エンジニアで年収2000万は実現できる？職種別の平均年収やエンジニアの将来性もあわせてご紹介

年収2000万円と聞くと、ITエンジニアにとっての憧れの数字ですが、実現には具体的な行動が必要です。本記事では、夢を現実に変えるため、どのような段階を踏めば良いのか、解説します。

職種別の平均年収や将来性、スキルアップやキャリアアップの秘訣まで、幅広く紹介します。理想と現実のギャップを埋め、成功への道を一緒に歩みましょう。今日から始められるアクションプランとともに、未来への一歩を踏み出しましょう。

ITエンジニアの種類

いろいろあるエンジニアの職種が何を担当し、どのようなスキルが求められているか、それぞれご紹介します。

WEBエンジニア

インターネット上で動作するアプリケーションやサービスを開発する専門家です。主に、WEBサイトやWEBアプリケーションの設計、開発、運用を手掛けます。

WEBエンジニアは、フロントエンド技術やバックエンド技術、さらには両者を網羅するフルスタックの能力が求められます。例えば、HTML、CSS、JavaScriptを用いたクライアントサイドの開発、サーバーサイドでのプログラミング言語（PHP、Rubyなど）の知識が必要になります。フレームワークの理解も重要で、効率的な開発を実現するためには、LaravelやRuby on Railsなどを活用するのが一般的です。

関連記事：フルスタックエンジニアになるには？必要なスキルや年収などをご紹介

システムエンジニア

顧客のニーズに応えるソフトウェアシステムの設計・開発に携わる職種です。要件定義やシステム設計、開発、テスト、導入まで、ソフトウェア開発プロジェクトの全工程をカバーします。

システムエンジニアには、プログラミングスキルのほか、システム全体を見通し、問題解決を図る高度な分析力とコミュニケーション能力が要求されます。また、システムを構成するハードウェアやネットワークに関する知識も重要です。プロジェクトによっては、顧客の業務知識を理解する必要があり、業務システムの開発に関する深い知見が求められる場合もあります。

インフラ系エンジニア

システムの基盤となるネットワークやサーバー、ストレージなどの設計、構築、運用をおこなう専門家です。クラウドサービスが普及している現在では、AWSやAzureなどのクラウドプラットフォームの知識も必須となってきています。

インフラ系エンジニアでは、システムの安定性やセキュリティ、パフォーマンスに直接影響を及ぼすため、高い技術力とリスク管理能力が要求されます。また、災害時のバックアップシステムや復旧計画の策定など、事故や障害からシステムを守る役割も担います。

上流工程担当エンジニア

ソフトウェア開発プロジェクトの初期段階にある要件定義や基本設計を主に担当します。顧客の要望を具体的なシステムの仕様に落とし込む役割を果たし、プロジェクトの成功に大きく影響を与える重要なポジションです。

上流工程担当エンジニアでは、技術的な知識だけでなく、顧客との折衝やチーム内での調整能力も求められます。また、プロジェクト管理の知識、例えばスケジュール管理や品質管理のスキルも不可欠です。最適なソリューションを提案し、プロジェクトを円滑に進めることが、上流工程担当エンジニアの大きな責務となります。

その他

ITエンジニアの職種は幅広く、他にもいろいろなケースに対応したエンジニア職が存在します。

社内SE

社内SE（システムエンジニア）は、社内の情報システムやネットワークの計画・開発・運用を担当し、企業の業務効率化やコスト削減、さらには新たなビジネスチャンスの創出を支援します。

例えば、社内の業務システムを自社でカスタマイズしたり、最新のIT技術を取り入れたりなどが挙げられます。社内SEは、ITスキルだけでなく、社内のさまざまな部門とコミュニケーションを取りながらプロジェクトを進めるため、コミュニケーション能力もかなり重要になります。

セールスエンジニア

技術的な知識を活かして、製品やサービスの販売を支援します。

クライアントの技術的な問題を解決するために提案をしたり、製品のデモンストレーションを実施したりします。セールスエンジニアは、単に製品を売るだけではなく、顧客が真に必要としているものを理解し、最適な解決策を提案するため、深い製品知識とともに高いコミュニケーションスキルが求められます。また、新しい技術や市場のトレンドを常に追いかける必要もあります。

テストエンジニア

ソフトウェアやシステムが設計通りに正しく動作するかを検証する専門家です。品質保証の一環として、さまざまなテスト手法やツールを使用してバグや不具合を見つけ出し、修正を促します。テストプロセスには、単純な機能テストから、負荷テスト、セキュリティテスト、ユーザビリティテストなど、多岐にわたるテストが含まれます。

テストエンジニアは、細かい注意を払い、根気強く作業を続ける能力が求められるため、抜本的な問題解決能力が重要です。

3Dエンジニア

3Dエンジニアは、3Dコンテンツの制作や3D技術の開発に携わります。

3Dは、ゲーム、映画、VR、建築ビジュアライゼーションなど、さまざまな応用があります。3Dモデリング、アニメーション、レンダリング技術の知識が必要とされるほか、技術を最適に活用するためには、プログラミングスキルも欠かせません。また、新規プロジェクトでは創造性が求められ、チーム内での連携がとくに重要になることもあります。

関連記事：VRMとは？VRMの特徴とできることを徹底解説

年収が高いITエンジニアは？

平均年収ランキング

出典：doda 2023年12月

平均年収が最も高いのは「プロジェクトマネジャー」で、691万円となっています。次いで「プリセールス」が609万円、「ITコンサルタント」が602万円、「IT戦略／システム企画」600万円と続きます。左記の職種は、技術とビジネスの双方に精通していることが求められ、専門性が高い報酬につながっているようです。

また、5位から7位までの職種は、分析や研究開発の側面が強く、高度な知見が求められる職種となっています。

ITエンジニアの男女別平均では男性473万円、女性398万円となっており、年代別では、どの職種も年代につれて年収が上昇し、例えば40代で「プロジェクトマネジャー」の年収は836万円と顕著に高く50代以降は横ばいで、経験や実績が重要視される職種となっています。

エンジニアの将来性

デジタル化が加速する現代社会では、ショッピング、遠隔医療、クラウドなど、日常生活を支える多くのサービスがIT技術に依存しているため、エンジニアの需要は高まる一方です。

経済産業省の予測によれば、2030年にはITエンジニア不足が約79万人に上るとされるなか、パンデミックをきっかけにテレワークが普及したことで、ITインフラの整備・運用をおこなうエンジニアの重要性が一層認識されました。

クラウドなど最新の技術進化に対応できるエンジニアの需要は高く、将来性は明るいです。

エンジニアに求められるスキル

ITエンジニアが職業的に備えておくべきスキルを5分野からご紹介します。

プログラミング言語を扱うスキル

• ・プロジェクトマネジャー: –
• ・プリセールス: –
• ・ITコンサルタント: –
• ・IT戦略／システム企画: –
• ・セキュリティコンサルタント／アナリスト: Python, Bash, PowerShell
• ・研究開発:研究テーマにより異なる
• ・データサイエンティスト: Python, R, SQL
• ・セキュリティエンジニア（脆弱性診断／ネットワーク）: Python, Bash, PowerShell
• ・システム開発／運用: Java, C#, PHP, Python
• ・パッケージ導入／システム導入:導入するシステムにより異なる
• ・スマートフォンアプリ系エンジニア: Java, Swift, Kotlin, C#
• ・サーバーエンジニア: Linux, Python, Bash
• ・ネットワークエンジニア: Linux, Cisco CLI
• ・制御系ソフトウェア開発: C, C++
• ・WEBサービスエンジニア: JavaScript, PHP, Python, Ruby
• ・SE／プログラマ: Java, C#, PHP, Python, Ruby
• ・テクニカルサポート: –
• ・データベースエンジニア: SQL, MQL, CQL, DDBQL
• ・運用／監視／保守: Linux, Bash
• ・デバッグ／テスター:テスト対象により異なる
• ・ヘルプデスク: –

上記は、職種とよく使う言語の一覧です。

言語の記載がない職種の場合も、顧客やチームへの説明・理解のため、状況に応じてプログラミング言語のスキルが必要です。

例えば、プロジェクトマネジャーにはプロジェクト管理の流れを理解するためにも、基本的なプログラミング知識が求められます。研究開発では、PythonやRが、データの解析や機械学習モデルの開発に使われます。セキュリティエンジニアは、システムの脆弱性を見つけるためにPythonやBashなどを使用します。

職種ごとに必要とされるプログラミング言語を理解し、深く学ぶことが、エンジニアとしての価値を高め、結果として年収アップにつながります。

関連記事：プログラミングを使った仕事は？プログラミング言語の種類やこれから注目の言語をわかりやすく解説

ネットワークやクラウドサービスを扱うスキル

ネットワークやクラウドサービスは現代のIT業界で中核をなす技術です。安全かつ迅速なデータ通信、効率的な情報共有・アプリケーション運用が可能になります。

特に、Amazon Web ServicesやGoogle Cloud Platformなどのクラウドプラットフォームの知識は、多くの企業が求める重要スキルです。

開発フレームワークを扱うスキル

開発フレームワークの理解は、必須のスキルです。フレームワークを活用すると、効率的かつ品質の高い開発が実現できます。

Ruby on RailsやDjango、React、Angularなど、特定のフレームワークへの精通は、現代の開発業務で強みとなります。

関連記事：Reactとは？メリット・デメリットや実装手順などを徹底解説

セキュリティや法律関連の知識

サイバー攻撃の進化や個人情報保護法などの法規制に対応するため、高度なセキュリティ対策および法的な知見は、企業の信頼構築に必要な基盤となります。

攻撃からシステムを守るためのセキュリティ対策の設計や、法規制を遵守したシステムの開発に対応できるエンジニアが求められています。

ソフトウェア・ハードウェア関連の知識

ハードウェアの知識も大切で、ソフトウェアが動作するハードウェアの特性を理解すれば、より最適化されたシステムを構築できます。

特にIoTデバイス開発や仮想化技術の理解は、効率化と最適化を追求する現代のシステム構築で重要です。

エンジニアとして年収2,000万円を稼ぐためのポイント

年収2,000万円を達成する高い目標に到達するためのアクションプランを詳しく見ていきましょう。

実績や実務経験を重ねる

エンジニアとして年収を上げるためには、まずは実績や実務経験を積むことが重要です。実務経験を積むことで、スキルを磨き高度なプロジェクトへ取り組めるようになります。具体的には、会社での仕事だけにとどまらず、個人的なプロジェクトやオープンソースプロジェクトへの貢献などを通して、技術力や問題解決能力を示すポートフォリオを構築するのがおすすめです。左記の経験は、転職やフリーランスへの転身、さらには外部からのプロジェクト獲得でも大きな強みとなります。また、高単価の案件の多くが実務経験〇年のように、アサインするための条件として実務経験を必須としていることが多いため、スキルの獲得とともに実務経験を重ねていくことが重要です。

対応領域を広げて常にスキルアップする

エンジニアとして高い年収を目指すうえでは、技術の進化に合わせて常にスキルアップを図る必要があります。新しい技術が次々と生まれては消えていくIT業界の性質上、古いスキルは徐々に廃れていき、需要をなくし、新しいスキルは習得者が少ないうえに、需要が高い、ということが起こります。例えば、新しいプログラミング言語の習得や、クラウドサービスの知識、さらには人工知能やブロックチェーンなど最先端技術への理解を深めることが必要です。

また、専門分野を持ちつつも、異なる技術領域にも理解を深めることで、市場価値を高め、より多くのプロジェクト獲得のチャンスを得られます。

スキルアップのためには、資格取得やオンラインコースへの参加、技術書を読むなど、さまざまな方法で学習を継続するのが重要です。

資格を取得する

最新知識を習得していることを示す手段の1つが資格です。年収アップにつながる資格を見ていきましょう。

情報処理技術者試験

経済産業省が認定する国家試験で、上級試験には、プロジェクトマネージャ試験、ITストラテジスト試験など、高度な専門知識と実務経験が求められます。取得すると、開発プロジェクトの設計や管理など高度なスキルを持っていると評価されます。

参考リンク：試験区分一覧|試験情報| IPA独立行政法人情報処理推進機構

CISSP

セキュリティ分野の国際資格で、特定分野の実務経験5年以上が必要ですが、世界で最も給与の高いセキュリティ資格の1つとしてランクされています。

参考リンク：CISSPとは｜ISC2 Japan

PMP®

国際的なプロジェクトマネジメントの資格で、ITや建設など多くの業界で、専門知識を証明する基準として広く認知されています。

直近3年に4,500時間以上のプロジェクトマネジメント経験が求められます。

参考リンク：PMI®試験・資格について|一般社団法人PMI日本支部

クラウドベンダー資格

AWS・Google Cloud・Microsoft Azureなど、主要クラウドの資格は、現代のITインフラを支える重要な技術を扱える証明となります。

ベンダーによっては、上級資格を取得するために3年の実務経験が求められます。

AWS認定、Google Cloud認定資格ではプロフェッショナル以上、Microsoft認定資格ではExpert以上を目指しましょう。

関連記事：GCP資格試験の種類や難易度を解説！取得するメリットや学習方法をご紹介

フリーランスに転身する

高い年収を目指すエンジニアにとって、フリーランスとして独立する選択肢は魅力的です。フリーランスエンジニアとして活動すれば、企業に属さず自分の好きなプロジェクトに取り組む自由を得られますし、実力次第で高い報酬を得ることも可能です。

しかし、フリーランスとして成功するためには、技術力だけでなく、営業力や交渉力、そしてリスク管理能力も求められます。自分を売り込むためには、過去の実績や技術ブログなどを通じて自己PRを効果的におこなうことが必須です。

関連記事：正社員とフリーランスは掛け持ちできる？気になるポイントをご紹介

海外での活躍を目指す

さらに高い年収を目指すエンジニアのなかには、日本国内だけでなく、海外でのキャリア構築を検討するケースも増えています。特に、シリコンバレーやヨーロッパのIT企業では、高度な技術スキルを持つエンジニアへの需要が高く、魅力的な報酬を得られる場合があります。

例えば、アメリカのシステムエンジニアは、平均年収が1,640万円となっており、日本の3倍程度と高い水準です。

海外で活躍するためには、多くの準備と努力が必要ですが、エンジニアとしての視野を広げ、国際的なキャリアを築くことができます。

出典：indeed

まとめ

本記事では主に下記の内容について解説してきました。

• ・専門性の高い技術や知識を持つエンジニアの需要が高い
• ・技術の進化に適応し、新しいスキルを学ぶことが重要
• ・情報処理技術者（上級）、CISSP、PMP®、クラウドベンダー資格がおすすめ

年収2000万を実現するためには、実務経験を積み重ね、対応領域を広げてスキルアップし、卓越した技能を身につけるだけでなく、どの企業で働くか、どの職種に就くかなど緻密な計画が欠かせません。

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