、業界のことを聞いてみてはいかがでしょうか。