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C言語とは?特徴やできることなどをわかりやすく解説

C言語はOSの開発にも使用されることから実行時の効率が追求されました。 同じ処理手順をプログラミングした場合、C言語で使用するメモリ容量は最小限で済み、実行に掛かる時間も最短となるケースが多いです。

そんなC言語の概要、他の言語との違いや効率性を活かした応用分野、C言語を使うのはどんな場合で、使うときに注意しなければならないことは何か?将来性や資格試験、学習方法などをご紹介します。

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  1. C言語とは

読み方は「しーげんご」です。アルファベットのCと同じ発音です。

C言語はコンピュータの機械語やアセンブリ言語の様にCPUそのものの命令に近い階層でコードを記述できるのが特徴です。1970年代から開発が続けられ、1989年に国際的な標準化団体で仕様が標準化されました。各種OS(基本ソフト)や各種周辺機器をパソコンで使用するときに基本ソフトとハードウェアを橋渡しするデバイスドライバと呼ばれるプログラムの開発に使用される事も多く、それだけでなくアプリケーションソフトの開発にも使用されます。

小型の機器からスーパーコンピュータまでおよそコンピュータと呼ばれる物の多くで細かな違いはあってもC言語で書いたプログラムを実行できることが多いです。Ruby言語やPython言語といった高級言語もしくはスクリプト言語と違い、CPUの振る舞いに近い細かな部分まで動作を定義できることで無駄が少なく、アセンブリ言語に次いで最小限のCPU負荷で高効率に動くプログラムを書けます。

  1. C++との違い

 

C++言語は1989年に標準化される以前の初期のC言語を元に、オブジェクト指向やテンプレートプログラミング、例外処理などを追加して1980年代に開発されたプログラミング言語です。C言語をベースにしているため処理速度が速く、OS開発からアプリケーションソフトまで幅広い用途で使用されています。

1999年に登場したC言語の規格C99はC++言語からいくつか機能を取り入れることで両者の互換性を高める取り組みもされています。

  1. C#との違い

C#は2000年頃マイクロソフト社が提唱したモダンなプログラミング言語です。Java言語と類似している点としては、CPUに依存しないコードを作成できることや、豊富なライブラリを持つことがあります。モダンなプログラミング言語が持つ特徴を多く取り入れており、オブジェクト指向だけでなく宣言型言語や関数型言語の特徴も取り入れています。

C#とC言語はコードの見た目や名前に類似点はありますが、C言語よりも実行速度は低く、速さよりも豊富な言語機能を備えているコードの記述しやすさ・相互運用性を重視した言語となっています。

  1. C言語の特徴

C言語はコンパイラ型の言語で、静的型システムで構造化プログラミングができ、再帰呼び出しなどをサポートしています。

  1. 速い実行速度

C言語はOSやデバイスドライバの開発にも使用されることから実行時の効率が追求された結果、数あるプログラミング言語の中でも高速な部類です。

プログラマーの手腕にもよりますが、同じ処理手順をプログラミングした場合、C言語では、使用するメモリ容量は最小限かつ、実行にかかる時間も最短となるケースが多いです。

  1. 高い汎用性

 新しいCPUやOSが開発されると最初に移植されることの多いC言語は、様々な環境で動作する高い汎用性を備えています。C言語は動いてもRubyやPythonが動かない環境は多数あります。CPUメーカーやソフトウェア開発会社にとっても機械語より理解しやすく効率の良いC言語でプログラミングできることは重要で、他のソフトウェアを動かすにも必要なため真っ先にC言語が動かせるよう開発資源を投入する傾向があります。

 

  1. C言語でできること

C言語は高速性と汎用性を活かして基盤となるシステムや大量の演算が必要なシステムで使用するのに向いています。

 

  1. OSの開発

 

C言語はCPUの能力を最大限に引き出すことができ、最小限のメモリ使用量で済むため、利用者にとって重要なタスクであるオフィスソフトやデザインツールなどのアプリケーションソフトを邪魔しない裏方として働くOS開発にはC言語が多用されています。

近年ではRust言語などの新たな対抗馬が生まれてきていますが、当面はC言語のOS開発における資産の多さや有用性は継続すると思われます。

  1. IoT・AIの開発

IoT(モノのインターネット)機器は小型のコンピュータといえます。パソコンや最新スマートフォンと異なり限られたCPUの能力や少ないメモリ、そして省電力での動作が求められることが多いのでIoT開発では実行時の効率が高いC言語が用いられることが多いです。

AIの開発では大量の数値計算が行われるため最大限の効率が求められます。 Python言語はAIの開発では有名ですが、Python言語で有名なライブラリであるTensorFlow・PyTorch・CNTKの開発にはC言語の拡張版であるC++が主に使われています。

高い実行効率とGPU(グラフィックカード)の機能を使って計算スピードを高められるC言語はAIの開発でも欠かせない存在です。

  1. 大規模なシステムの開発

C言語の効率性を活かして様々なソフトウェア開発プロジェクトがC言語を使ってきました。 規模が大きい物として有名なのはWindows XPでしょう。

他にも、Linuxの中核部分であるカーネルはC言語で実に1,000万行を超えるC言語でプログラミングされています。安定性や移植性の高さによって、こうした大規模なシステムもC言語で構築されています。

他にも PHP言語やJavaScriptなど他のプログラミング言語もC言語によって作られることが多く、コンピュータプログラミングの世界では利用規模が大きいことが分かります。

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  1. C言語のメリット

C言語の利点はCPUの能力を最大に引き出せることです。詳しく見ていきましょう。

  1. メモリのアドレスを記憶できる

C言語ではメモリの使い方を詳細にコントロールできます。 C#やJava言語、RubyやPython言語などではハードウェアに直接アクセスするのではなく、変数などを通して抽象的な存在としてメモリを扱います。メモリ使用量を気にすることはありますが、メモリをどの順番で使っていくかなどの具体的な詳細は操作できないようになっています。

C言語ではメモリの割り当てられる順番や、使い終わったメモリをいつ・どれだけ手放すかなどを細かく制御できます。

特徴的なのはC言語における「ポインタ」です。パソコンのメモリには0番地から順に1番地、2番地…とすべてのメモリに対して番地(アドレス)が紐付いているのですが、C言語ではポインタを通して具体的にメモリの何番地にアクセスするという挙動をプログラミングすることができます。

これは効率の良いプログラミングで使えるのは勿論、周辺機器とやりとりするデバイスドライバの開発などにおいてはアドレス指定でデータにアクセスできるC言語の機能は機器とのやりとりに必須となる場合が多いです。 こうしたハードウェアを具体的に意識して操作することができるのもC言語ならではと言えるでしょう。

 

  1. 環境を問わず実行できる

CPUメーカーにとってもC言語は重要と述べました。C言語はOSやデバイスドライバの開発に重要な位置を占めているためCPUメーカーは新しい命令セットを使えるCPUを発売するとき、CPUの新機能に対応した最適なコードを作成できるC言語開発環境を提供することでOアプリケーションソフトやデバイスメーカーに対して自社製品であるCPUの能力を最大限活かしたソフトを作ってもらえるよう尽力しています。

C言語はCPU毎に異なる機械語やアセンブリ言語を使わずに移植性の高いプログラミングが可能です。

  1. C言語のデメリット

C言語はコンピュータに寄り添った言語です。

人間の使いやすさもある程度担保されていますが、 CPUの能力を引き出すため、記述の容易さよりもCPUにとっての効率が他の言語と比べ 重視されています。

  1. コーディングの量が多い

一つのC言語の命令(プログラミングの最小単位)で行える作業が細かくなっています。

CPUの能力を最大に引き出すため、とても細かい単位で処理を記述していきます。

例えば他の言語で文字列を別の変数にコピーする場合

msg = “greeting”

のように代入できることが多いですが、C言語では文字列を扱うメモリの確保・初期化等も記述する必要があり

char msg[100];
memset(msg, 0, sizeof(msg));
strcpy(msg, “greeting”);

コード量が増えます。細かく指示できるので、微細な違いも記述できるのは利点ですし無駄な動きは一切する必要がありません。 また、何度もおこなう処理なら他のプログラム言語と同様に関数を作成して再利用することができます。

  1. 習得難易度が高い

C言語はCPUの能力と密接に対応しています。 機械語やアセンブリ言語に比べると人間にとって分かりやすいですが、メモリの扱いを具体的に書かなければならないなど、他の言語では触れなくて済むようなコンピュータのハードウェアの仕組みやOSの構造にある程度精通することが求められます。

作成するプログラムの種類にもよりますが、コンピュータ自体に詳しくなったり、メモリやハードウェアの動きまで考慮してプログラミングし、細かい箇所を間違えないように注意する必要があります。 メモリの扱いは下手にするとデータを過って破壊したり、近年話題になるセキュリティホールを作ることにも繋がるので注意が必要です。

C言語のプログラマーにはこうしたコンピュータの仕組みに詳しくなることが求められるため習得難易度が上がっています。

 
  1. C言語の需要と将来性

C言語のプログラマーは、OSやハードウェアの知識に長けています。

OSやデバイスドライバの開発では大量のC言語が使用されており今後もC言語プログラミングに精通したプログラマーの需要は続くといえるでしょう。 またプログラミング言語そのものやOS付属のアプリケーションなど多くの利用者がいるソフトを開発できます。

C言語の拡張版となるC++言語は仮想通貨やブロックチェーン業界の分野で利用されているため、C言語を学ぶことで将来的に仮想通貨の分野でもプログラミングを活かすことができます。

  1. C言語を使った仕事の年収相場

弊社R-Stoneの求人相場を見てみると、C言語プログラミングの開発経験者の想定年収相場は平均で425万円から760万円、最大で1,000万円でした(2023年1月調べ)。

募集内容の例としては、教育現場で使用される端末やIoT機器・自動車制御などの組込み分野などでお仕事の募集がおこなわれています。対象となる機器やOS・システムの理解が求められる案件が多いです。

  1. C言語プログラマーにおすすめの資格

C言語プログラミングを身につける際や、ご自身のスキルレベルを客観的に知りたいとき役に立つのが各種の資格試験です。 ここでは二つの試験について見ていきます。

  1. C言語プログラミング能力検定試験

C言語プログラミング能力認定試験 はC言語を使ったCUI(テキストベース)アプリケーション開発の能力を認定する試験です。

C言語の基礎から、500行程度のプログラム、基本的なアルゴリズムの理解や応用プログラムを作成する能力までが問われます。

1級・2級・3級と別れていて、1級はパソコンを使った実技を、2級・3級は知識を問われます。

3級の出題範囲は、定数、演算子、型指定子、変数や配列の初期化、制御文、プリプロセッサ、基本的な入出力関数・文字列操作関数、C言語の歴史などです。

2級の出題範囲は、形式を指定しての定数や列挙、四則演算以外の演算子、宣言指定子、構造体などの配列変数、extern 、includeなどのプリプロセッサ機能、数学関数・ファイルの入出力関数・一般ユーティリティ関数・文字列操作関数、変数の記憶クラスや自己参照構造体、main()の引数などです。

1級では実際にテーマとなるプログラムに変更・追加する仕様をプログラミングし、変更仕様書を作成します。

このように、C言語の基本から、言語要素・関数の使い方、既存プログラムの変更プログラミングまでカバーしているためC言語の学習に活用できます。独学だと偏りがちな知識も、検定試験を受ければ万遍なく試されるので自分の強みと弱みを客観的に把握できます。

  1. 基本情報技術者試験

基本情報技術者試験 は独立行政法人情報処理推進機構が運営する試験で、IT技術に関する幅広い知識と技能を身につけているかが問われます。

試験は午前と午後に別れていて、午前の部では選択肢の知識問題として幅広い分野、コンピュータの基礎理論から、システムの要素、セキュリティ、開発技術高でなく、プロジェクト管理やマネジメント、システムの企画立案、経営戦略、企業の法務までが出題されます。

午後の試験では、技能を問う出題として 疑似言語を用いたプログラムの仕様を捉えたり、代入・演算などプログラミングの基本処理、データ構造やアルゴリズムの基本やデータサイエンス・AIへの適用や情報セキュリティの確保についてなどを選択式で解答します。

令和四年度春期試験では、約46,000人が受験したうち約18,000人が合格し合格率は39.6%となっています。

C言語は言語そのものの知識だけでなく、コンピュータのハードウェアやセキュリティなど幅広い知識が求められることが多いため、基本情報技術者試験を活用してスキルを磨きましょう。

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  1. C言語の学習方法

C言語プログラミングを学ぶには、スクールで人と関わりながら学ぶ方法と、独習でコンピュータに向かって学ぶ方法とがあります。それぞれ見ていきましょう。

  1. プログラミングスクールに通う

プログラミングスクールに通うメリットは色々ありますがカリキュラムで分からないところを質問・相談できたり、スクールによってはオンラインではなく実際にスクールに通って学んだり、他の学習者と一緒に授業を受けられる場合があるので「独りだとつい怠けてしまう」人でも自分を追い込んで新しい言語の学習に飛び込んでいくことができます。

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独学にはないこうしたメリットを活かして比較的習得難易度の高いC言語の理解に繋げてください。

  1. Webサイトを使う

下記にC言語プログラミングを基礎から解説しているサイトを挙げます。

Webサイトの場合は、動画が用意されていたり、サンプルのソースコードを見ることができるなどのメリットがあります。 無料のサイトもあるため自分に合うコンテンツを探して活用してみましょう。

オンライン学習コースを提供するUdemyにもC言語の講座があります。

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  1. 書籍で学ぶ

書籍でしっかり学びたい方には最近出版されたC言語プログラミング書籍の中から、評価の高い四冊をご紹介します(リンク先はアマゾンです)。

最後の“新・解きながら学ぶC言語 第2版”は少しC言語プログラミングに親しんでから読むのをおすすめしますが、資格試験への対策としてもおすすめです。

上の三冊はプログラミングの初心者に向けて基礎から解説されて高評価の書籍ですので、ぜひ実際に手に取ってみてご自身に合う一冊を見つけてください。

  1. まとめ

ここまでC言語の 概要から、その効率性を活かした応用分野、将来性や資格試験、学習方法などを見てきました。

冒頭でも触れたとおり、C言語プログラミングは奥が深く、学習を進めることでコンピュータの構造について幅広い知識を身につけることができます。歴史が長く、小さな機器から大型コンピュータまで様々な機器で利用されています。

沢山の人が使うOSや基幹システム、大量のデータを扱うAI開発など、効率性やコンピュータの能力を最大限引き出すことが求められる分野でC言語は今後も利用が見込まれるプログラミング言語です。