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転職コラム

エンジニア職種におけるマネジメントの役割やポイントとは

エンジニア職種におけるマネジメントの役割やポイントとは

エンジニアがキャリアアップを考えるとき、方向性の一つになるのが「マネジメント職」です。エンジニアはマネジメントが苦手な人が多いこともあり、エンジニアのマネジメント職は人材が不足しています。逆に言えば、マネジメント経験のあるエンジニアは市場価値が高く、有利な条件での転職が期待できます。今回は、エンジニア職種におけるマネジメントの役割やポイントについて解説していきましょう。

マネジメントとは?

マネジメント(management)という言葉は、日本語で主に「管理」と訳されます。マネージャー(manager)と言えば、「管理者」という意味になります。

ビジネスシーンにおいてマネジメントという言葉は、「組織として成果を出すためにチームを統率する」といった意味合いで使われます。マネージャーは、組織として成果を上げるために、「ヒト」「モノ」「カネ」などの経営資源を効率的に活用し、目標・ミッションの達成を目指していきます。

ちなみに、有名な経営学者であるドラッカーは、マネジメントとマネージャーをそれぞれ以下のように定義しています。

・マネジメント:組織に成果を上げさせるための道具、機能、機関

・マネージャー:組織の成果に責任を持つ者

エンジニアのマネージャーの役割

エンジニアのマネージャーは、開発プロジェクトのQCD(品質、コスト、納期)を管理し、開発メンバーをまとめあげ、クライアントに求められているシステムを完成させることを主なミッションとしています。具体的には、以下のような業務をおこないます。

・プロジェクトメンバーの選出

・システム開発におけるQCD(品質、コスト、納期)のコントロール

・開発環境の整備

・エンジニアへの技術支援

・エンジニアの育成

・エンジニアのモチベーション管理

・ステークホルダーとの連携・交渉 など

エンジニアのマネジメントが必要な理由

エンジニアのマネジメントが必要な理由は、主に以下の3点です。

開発プロジェクトの成功率が高まる

エンジニアに限った話ではありませんが、どんなプロジェクトチームでも、マネージャーがトップに立ってチームを管理・統率したほうがプロジェクトの成功率が高まると言われています。監督不在の野球チームでも試合に勝てることはあるかもしれませんが、安定した強さを発揮するチームを作るには監督が必要です。これと同じように、エンジニアのチームにおいても、マネージャーがメンバーをきちんとマネジメントすることによって開発プロジェクトの成功率は高くなります。

エンジニアのパフォーマンスが向上する

システム開発の世界では、基本的にエンジニアとして一定の経験を積んだ人がマネジメント職に就きます。経験豊富なエンジニアがマネジメントをすることで、開発工程における課題や改善点を発見しやすくなりますし、メンバーが技術的な問題で悩んでいるときにも効果的に技術支援をすることが可能。結果的に、エンジニアのパフォーマンスアップが期待できます。

組織の結節点として機能する

エンジニアのマネージャーは、経営陣と現場をつなぐ「結節点」として機能します。経営陣の方針やビジョンをエンジニアに落とし込むのもマネジメント職の役割ですし、逆に現場の意見・要望を吸い上げて経営陣にかけ合うのもマネジメント職の役割です。マネージャーが結節点として機能することでコミュニケーションが円滑になり、組織として高いモチベーションを保ちながら一体感を持って開発プロジェクトを進めることができます。

エンジニア組織をマネジメントする際のポイント

エンジニア組織をマネジメントする際は、以下の3つのポイントが重要になってきます。

エンジニアを育成すること

プレイングマネージャーにありがちなのが、「自分でやったほうが早い」という判断です。しかし、それでは部下の成長機会を奪うことなり、部下はいつまで経っても自分でできるようになりません。部下に経験を積ませ、エンジニアとしての成長を促すのはマネジメント職の重要な役割です。差し伸べたくなる手を引っ込め、部下の自発的な成長をサポートしていきましょう。

チーム全体を俯瞰すること

個々のエンジニアのパフォーマンスを上げることも重要ですが、マネジメント職にとってそれ以上に重要なのが「全体最適」です。常にチーム全体を俯瞰して、「タスクの割り振りは適切か?」「一部のメンバーに負荷がかかりすぎていないか?」「メンバー間の連携はうまくいっているか?」「開発体制・プロセスに問題はないか?」といった点をチェックして、プロジェクトの最適化を図っていきましょう。

現場の意見に振り回されないこと

マネジメント職は現場の意見に耳を傾け、エンジニアから意見や改善要望が出ているのであれば、それを経営陣に掛け合うような姿勢も重要です。しかし、何でもかんでも受け入れるのは違います。もちろん、事業の成果やチームの改善につながるような意見であれば採用すべきですが、利己的な意見や偏った意見に振り回されてはいけません。マネージャーとして一貫した指針を持ち、最適なジャッジをしていきましょう。

エンジニアがマネジメントを経験するメリット

エンジニアがマネジメントを経験することで、コミュニケーション能力や課題解決力の向上につながります。このようなスキルレベルが上がることで転職にも有利になりますし、キャリアパスも広がっていくでしょう。

コミュニケーション能力が向上する

エンジニアチームのマネージャーは、エンジニアだけでなく、クライアントや経営陣、関係部署や外注先など、様々なステークホルダーと関わりながら業務を進めていきます。業務を円滑に進めていくためには、的確な意思疎通を図らなければいけません。そのため、数年、マネジメント経験を積むことで自然とコミュニケーションスキルが磨かれていきます。相手から必要な情報を引き出す力、相手に正しく分かりやすく伝える力が身に付くはずです。

課題解決力が向上する

マネジメント職に就くと様々な課題に直面します。マネージャーの仕事は、経営資源である「ヒト」「モノ」「カネ」などを使い、与えられた権限の範囲内で課題を解決することです。「何が原因なのか?」を分析するとともに、「どんな経営資源をどのように使えばいいのか?」を常に考えるため、課題解決力が磨かれます。

経営的な思考力・判断力が身に付く

マネジメント職に就いたら、それまで以上に会社の利益に貢献することが求められます。利益を上げるためには、「どのように売上を伸ばすのか?」「どのようにコストを削減するのか?」といったことを経営的な視点から考えていかなければいけません。マネージャーとして組織の目標を追いかけることで、自然と経営的な思考力・判断力が身に付いていくでしょう。

まとめ

エンジニアは、「マネジメントはしたくない」という人も少なくありません。ですが、「エンジニアとして付加価値がほしい」「エンジニアとして市場価値を上げたい」と考えているのであれば、マネジメント経験を積むのが近道になります。実際に、マネジメント経験のあるエンジニアはどんな企業でも重宝され、好条件での転職が期待できます。

マネジメントを経験してみて、「やっぱりマネジメントは無理」「エンジニアとしてスペシャリストを目指したい」と思うのであれば、また現場に戻ればいいのです。将来的にスペシャリストを目指す人にとっても、マネジメント経験が無駄になることはありません。ゼネラリストかスペシャリストかで悩んでいるエンジニアの方は、マネジメント業務に挑戦してみてはいかがでしょうか。