Unityとはどんなゲームエンジン?特徴、できることなどをわかりやすく徹底解説

ゲーム業界を目指している方にとって、「Unity」は聞き馴染みのある言葉だと思います。しかし、Unityの特徴やできることなどはご存知でしょうか? この記事では、それらに加え勉強方法などもわかりやすく解説しています。ぜひともご確認ください。
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Unityとは
UnityはアメリカにあるUnity Technologies社が提供するゲーム開発ツールです。
Unity Technologies社は2004年にデンマークで創業され、「Democratizing Game Development(ゲーム開発の民主化)」というビジョンを持って2005年にUnityをリリースしました。Unityは、ゲーム開発に必要なゲームエンジンや開発環境、実行環境がひとつにまとまったゲーム開発ツールです。
画像の動画はUnityで開発されたゲームサンプルです。
出典:Introducing Gigaya, a new sample game | Unity(YouTube)
Unityの歴史と成長秘話 ~noteアカウント開設によせて
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そもそもゲームエンジンとは
ゲームエンジンとは、ゲームを効率的に開発するための機能が揃ったソフトウェアの総称です。ゲーム制作の黎明期では、エンジニアはゲームの最初から最後までプログラミングをして開発をしてきました。しかし、ゲーム機の性能向上や技術の進化により、ゲーム開発に共通する部分を再利用し、開発効率を向上させようとする気運が高まりました。
そのような流れで、ゲームメーカーが自社用のゲームエンジンを開発し始めましたが、UnityやUnreal Engineのような高性能で汎用性のあるゲームエンジンが登場します。現在では、自社用ゲームエンジンではなく、UnityやUnreal Engineといった商用ゲームエンジンを利用した開発が主流となっています。
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Unityのシェア
セールス情報プラットフォームのSlintelでは、ゲームエンジンのシェア率を公開しています。Unityはマーケットシェア率が26.17%でゲームエンジンではトップの利用率となっています。(2023年1月17日現在)
出典:Unity – Market Share, Competitor Insights in Game Development -Slintel
また、こちらは少し古い資料になりますが、市場と消費者のデータ統計やレポートを公開している、Statista社の2019年8月のイギリスのデータです。こちらの調査では、Unityがゲーム開発者の72%に利用されているようです。
出典:Game engines used by video game developers UK 2019 | Statista
こちらはUnity Technologies社が発表したUnityに関する記事ですが、2020年の第4四半期のモバイルゲームランキング上位1,000件のうち、71%がUnityを利用して開発されたそうです。
出典:Unity Announces Fourth Quarter and Full Year 2020 Financial Results
統一的な資料はありませんが、いずれにせよUnityはゲームエンジンとして高いシェア率を誇っており、日本でのゲーム開発でもたくさん利用されています。
また、Unityの歴史や当時のゲームエンジンの状況などが下記出典リンクの公式noteでわかりやすくまとめられています。気になる方はぜひともご確認ください。
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Unityのメリット
Unityのメリットを6つお伝えします。
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ノンプログラミングでゲーム制作ができる
かつてのゲーム開発では、C言語やC#、C++、Javaなどが利用され、ゲーム開発に携わるエンジニアは上記のようなプログラミング言語を覚える必要がありました。しかし、Unityはプログラミングをしなくてもゲーム開発ができるツールが揃っているため、ノンプログラミングでゲーム作成ができます。
しかし、Unityを利用したゲーム開発でも、複雑な処理をするためにはプログラミング言語が必要です。ひと昔前までは、JavaScript、C#、BooがUnity開発に利用されるプログラミング言語でしたが、現在はC#に一本化されています。JavaScriptなどで開発をしていたプログラムではまだC#以外も利用できますが、新規作成ではC#のみ利用可能となっています。Web上の古い情報では、3つの言語で開発できるという記事もあるため、注意しましょう。
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対応プラットフォームが豊富である
Unityは20以上のプラットフォームに対応しているため、プラットフォームごとに開発をし直す、といったことをする必要がありません。対応している主なプラットフォームは以下のようなものになります。
・iOS
・Android
・Windows
・macOS
・Linux
・PlayStation5
・PlayStation VR
・Xbox One
・Nintendo Switch
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2D・3Dゲームに対応している
Unityは3Dゲーム用に開発されたゲームエンジンですが、現在では2Dにも対応しています。2Dは主にスマートフォンゲームで利用され、3DはパソコンゲームやPlayStationなどのリアルなグラフィックを作成する際に用いられます。
Unityが提供する3D、2Dグラフィックスには独自の特殊なセットツールがあり、物理エンジン(物体の自然な動きをシュミレーションするソフトウェア)のオプションを呼び出すためのスクリプトAPIやリアルタイムレンダリング(プログラムを素早く描画するシステム)などの機能を搭載しています。
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豊富なアセットストアを活用できる
出典:Unity アセットストア – ゲーム制作のための最高のアセット
アセットストアとは、Unityユーザーが自分で作成したアニメーションや3Dモデルの素材を登録し、無料公開や有料販売できるプラットフォームのことです。イラストや漫画作成ツールとして有名なCLIP STUDIO PAINT(クリスタ)でも同じようなサービスが運用されています。
アセットストアでは、2Dモデルや3Dモデル、アニメーションやオーディオの素材などを利用・購入できます。そのため、自分では作成することが難しい場合や機能拡張を搭載したい場合に利用して、作業効率を上げることができます。
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無料で使える
Unityは個人向けの「Personal」、16歳以上の学生向けの「Unity Student」プロ志望者や小規模企業向けの「Plus」、プロ向けの「Pro」、大企業向けの「Enterprise」という5つのプランを提供しています。そのなかでも「Personal」は【blockquote】過去12ヵ月の収益や調達した資金が10万米ドル以下の個人開発者および小規模企業が無料で利用でき、Unity Studentも【blockquote】基準を満たした教育期間に在学中で、個人情報の収集と取り扱いに同意できる16歳以上の学生が無料で利用できるようになっています。
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インタラクティブコンテンツが作成できる
インタラクティブコンテンツとは、双方向性を持ったやり取りができるコンテンツのことです。Unityを活用すると、展示会やデジタルアートなどでみられる、センサーなどを利用した人の動きに呼応するコンテンツなどを作成できます。インタラクティブコンテンツは、自身で一から開発をすると複雑な処理が必要ですが、上述したアセットストアで販売されているモデルやアニメーションの利用で、素早い開発が可能です。
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Unityのデメリット
Unityのデメリットとしては、アプリケーションの動作が遅いことがあげられ、大規模な開発になるほどデメリットが目立ってきてしまいます。また、ゲームのクオリティを上げるために工夫をすると複雑な処理になりやすいです。そのため、Unityは小規模から中規模向けのゲームエンジンであると説明されることもあります。