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Web用フレームワーク「Bootstrap」について徹底解説

Web用フレームワーク「Bootstrap」について徹底解説

ひと昔前までは、WebサイトやWebアプリケーションを開発する際は、一からコードを書くのが当たり前でした。しかし、現在は開発を効率的に進められる便利なフレームワークが登場しており、コードを書く負担も軽減されるようになっています。今回は、定番のWebフレームワークである「Bootstrap」について解説していきます。

Bootstrapの特徴

Bootstrapとは、HTML、CSS、JavaScriptから構成されるWebフレームワークで、WebサイトやWebアプリケーションを開発するのに必要な機能がまとめられています。

Bootstrapには、Webの基本機能である「メニュー」「ナビゲーション」「ボタン」「フォーム」などのパーツが用意されているほか、見た目を調整するCSSファイルや動きをつけるJavascriptファイルもすでに作成されています。デザインに関する知識がなくても、それらを呼び出すだけで簡単にデザイン性に優れたWebサイトやWebアプリを作ることができるのはBootstrapの大きな魅力だと言えるでしょう。

Bootstrapのメリット

Bootstrapのメリットとしてよく言われるのが以下の3点です。

Bootstrapのメリット01:開発工数を削減できる

Bootstrapを使ってWebサイトやWebアプリを開発するメリットの一つが、工数を削減できることです。一から開発する場合は、HTML、CSS、JavaScriptなどの言語を用いたコーディング作業が必要になりますが、Bootstrapを使えば、すでに用意されているCSSやJavascriptの定義を呼び出すだけでWebサイトやWebアプリができあがります。従来の工程で開発する場合に比べると、デザインやレイアウトに要する工数を大幅に削減することができます。

Bootstrapのメリット02:手軽にレスポンシブWebデザインができる

レスポンシブWebデザインに対応しているのもBootstrapの大きなメリットだと言えるでしょう。レスポンシブWebデザインとは、表示するデバイスのサイズに合わせてレイアウトを動的に変化させるデザインのことで、昨今のWebサイト制作では必須の手法になっています。

従来は、PC、スマホ、タブレットなどデバイスのサイズに合わせてCSSを書き分けていましたが、BootstrapならレスポンシブWebデザインに対応しているため、ワンソースで各デバイスに最適化された表示がなされます。

Bootstrapのメリット03:保守・メンテナンスがしやすい

もともとの開発者がいなくても、保守・メンテナンスがしやすいのはBootstrapのメリットです。他人が制作したWebサイトの修正やページ追加をする際は、思わぬところでレイアウトが崩れてしまったり、修正がうまく反映されなかったりといったトラブルが起こりがちです。

その点、Bootstrapの場合はあらかじめ用意されたテンプレートやパーツなどを使うので、誰でも同じルールに沿ってコーディングをすることになります。誰がメンテナンス・修正する場合でも、Bootstrapの知識があれば安心して手を加えることができます。

Bootstrapのデメリット

Bootstrapのデメリットとしては、以下の2点を認識しておきましょう。

Bootstrapのデメリット01:バージョンの更新・管理の手間がかかる

Bootstrapは品質向上のために定期的にバージョンアップがおこなわれます。それ自体は本来歓迎すべきことですが、利用する側としてはバージョンの更新・管理をする手間がかかるほか、場合によってはBootstrapをバージョンアップすることでWebサイトやWebアプリが不具合を起こすケースもあります。

Bootstrapのデメリット02:画一的なデザインになりがち

Bootstrapは、Webサイト・Webアプリの開発工数を大幅に削減できるフレームワークですが、それができる理由はテンプレートを使うからです。テンプレートを使うことのデメリットとも言えるのが、画一的なデザインになりがちなことでしょう。

Bootstrapを使うことで「個性のないWebサイトになる」「見た目が似たり寄ったりになる」といった意見が聞かれるのも事実です。オリジナリティを出すためにデザインを作り込みたい場合などは、CSSやJavaScriptなどを使って細かい調整をしなければいけません。

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Bootstrapの種類

Bootstrapはもともと、Twitter社が開発したフレームワークです。2012年にOSS化してからは、Twitter社のBootstrapをベースに派生したバージョンが登場しています。よく使われているBootstrapは以下の3つです。

Twitter Bootstra

Twitterのデザイナーと開発者が開発したTwitter Bootstrapは、世界中でもっとも人気のあるフロントエンドフレームワークの一つになっています。単純に「Bootstrap」と言ったら、Twitter Bootstrapのことを指します。

Angular directives for Bootstrap

AngularJSはGoogle社が提供している、JavaScriptのシステム開発をサポートするフレームワークです。Angular directives for Bootstrapは、このAngularJSと連携できるBootstrapです。

BootstrapWP

BootstrapWPは、世界的にトップクラスのシェアを誇るCMS「WordPress」と連携できるBootstrapです。WordPressのブログ作成機能とBootstrapのデザイン機能を掛け合わせて、簡単にデザイン性の高いWebメディアやブログを開発することができます。

Bootstrapを生かして転職できる職種は?

転職サイトなどで「Bootstrap」と検索すると、数多くの求人情報がヒットします。昨今のWebサイト・Webアプリ開発では、モバイルファースト(レスポンシブWebデザイン)が基本になるとともに、開発のスピードアップが求められるようになっており、Bootstrapが用いられるシーンも増えています。バックエンドエンジニアやフロントエンドエンジニア、またWebディレクターなどはBootstrapの知識・スキルが生かせる代表的な職種だと言えるでしょう。

バックエンドエンジニア × Bootstrap

Bootstrapは、ユーザーの目に見える部分(いわゆる「フロントエンド」)の見栄えを良くすることができるフレームワークです。

バックエンドエンジニアはフロントエンドの開発を苦手とする人が多く、どうしても見た目がおろそかになりがちです。そんなバックエンドエンジニアでも、Bootstrapを使えばそれなりのインターフェイスを実現することができます。その意味で、バックエンドエンジニアがBootstrapを使えるとプラスアルファの武器になるはずです。

フロントエンドエンジニア × Bootstrap

フロントエンドエンジニアとして転職するためには、Bootstrapを使えるに越したことはありません。しかし、Bootstrapだけができてもあまり意味はありません。Bootstrapはノンプログラムで動的なデザインを実装できるのが魅力ですが、フロントエンドエンジニアとして活躍したいならCSSやJavaScriptを習得していることは必須です。

Bootstrapで作るWebサイトやWebアプリは、よく「レトルトカレー」に例えられます。レトルトカレーなら誰でも簡単に作れますし、具材を加えたり味付けを変えたりしてカスタムすることもできます。ですが、あくまでもレトルトであり、香辛料の配合から考えて作る本格的なカレーとの間には埋められない差があります。

フロントエンドエンジニアとして活躍するためには、CSSやJavaScriptが使いこなせるのが大前提です。そのうえで、新たな引き出しとしてBootstrapを使えるフロントエンドエンジニアなら、より幅広いニーズに応えられるでしょう。

Webディレクター × Bootstrap

Webディレクターには、担当するWebサイトがBootstrapで作るのに向いているのかどうかを正しく判断する力が求められます。

「できるだけ安く」「できるだけ早く」というニーズが優先される場合、Bootstrapで開発しようという判断がされがちですが、Bootstrapで作るのに向いていないWebサイトもあります。その認識が希薄なWebディレクターが安易にBootstrapを選んで実装しようとすると、結局、独自のCSSを書く量が多くなるなど、Bootstrapのメリットを享受できなくなります。

開発工数が少ない案件で、そこまで見た目のオリジナリティが求められない場合は、Bootstrapは有力な選択肢になります。Webディレクターとして活躍するためには、Bootstrapに関する最低限の知見を持ち、Bootstrapを使うべき案件かどうかを的確にできることが重要です。

まとめ

Bootstrapは、優れたレスポンシブデザインを効率的に実装するために欠かせないフレームワークです。近年、あらゆるWebサービス開発においてスピード感が重視されるようになっており、今後もBootstrapの出番はますます増えていくでしょう。フロントエンドエンジニアはもちろん、バックエンドエンジニアやWebディレクターの方もBootstrapの知見を得て、幅広いニーズに対応していきましょう。