IT,WEB,ゲーム業界の転職に強い転職コラム

【3分で分かる】オブジェクト指向とは?特徴やメリット等

プログラミングは非常に複雑かつ難解な作業ですが、考え方次第で、作業の簡素化や負担の軽減は可能となります。「オブジェクト指向」とは、このようなプログラミング作業の効率性を高める重要な考え方のひとつで、実際の開発現場だけでなく、プログラミングスクールでも取り上げられることは珍しくありません。また、転職においてもオブジェクト指向のプログラミング言語は非常に高いニーズがあります。

しかし、オブジェクト指向の概念を理解することは容易ではなく、特に初心者にとっては大きな壁となってしまうこともあるようです。今回は、オブジェクト指向の概念について可能な限り分かりやすく解説していきます。

 

オブジェクト指向とは?

オブジェクト指向とは?
オブジェクト指向とはプログラミングにかかわる概念のことです。「オブジェクト(Object)」という言葉には、「もの」「物体」といった意味があり、人が見たり手にしたりするあらゆる「もの」がオブジェクトであると言えます。「オブジェクト指向」とは、プログラミングにおいて開発するものの一つひとつを「もの」として捉え、その仕組みを考えながら組み立てていくことを意味します。

オブジェクト指向の概念と仕組みを理解したうえで開発された「もの」は、それ自体が単独で動作するため、より高度な機能を持った製品を作り出すことができます。そのため、とりわけプログラミングを伴う現代のものづくりの現場において、オブジェクト指向は欠かせない概念になりつつあります。

ただし、オブジェクト指向はあくまでも「概念」なので、それを理解したり人に教えたりするのは容易ではありません。オブジェクト指向をいきなり100%理解するのは難しいため、少しずつ考え方として身に付けていくものだと認識しておきましょう。

オブジェクト指向の具体例

具体例を交えると、オブジェクト指向の概念が理解しやすくなります。オブジェクト指向を説明する際によく例えられるのが「車」です。

・オブジェクト指向を「車」で理解する

車の免許を持っている人なら、車の基本的な操作方法は知っていて、実際に運転することができるでしょう。ですが、車の免許を持っている人全員が車が動く仕組みを知っているわけではありません。むしろ、車の構造などのメカニカルな知識は持っていない人のほうが多いでしょう。

これはどういうことかと言うと、車を運転するうえで、車の構造や仕組みを理解している必要はないということです。もちろん、知っているに越したことはありませんが、知らなくても運転はできます。つまり、車という「もの」と、車の操作という「役割」を切り分けて考えているわけで、この考え方がまさにオブジェクト指向の考え方だと言えます。

・オブジェクト指向と手続き型の違い

上から順番にコンピューターが実行すべき命令や手続きを記述していくプログラミングのことを「手続き型プログラミング」と言います。

たとえば、車のゲームで考えてみましょう。「ジムニーはAボタンを押すと走り、Bボタンを押すと止まる」というプログラミングを手続き型でおこなったとします。パジェロもシビックもGT-Rもランドクルーザーも同じ挙動をする場合、それぞれ同じように手続き型プログラミングをしても構いません。しかし、これが100車種、1,000車種になってきたらどうでしょうか? もちろん手続き型プログラミングでも「もの」は動きますが、作業に膨大な時間がかかります。

もし、1,000車種分のプログラミングを終えた後、Bボタンは停止ではなくバックに変更することになったらどうでしょうか? 1,000車種のプログラムを書き換えることになったエンジニアは、頭を抱えることでしょう。

このような作業を回避できるのが、オブジェクト指向によるプログラミングです。オブジェクト指向では、最初から車という「もの」を、「Aボタンを押すと走り、Bボタンを押すと止まる」ように定義しておきます。こうしておくことで「Bボタンを押すとバックする」に変更された場合も「車のプログラム」を書き換えるだけで済みます。パジェロやシビック、GT-Rやランドクルーザーをプログラミングするときも、基本的には「車のプログラム」を再利用して、デザインや色を変えるだけでOKです。

・大規模な開発に向いているオブジェクト指向

このような特徴から、オブジェクト指向は大人数による大規模な開発に向いていると言われます。手続き型プログラミングの場合、関わるすべてのエンジニアがプログラムの中身を理解していなければいけませんが、オブジェクト指向なら、「車のプログラム」を作成したエンジニアだけがその中身を理解していればよく、他のエンジニアは「Aボタンを押すと走り、Bボタンを押すと止まる」ことだけ理解しておけば済むわけです。

オブジェクト指向を理解するために、もう一つ、スマートフォン向けの将棋ゲームを例に挙げてご説明しましょう。スマートフォン向けの将棋ゲームは、プレイヤーとコンピューターが操作する駒、さらには時間を計るタイマーなどの付随的なものも含めると多種多様なパーツによって構成されています。手続き型プログラミングの場合は、これらを一括りにしてプログラミングをおこないます。

一方、オブジェクト指向では、これらのゲームを構成するパーツの一つひとつを独立した「もの」として開発します。独立したものとして開発されたそれぞれのパーツは単独で動作するだけでなく、それぞれを連携させることも可能になるため、より複雑な操作や演出をゲームに加えることができるのです。

オブジェクト指向の概念は、もちろんゲーム以外のプログラミングにも使われますし、プログラミング以外の領域にも通じる高度な考え方だと言えるでしょう。

オブジェクト指向に関連するワード

オブジェクト指向に関連するワード
オブジェクト指向の概念を理解するためには、オブジェクト指向に関連する言葉の意味を把握しておくことが重要です。転職時の面接でも当たり前のように使われる言葉なので、正確に理解しておきましょう。

・オブジェクト

上述のとおり、オブジェクトは「もの」という意味です。プログラミングにおいては、データと処理の集合体だと説明されます。たとえば、野球選手というオブジェクトには、「名前」「年齢」「身長」「体重」といったデータのほか、「投げる」「打つ」「走る」といった処理が含まれています。

・クラス

プログラミングは設計図をもとに開発がおこなわれるもので、これはオブジェクト指向のプログラミングでも同じです。とりわけ、オブジェクト指向のプログラミングで使用する各々の「もの」の設計図のことを「クラス」と言います。

・プロパティ

プロパティとは、オブジェクトが持っているデータのことを言います。プロパティは日本語で「属性」という意味です。野球選手というオブジェクトで言えば、「名前」「年齢」「身長」「体重」「所属球団」といったプロパティを持っていることになります。

・メソッド

メソッドとは、オブジェクトが持っている処理のことを言います。野球選手というオブジェクトで言えば、「投げる」「捕る」「打つ」「走る」「ジャンプする」など、オブジェクトがアクションを起こす処理のことです。

・継承

オブジェクト指向のもと開発された「もの」には、再利用しやすいという特長があります。特にクラスを別の製品の開発で再利用する場合、そのことは「継承」と呼ばれます。

・カプセル化

クラスをもとに開発された「もの」は複雑な仕組みで成り立っていますが、その細部に至るまでをすべての人が理解するのは困難です。そのため、複雑な仕組みを持つ「もの」を抽象化する必要があり、その作業を「カプセル化」と言います。

上述のとおり、車の内部には運転する人が理解できないほどの複雑な仕組みがありますが、それを抽象化することで、専門知識を持たない人でも運転することが可能です。つまり、私たちが目にしている車もまたカプセル化されたものだと言えます。

・ポリモーフィズム

パーツごとに開発された「もの」は、最終的には各々のパーツが連動するようになる必要があります。すべてのパーツが一つの指示で、あらかじめ定めた動作をするような仕組みを作ることを「ポリモーフィズム」と言います。

オブジェクト指向のメリット・デメリット

より高度な概念であるオブジェクト指向は、習得することで多くのメリットをもたらしてくれます。一方で、この概念を用いることで生じるデメリットもあることから、開発現場で活用する際にはそれぞれの詳細を知っておくことが重要です。オブジェクト指向がもたらす主なメリット・デメリットを見ていきましょう。

・オブジェクト指向のメリット

カスタマイズがしやすく、柔軟な対応ができる

オブジェクト指向のもとプログラミングをおこなうと、完成品にはカスタマイズがしやすくなるというメリットが生じます。仕様変更などに柔軟に対応ができるのも、オブジェクト指向の大きなメリットだと言えるでしょう。

作業者同士での認識の共有がしやすくなる

オブジェクト指向に基づいておこなわれる開発では、多数のパーツによって構成されるものを細部に至るまで作業者が理解しながら作業を進めていきます。個々の作業者のクラスに対する理解度が高ければ、作業者同士での認識の共有がしやすくなり、スムーズな作業につながります。

再利用がしやすく、開発作業の効率化を図れる

オブジェクト指向で開発された製品、またはクラスには、再利用しやすいというメリットがあります。このことにより、既製品と仕組みが基本的に同じ製品を作る場合、開発作業の大幅な効率化が可能になります。

・オブジェクト指向のデメリット

理解するのが難しい

作業方法ではなく、概念であるオブジェクト指向を理解するのは簡単ではありません。この点がオブジェクト指向の最大のデメリットだと言えるでしょう。仕事としてプログラミングに従事しながらオブジェクト指向を習得したいという方は、習得することばかりを意識すると作業の進捗にも影響が出てしまうことがあります。

大人数で作業する場合、理解度の差が作業の停滞を生む

理解することが難しいオブジェクト指向は、人によって理解度に差が出ることもあり、作業の停滞を生むというデメリットもあります。そのため、大人数でオブジェクト指向の開発作業をおこなう場合、個々の作業者のオブジェクト指向の理解度をプロジェクトリーダーらが把握しておくことが大切です。

一から開発する場合、コードが複雑になりやすい

オブジェクト指向には再利用がしやすいというメリットがある反面、一から開発する場合はコードが複雑になりやすいというデメリットもあります。したがって、再利用に適した既製品がない場合などは、多くの時間を費やすことになります。

まとめ~オブジェクト指向の理解を深め、有利な転職を!

プログラミングの現場では必須になるオブジェクト指向ですが、この概念を理解するのは容易ではありません。時間をかけながら少しずつ習得していくのがよいでしょう。また、オブジェクト指向にはメリットが多い反面、デメリットもないわけではありません。開発対象とオブジェクト指向との相性を見極めたうえで、オブジェクト指向を採用するかどうかを判断することも重要です。

とはいえ、現在ではオブジェクト指向が主流になっており、Java、PHP、JavaScript、C++、Swiftなどのオブジェクト指向言語は多くの開発現場で使われています。エンジニアの転職マーケットでもオブジェクト指向言語はニーズが高く、習得している人は有利な転職を実現できます。これから転職を検討しているエンジニアの方は、あらためてオブジェクト指向について理解を深めておきましょう。
>> R-Stoneの詳細はこちら

最新の求人情報のチェックはこちらから
求人情報一覧へ