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CSS フレームワークとは?メリット・デメリットと人気のCSSフレームワークをご紹介

WEBサイトの制作は、あらゆる構成要素を、手作業でコーディングしていた時代から、長い時間をかけて進歩してきました。現代の開発者は、より効率的で、保守性の高いWEBサイトの制作を進められる、多くのツールを利用できます。ツールの一つにCSSフレームワークがあり、一定のデザインルールに沿って、スタイルを素早く整えられます。本記事で、基本事項から、利点や欠点、人気のCSSフレームワークまで詳しく見ていきましょう。

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  1. CSS フレームワークとは?

CSSフレームワークと聞いて、何を思い浮かべますか?

CSSは、HTMLと並び重要なWEBサイトの構成要素です。フレームワークとは、基本的な考え方・枠組みなどの意味です。

以下、「CSS」と「フレームワーク」を詳しくご紹介します。

 

  1. そもそも「CSS」とは?

CSSとは、WEBサイトの制作に使用される、ページのデザインを記述する言語です。

CSS(カスケーディング・スタイル・シート)は、ページのレイアウトや、色・書体・透明度やアニメーションなど、WEBページの視覚的な要素を定義するのに特化した文法を持ちます。CSSを用いることで、従来HTMLファイル内に混在していたデザイン要素を別ファイルに分離でき、コンテンツの構造や中身は、HTML、視覚的なスタイルはCSS、と役割を明確にして理解しやすく、更新・メンテナンスのしやすい制作フローを実現しました。

CSSは1994年にCERN(スイスにある素粒子物理学研究所)で勤務していたノルウェー人のHåkon Wium Lie(ホーコン・ウィウム・リー)氏によって開発されました。リー氏はCSSの父と呼ばれ、HTMLの父Timothy  John Berners-Lee(ティム・バーナーズ・リー)氏とともにCERNで働いていたことがあります。

CSSは1996年12月にW3C(WEB技術の標準化をおこなう非営利団体)より最初の標準規格が発表され、以降バージョンアップを重ねていきましたが、CSS3以後は特定のバージョン番号がありません。CSS2.1の頃から標準規格の対象領域が大幅に増加したことで、全体のバージョンをそろえる代わりに、個別の領域(モジュール)毎に開発やリリースをおこなうほうが効率的になったためです。

CSS3では、複数背景・ボーダー画像・アニメーション・メディアクエリーなどの機能が追加されました。メディアクエリーは、パソコンとスマートフォンなど画面サイズなどの異なる複数のデバイスに適応するレスポンシブデザインを実現するために欠かせません。

 

  1. フレームワークとは?

フレームワークとは、WEBサイト制作や、アプリケーション開発で再利用できるパーツ集です。WEBサイトの制作で、使用できるCSSコードを集めたものが、CSSフレームワークです。

例えば、多くのWEBサイトで必要となる「メニュー」や、「サイドバー」「ボタン」「入力フォーム」などパーツごとに、あらかじめ統一感のあるスタイルが設定されたCSSのセット(CSSフレームワーク)があれば、開発者は、フレームワークが提供するスタイルを組み合わせるだけでWEBサイトを構築できます。

WEBサイトの制作を担うフロントエンドエンジニアや、制作会社によっては独自のフレームワークを構築している場合もあるでしょう。

また、インターネット上には、オープンソースで開発され、無償で利用できる多数のCSSフレームワークがあり、使用方法の文書も一緒に掲載されていることが多いので、インターネットが使えれば、誰でもCSSフレームワークを入手し、WEBサイトの制作に使用できます。

 

  1. CSS フレームワーク​のメリット

 

CSSのパーツを集めたフレームワークを利用すると、どのようなメリットがあるのか、代表的なメリットを5つご紹介します。

 

  1. ページ制作時間を短縮できる

フレームワークを使用すると、注意深くデザインされたCSSのパーツがあらかじめ用意されているため、WEBサイトの制作時間を減らせます。

WEBサイトを構成する視覚的な要素は多数あり、一つ一つをゼロから記述してCSSを制作するには時間がかかります。また、独自に書いたコードは、間違いがある場合もあります。しかし、フレームワークは、すでにデバッグ済みの場合が多いため、デバッグの時間も短縮できます。再利用可能なコードをダウンロードするだけで導入できるCSSフレームワークは大変便利です。一度使い方を覚えれば、複数のプロジェクトで利用できるため、将来にわたって制作時間を削減できます。

 

  1. 全体のデザインに統一感が出せる

「ボタン」や、「メニュー」など個別のパーツに対し、一定のルールやガイドラインに沿ったデザインが施されているため、CSSフレームワークを導入すると、サイトの各部分で統一感のある見た目を実現できます。

最初の制作だけでなく、以降の運用でも、開発時と同じスタイルを保って更新しやすくなっています。

 

  1. 複数人で作業してもクオリティーが保てる

CSSフレームワーク自体が、WEBサイトの視覚的なルールや、ガイドラインとして機能するため、複数人で制作する場合でも、フレームワークを使用する範囲では、一定のスタイルガイドラインを満たしていると自信を持ってコーディングを進められます。

複数人が、同じルールやガイドラインに従いながら、別々のページや異なる部分を分担でき、結果として完成したWEBサイトの見た目に食い違いが起こるのを防げます。

また、制作チームに新しく配属された人がいても、既存のコードを理解しやすく、作業に入るまでの時間を短縮できます。

 

  1. レスポンシブデザインに対応可能

レスポンシブデザインとは、スマートフォンやタブレット、パソコンなど、画面サイズの異なる環境に向けて最適なWEBサイトを制作する方法の一つで、WEBサイトの制作で、近年多く用いられるデザイン手法です。CSSを使い、画面サイズ毎にサイト上の構成要素を拡大・縮小・移動・並び替えるなどで、最適な表示をおこなえます。例えば、商品の特長を説明する画像を、パソコンなど幅広い画面では横一列に並べ、スマートフォンでは縦一列に並べるなど、個々の要素が適切なサイズで表示されるように調整できます。

多くのCSSフレームワークは、レスポンシブデザイン機能を備えており、グリッドやブレークポイントなど、手早くレスポンシブデザインを実現するためのCSSルールが、あらかじめ定義されています。

 

  1. メンテナンス・管理がしやすい

既存のWEBサイトを更新・変更したりする場合に、制作者とメンテナンス担当者が、別な場合があります。CSSフレームワークではクラス名などがルール化されているため、一貫性を保ちやすく、WEBサイトの制作やメンテナンスを担当する複数の担当者が、個別に独自のクラス名を考える代わりに、CSSフレームワークで標準化された名前を使えます。結果として、誰にも読みやすく、メンテナンスしやすい、質の高いCSSを作成できます。

CSSが読みやすいと、更新箇所も見つけやすくなるため、将来にわたってメンテナンスや、WEBサイトの管理が楽になります。

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  1. CSS フレームワーク​のデメリット

 

CSSフレームワークには、多くの利点がある一方、注意が必要なポイントも存在します。詳しく見ていきましょう。

 

  1. 似たようなデザインが多い

個々のCSSフレームワークは、特定の目的に合わせてデザインされているものもあります。例えば、WEBアプリケーションを開発するためのもの、パソコンよりもスマートフォンを優先したもの、文字の読みやすさを優先するものなど、さまざまです。

一方で、違いはありつつも、レスポンシブデザインのためのグリッドや、ボタンなどの一般的なパーツに関しては多くのフレームワークで共通の要素であり、似たようなデザインも見られます。

なぜなら、特定のパターンや機能が多くのWEBサイトで採用され利用実績があること、デザインに関する同様の原則に基づいている、などの理由で似たようなデザインに落ち着くためです。

 

  1. バージョンによって更新されないリスクがある

CSSフレームワークは、オープンソースで開発されているものが多く、コミュニティによってメンテナンスされています。メンテナンスは、バグの修正や、新しいWEBブラウザへの対応など、長年にわたってCSSフレームワークを使い続けるために重要です。

開発コミュニティによっては、古いバージョンの開発を打ち切り、新バージョンの開発を優先する場合などもあるため、利用しているCSSフレームワークが、どのバージョンで、いつ頃までメンテナンスが継続されるのか、など注意を払う必要があります。

 

  1. パフォーマンスが保てなくなるときがある

CSSフレームワークには、多くのサイトで利用されるパーツが用意されており、さまざまなWEBサイトの制作に利用でき便利な反面、サイトAにとっては必要なパーツでも、サイトBには不要なパーツも含まれているため、容量を無駄に消費している場合があります。

CSSフレームワークのサイズが大きい場合、ダウンロードしてサイトを表示するまでの時間が余計にかかり、無駄のないCSSを記述した場合に比べて、速度面で不利になる場合があります。

 

  1. 代表的なCSSフレームワーク 3選

 

CSSフレームワークはさまざまなものがありますが、以下では代表的な3つのフレームワークをご紹介します。

 

  1. Bootstrap

Bootstrap(ブートストラップ)は、レスポンシブデザインに対応しているモバイルファーストのCSSフレームワークです。

2011年にTwitter社で開発され、のちに独立し、人気のオープンソースプロジェクトとして、GitHubでは13万以上のスターを獲得しています。

BootstrapはJavaScriptのフレームワークの一つ、jQueryと組み合わせて使用する部品を含んでいるため、パーツをすべて使用するにはjQueryが必要です。

利用者が多く、日本語の情報も豊富なため、初めてCSSフレームワークを使う方も比較的入りやすいでしょう。

 

参考URL:https://getbootstrap.com/

 

  1. Bulma

Bulma(ブルマ)は、Sassで構築されたレスポンシブのCSSフレームワークです。

Bulmaは、JavaScriptを使わず、CSSのみで構成されているため、構築したいプロジェクトの都合に合わせて、React、Vue.js、jQueryなど、自由にJavaScriptを組み合わせて利用できるのが特長です。

Bulmaは、モジュール化に優れており、利用したい機能に必要なモジュールだけを取り込んで利用できるため、不要なコードを読み込む必要はありません。

参考URL:https://bulma.io/

  1. UIkit

UIkit(ユーアイキット)は、洗練されたデザインのパーツを提供する、レスポンシブのCSSフレームワークです。

Bootstrap・Bulmaと比べシンプルで、きれいな見た目や、アニメーションを提供し、他のフレームワークよりも、見た目の主張が少ないので、多くのWEBサイトに合わせやすい、多数のパーツを利用できます。

JavaScriptの読み込みが必要ですが、Vue.jsや、Reactなどと組み合わせて利用できます。

 

参考URL:https://getuikit.com/

 

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  1. まとめ

 

CSSフレームワークをご紹介してきました。

最後に、CSSフレームワークの特徴を3つまとめます。

 

  • ・CSSフレームワークは、WEBサイトの制作に役立つ、デザインルールに沿ったパーツを提供します。
  • ・CSSフレームワークは、メンテナンスしやすく、レスポンシブデザインのサイトを、素早く構築できます。
  • ・代表的なCSSフレームワークには、Bootstrap、Bulma、UIkitがあります。

 

CSSフレームワークを使用すると、保守性が高く、一定の品質をもった統一感のあるWEBサイトの制作を、より少ない工数で実現できます。CSSは知っているけれど、フレームワークを使った経験がない方は、一度CSSフレームワークに触れてみてはいかがでしょうか。