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転職コラム

社内SEの年収は低い?勝ち組だといわれる理由や将来性を解説​

社内SEとして働くことに興味はありますか?安定した生活、専門性の高い業務、そして企業の中枢で活躍するやりがい。

社内SE職の、魅力的な年収と成長の機会に焦点を当て、実態に迫ります。さまざまな業務が存在するなかで、平均的な年収はどのようになっているのか、そして仕事が将来にわたってどのような展望を持ちえるのか。

本記事を通じて、社内SEとしてのキャリアがあなたにとって適切かどうかの判断材料を提供します。

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  1. 社内SEの平均年収は約534万円

 

社内SE(システムエンジニア)として働く方々が期待できる年収は、全国の平均で約534万円とされています。左記の年収は、令和4年の賃金構造基本統計調査の結果をもとにした数字であり、多くの企業や業種にわたる社内SEの給与動向を反映しております。

一般的な会社員の平均年収が461万円(国税庁調べ)となっているのに比較して、国内の多種多様な職種のなかでも社内SEの給与は比較的安定していることが分かります。

 

  1. 社内SEの年齢別で見る平均年収

 

年齢

年収

-19歳

251.18万円

20-24歳

322.14万円

25-29歳

403.29万円

30-34歳

480.57万円

35-39歳

545.3万円

40-44歳

649.22万円

45-49歳

644.47万円

50-54歳

644.82万円

55-59歳

732.94万円

60-64歳

427.19万円

65-69歳

358.14万円

出典:運用・管理(IT)-職業詳細| job tag(職業情報提供サイト(日本版O-NET))

社内SEの平均年収は経験を積むほど高くなりますが、60代を過ぎると低下する傾向があります。例えば、30代前半では約480万円と、社会人としてキャリアを高めている若手SEの成長を反映しています。30代は、新しいプロジェクトに挑戦し、重要な経験を重ねている時期です。

45歳から54歳の間では、約640万円前後を維持し、社内SEとして技術知識と経験が豊富であり、チームの中心人物として活躍していることを示しています。

しかし、60歳を境に、平均年収は急激に低下し、60歳から64歳で約420万円になることも珍しくありません。定年退職や再雇用の影響で、若い世代に比べて役職や責任の範囲が縮小されるためと考えられます。社内SEとしての長期キャリアプランを立てる際の参考にしてください。

 

  1. 社内SEの仕事内容

 

本項では、社内SEの一般的な業務内容を4点ご紹介します。

  • ・システムの企画や導入
  • ・システムの予算を年間・期末ごとに作成
  • ・システムの運用や保守
  • ・社内のヘルプデスク

それぞれ見ていきましょう。

 

  1. システムの企画や導入

社内SEは、自社の経営戦略に基づき、業務効率化やコスト削減を目指してシステムの企画や導入をおこないます。

具体的には、新しいシステムを提案し、新システムが経営にどのように貢献するかを分析し、導入プロセスを管理します。

システムの導入は企業が直面する課題をITの力で解決し、業績を向上させる重要な役割です。

 

  1. システムの予算を年間・期末ごとに作成

システム部門の予算作成は、社内SEの業務のなかでも重要度が高い案件です。

年間および期末ごとに、システムの維持管理費用や新規投資に関する予算を計画し、必要に応じて経営層に提案します。的確な予算管理が、企業の財務健全性と直結するため、社内SEにとって重要な業務です。

 

  1. システムの運用や保守

社内SEは、システムが安定して稼働し続けるための運用や保守も担当します。

システムの定期的な監視、問題発生時の迅速なトラブルシューティング、必要に応じたシステムのアップデートや改善が含まれます。トラブルを未然に防ぎ、業務の効率化を図ることが求められます。

 

  1. 社内のヘルプデスク

社内SEはヘルプデスク業務も担当し、社員からのITに関するあらゆる問い合わせに対応します。

システムの使い方から不具合の報告、各種設定の支援まで、社員の業務を円滑に進めるためのアシストをおこないます。社内SEはさまざまな支援を通じて、全社員がITリソースを効果的に活用できるようサポートします。

 

  1. 社内SEは年収1,000万円を目指せる?

 

社内SEの平均年収の調査結果と比べ、年収1,000万円への道は容易ではありませんが、複数の戦略を駆使すれば実現の余地はあります。大企業やIT系企業の社内SEは特に高い年収を得る機会に恵まれていますが、割合は高くありません。

  • ・上流工程の企業に転職する
  • ・ITスキルを高める
  • ・管理職を目指す
  • ・フリーランスになる

本項では、4つの観点から、社内SEが年収を高めるための戦略をご紹介します。

 

  1. 上流工程の企業に転職する

上流工程とは、システム開発の初期段階で、企画や要件定義、外部設計を指す部分です。

上流工程は、ITプロジェクトの基礎となる方針を決定する、システム全体の構築に向けた重要な役割を担います。具体的には、ユーザーのニーズを理解し、形にするための計画を立てる作業が含まれます。上流工程に携わるのは、より戦略的かつ創造的な業務に関わる機会が増え、一連の開発プロセスに大きく影響を与える立場となるため、専門スキルや経験が高く評価されやすく、結果として高年収を期待できます。

現場での実務経験や専門知識に加えて、プロジェクトをまとめ上げるマネジメント能力、クライアントやチームメンバーとの円滑なコミュニケーションをおこなう能力が必要とされ、マネジメントやコミュニケーションの資質を高めることも年収向上の鍵を握っています。企業による外注が多いIT業界では、外注先よりも元請け企業で働くことがより経済的なメリットを享受するための1つの手段であり、元請け企業への転職は社内SEが目指すべきキャリアアップの道筋です。

したがって、高い報酬を得るためには、技術力はもちろん、プロジェクトの管理経験やコミュニケーションスキルを磨くことが大切です。そして、現在の業務でもプロジェクト全体を俯瞰する視点を持ち、主体的に業務に取り組むことで上流工程への適性を高め、希望する企業への転職につなげることができるでしょう。

 

  1. ITスキルを高める

社内SEの年収向上には、技術力の向上が不可欠です。情報処理推進機構(IPA)が提供するITスキル標準(ITSS)は、目標設定のための有効な指針となります。

ITSSはレベル1から7まであり、レベル5以上を目指すことが1つの目標とされています。

スキルレベル

概要

レベル7

専門分野におけるプロフェッショナル。社内外でテクノロジ、メソドロジ、ビジネスの創造とリードを行う。市場全体で先進的なサービスの開拓や市場化をリードし、世界レベルでの実績がある。

レベル6

専門分野におけるプロフェッショナル。社内外でテクノロジ、メソドロジ、ビジネスの創造とリードを行い、国内のハイエンドプレイヤーとしての経験と実績がある。

レベル5

専門分野におけるプロフェッショナル。社内でテクノロジ、メソドロジ、ビジネスの創造とリードを行い、企業内でのハイエンドプレイヤーとしての経験と実績がある。

レベル4

スキルの専門分野が確立し、独力で業務上の課題発見と解決をリードする。社内での経験の知識化と後進育成に貢献し、ハイレベルのプレーヤとして認められる。

レベル3

要求された作業を独力で遂行。専門分野確立に向けた応用的知識・技能を有し、プロフェッショナルへの道を歩んでいる。

レベル2

上位者の指導の下で作業を担当。プロフェッショナルになるための基本的知識・技能を有する。キャリアパス実現に向けた積極的なスキルの研鑽が求められる。

レベル1

最低限必要な基礎知識を有する。キャリアパス実現に向けた積極的なスキルの研鑽が求められる。

出典:2.ITスキル標準とは-ものさしとしてのスキル標準|デジタル人材の育成| IPA独立行政法人情報処理推進機構

レベル7は、国際的な舞台でも通用するトップクラスの技術力を持ち、レベル6は国内で高く評価されるプロフェッショナル、レベル5は企業内で実績が高く評価される技術者です。各レベルに達するためには、日々の業務を通じてスキルアップを図り、積極的に新しい技術や知識を取り入れる努力が求められます。

また、レベル4では自ら問題を発見し解決する力と後進の育成が、レベル3以下では基礎知識の習得と応用スキルの向上が必要です。

社内SEとしてキャリアアップを図るには、ITSSのようなスキル基準を活用し、自己の技術力を客観的に評価し、継続的な学習を心がけることが大切です。

 

  1. 管理職を目指す

管理職を目指す社内SEには、マネジメントスキルやコミュニケーション能力、テクニカルスキル、問題解決能力など幅広いスキルが必要です。左記のスキルは、プロジェクトの進行管理やチームの指揮をおこなううえで欠かせない要素であり、効率的な業務遂行と成果の追求に直結します。特にマネジメントスキルは、プロジェクトのスケジュールやコスト、品質を総括し、業務を適切に配分する采配が求められます。

さらに、顧客との円滑なコミュニケーションを通じて彼らのニーズを理解し、交渉や調整をおこなう能力も重要です。リーダーシップを発揮してチームを導き、メンバーのモチベーションを高めることも管理職の大切な役割の1つです。

技術面では、エンジニアとしての基本的なテクニカルスキルはもちろん、最新の技術トレンドに対する理解も不可欠です。最新テクノロジーを通じて、プロジェクトの技術的な課題に対して適切なソリューションを提案できるようになります。

最後に、プロジェクトには予測不能な問題が発生する場合もあります。そうしたときに迅速かつ的確に問題を解決し、必要な決断を下す能力が管理職には求められます。

上記のスキルを身につけ、管理職としてのキャリアを築くことは、年収を1,000万円以上に引き上げる可能性をもたらします。

 

  1. フリーランスになる

社内SEからキャリアチェンジを考え、フリーランスを目指すことで年収1,000万円を視野に入れる選択肢もあります。

フリーランスはプロジェクト単位での高スキルの仕事を獲得するケースが多く、一定のスキルと実績があれば、時給換算で見ると会社員を凌ぐ単価が見込める働き方です。フリーランスとして成果を上げるためには、確かな技術と市場価値が必須となります。

複数のフリーランスマッチングサイトでは、Javaなどの高いプログラミングスキルを条件にしたECサイト開発のような案件が月収125万円を超えるような高額案件で登場しています。特定の技術を要する仕事は、時間あたりの単価が会社員を大きく上回ることも少なくありません。

しかし、この方法で安定的に高収入を得るには、多くのクライアントから信頼される確かな実績と経験の積み上げが重要な点に注意が必要です。フリーランスで目指す道が自身に合っているか、またフリーの環境で継続的な成長と安定を保てるかを見極めることが重要です。

 

  1. 社内SEの年収が低くても勝ち組だといわれる理由

 

社内SEは年収が1,000万円に届かなくても勝ち組だと言われます。

  • ・精神的・肉体的な負担が少ない
  • ・上流工程のスキルや経験が積める
  • ・納期の融通が利きやすい
  • ・やりがいを感じやすい

本項では、社内SEが勝ち組と言われる理由を4つのポイントでご紹介します。

 

  1. 精神的・肉体的な負担が少ない

社内SEはシステムインテグレーターなどの外部SEと比較して、残業が少なくプライベートな時間を大切にできます。

心身の健康を保ちやすく、仕事と家庭生活のバランスを取りやすいとされています。結果として、社内SEは長期的に安定したキャリアを築きやすいです。

 

  1. 上流工程のスキルや経験が積める

社内SEはシステムの企画や要件定義など上流工程に携わることが多く、幅広い経験とスキルを身につけることができます。上流工程の経験はキャリアアップに直結し、他の業界や企業でも高い評価を受ける可能性がある貴重な経験です。

 

  1. 納期の融通が利きやすい

社内SEは自社のシステムに関わるため、外部のクライアントと比べて納期の調整がしやすい傾向にあります。そのため、プロジェクトの進行で柔軟性を持ち、適切なスケジュール管理をおこなうことが可能です。

柔軟性のあるスケジュールがストレスの軽減につながり、働きやすい環境を作り出しています。

 

  1. やりがいを感じやすい

社内SEは社内のシステムを通じて、直接的に組織の効率化や業務改善に貢献できます。

自分の仕事が社内でどのように役立っているかを実感しやすく、やりがいを感じる機会が多いとされています。結果として、社内SEは仕事に対する満足度が高く、充実感を持って働くことができます。

 

  1. 社内SEに転職した際の将来性

 

社内SEに転職した際の将来性を、本項では3つの観点から解説します。

 

  1. SEの業務内容が多様化

社内SEとしてキャリアを積むうえで、業務内容はしだいに多様化の傾向にあります。

システムの企画や導入から運用・保守、さらにはITリテラシーの向上支援まで、社内SEは企業のIT全域にわたる職責を担うようになっています。

具体的には、社内部門と連携し、業務効率化のためのシステム開発をおこなうことが求められたり、外部ベンダーとのプロジェクト管理が求められる場合もあります。また、近年はデジタルトランスフォーメーション(DX)の波にともない、企業でITの役割が一段と高まりつつあり、社内SEには今まで以上に幅広い知識とスキルが要求されています。

結果として、社内SEは多岐にわたる業務を経験し、将来性を高めることができ、社内SEのキャリアパスはより豊かなものとなり、企業内での重要性が増していくことが予想されます。

 

  1. 業務のDX化を取り組む企業が増える

企業の業務効率を高めるため、デジタル技術の導入に力を入れる動きが加速しています。業務のデジタルトランスフォーメーション(DX)と呼ばれ、情報技術を駆使して業務プロセスを革新し、生産性を向上させる試みです。

例えば、人工知能(AI)やロボティックプロセスオートメーション(RPA)の活用により、日々の繰り返し業務を自動化し、社員がより創造的な作業に集中できる環境を整えます。

また、業務のDX化はデータを活用した意思決定を可能にし、顧客体験の向上や新しいビジネスモデルの創出にも寄与します。サブスクリプションモデルの導入やオンラインサービスの拡充など、デジタル技術を活用して競争力を高める企業が増える中、社内SEの役割はより重要になり、ニーズも拡大しています。

DX推進の流れは社内SEにとって、スキルアップの機会が増える一方で、企業内での発言力を強化する可能性をもたらしており、将来にわたり安定したキャリアを築くうえで有利な状況を生み出しています。

 

  1. 年収がアップする可能性がある

社内システムエンジニア(SE)の役割は、時代とともに進化しています。

企業が抱えるシステム開発の課題として、外部委託にともなう期間とコストの増大、さらには外部との連携に要する労力などの問題が存在するため、内製化の流れが生まれています。

社内SEは、自社のビジネスに精通しており、IT技術を駆使して業務の効率化に貢献できます。内製化によって生み出されるシステムやアプリケーションが企業の生産性を向上させれば、成し遂げた社内SEの価値は高まり、結果として年収のアップにつながることが期待されます。

内製化の動きを背景として、社内SEの求人は増えており、転職市場でも年収アップの機会が拡がっています。内製化を進める企業が増えることで、社内SEの役割がより重要視され、収入面での優遇を受ける可能性が高くなります。社内SEとしてのキャリアを積むことは、将来的に経済的な報酬を得るための有効な方法です。

 

  1. まとめ

 

社内SEの年収を取り巻く状況と、業務の現状、将来の展望をご紹介してきました。

  • ・社内SEの平均年収は約534万円で、安定している。
  • ・システムの企画や導入から運用保守まで、多様な職務内容がある。
  • ・年収アップを目指すには、上流工程の企業への転職、管理職への昇進などがある。
  • ・精神的・肉体的負担が少なく、上流工程の経験が積める。
  • ・業務のDX化が進み、将来性がある。

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