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パターン認識とは?AIや機械学習で使われる実例を交えて解説

AIや機械学習という言葉を聞くようになって久しいですが、それらと密接に関連している「パターン認識」という言葉をご存知でしょうか? パターン認識は、私たちが普段から利用しているスマートフォンなどにも搭載されている技術です。

この記事では、コンピューターにおけるパターン認識について、機械学習などの実例を交えて解説をしています。ぜひともご確認ください。

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  1. パターン認識とは?

パターン認識とは、文字や画像、音声などの型や類型、規則性などを認識・識別する技術のことです。パターン認識は自然界に生きる人間や動物などはごく自然におこなっているもので、視覚や聴覚、嗅覚といった感覚で、対象となる人や物などを認識・識別することが代表的な例となります。

 

コンピューターはあくまで命令された処理をおこなう機器となりますので、コンピューターを扱う人間側が情報処理の仕方を組み込まなければ、文字や画像などのパターンを認識することができません。コンピューターに対象物のパターンを認識させる方法のひとつとして機械学習が挙げられ、コンピューターのパターン認識や機械学習などはAI(人工知能)というテクノロジーに内包される一部となっています。

 

  1. 機械学習でのパターン認識

機械学習とは、人間や動物が物事を覚えていくように、コンピューターに正解とするデータや不正解とするデータなどを教えたり、コンピューターに提供したデータの共通点を探させたりして、覚えてほしい事柄を学習させることです。機械学習とは、英語で「Machine Learning」と書き「機械に学習させる」という意味になるため、英訳をそのままイメージすると理解しやすいかと思います。

 

パターン認識は機械学習の一種となり、機械に学習させた文字や画像、音声、人間の顔などに何を識別して欲しいかを教え、入力されたデータを機械に判定させることです。コンピューターへの機械学習でパターン認識を覚えさせることで、 論理的には処理のできない人間の顔などの物体も学習させることができます。これらの進化により、社会生活の至るところでAIを利用したシステムが使われるようになってきています。

 

  1. パターン認識の種類

パターン認識の種類を3つお伝えします。

 

  1. 顔・指紋・虹彩(こうさい)認識

顔や指紋、虹彩(人間の瞳孔の周りにある部分のことを指し、人によって異なり生涯不変)で識別するパターン認識です。スマートフォンや入退管理システム、なりすまし防止、ホテルや飲食店での決済などで利用されています。

 

  1. 文字認識

文字の特徴をコンピューターに覚えさせ、認識させるパターン認識です。文字認識では「教師あり学習」という正解データを教えて学習させる方法で、認識率を上げていくことが一般的です。

 

  1. 音声認識

Appleの「Siri」やGoogleの「Googleアシスタント」など、人間が発した音声を認識するパターン認識です。音の認識と文字をマッチングさせてテキストを作成したり、人間の声でコンピューターに指示を出したりします。

 

  1. パターン認識によるAIの発展

機械学習は、もともとは数値、記号の計算や囲碁や将棋、チェスのようにルールが決まっている盤上ゲームなどの計算をおこなうものでした。しかし、日本では手書きの数字を読み取る「郵便番号自動読み取り」やアメリカでの「数字音声認識装置」は1960年代後半から実用化が進み、1970年代以降は数字以外にもアルファベットやひらがな、漢字と文字識別は進化し、写真や連続音声など、新しい分野でのパターン認識も研究が進められました。

 

パターン認識の技術が進化したことにより、数値や記号以外のものでもコンピューターが認識・識別できるようになり、AIの発展につながりました。パターン認識を搭載したAIを利用することで、人間では不可能なもの、あるいは識別に時間がかかってしまうものでも、画像や音声をもとに簡単に判別ができるようになったのです。

 

例えば、顔認識機能を搭載しているAIでは、街中を歩いている人がマスクを着用しているか否かを簡単に識別することができ、マスクの着用率を人間が計算するよりも圧倒的に早く割り出すことができます。また、犯罪者を探す際も、あらかじめ犯人の顔写真を認識させていれば、犯人に似た顔の人物を抽出することもできるようになっています。

 

これらの技術は数値や記号で計算するだけでは成し得なかった技術といえるため、パターン認識が進歩したことにより、AIの新たな発展につながったと判断できます。

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  1. パターン認識の実例

パターン認識の実例を4つご紹介します。

 

  1. 画像による診断

医療業界でも、パターン認識を利用したAI機器が利用されています。CT(Computed Tomography|コンピュータ断層撮影)、MRI(Magnetic Resonance Imaging|磁気共鳴画像)、内視鏡画像などの診断では、腫瘍や潰瘍、網膜症、骨折などの人体の病気や怪我を画像から診断し、医師の判断の手助けをしています。また、AIを利用したパターン認識という技術ではなく、「このような症状ならば、こういった病気だろう」と推測する思考過程のこともパターン認識といいます。

 

  1. 目視確認の削減

工場などで、かつては人間が目視で確認していた仕事を、AIを搭載した機器が代替しているケースがあります。例えば食肉加工企業では、鶏肉の整形作業で細かな羽や血糊などを取り除く必要があるのですが、パターン認識の技術を用いて羽や血糊を検出するAI機器を開発し、その工程にかける手間を削減し、業務効率化に成功しています。

 

  1. データセンターなどの入館セキュリティ

施設への入退館システムには、暗証番号やカード認証などがありますが、セキュリティに力を入れている企業では、パターン認識を利用した生体認証が導入されているケースが多くなっています。

 

入退館システムには顔・指紋・虹彩の認識が一般的で、これらは人固有の形があるため、偽造やなりすましがほぼ不可能という特徴があります。しかし、髪型やメガネ、マスクなどによってすぐに認証できない可能性があり、個人のプライバシーも関係してきますので、しっかりとした配慮が必要になります。

 

  1. 会議の議事録

音声を利用したパターン認識には、会議の議事録を自動で文字起こししてくれるものがあり、さまざまな企業からサービスが提供されています。文字起こしには、一般的に録音時間の約4倍の時間がかかるといわれています。しかし、文字起こしのサービスは、即時の文字起こしや録音データから数十分での文字起こしが可能となっており、作業時間を大幅に削減することになります。

 

また、会議の議事録以外にも、コールセンターなどで通話内容を即時に文字起こししてくれるサービスなどもあり、顧客や従業員の言葉を確認しやすい環境になっています。

 

  1. まとめ

最後に、パターン認識についての振り返りをしておきましょう。

 

①パターン認識とは、文字や画像、音声などの数値や記号では表せないものを認識・識別する。

②パターン認識は機械学習の一部となり、パターン認識や機械学習はAIの一部でもある。

③パターン認識の進化により、数値や記号以外のものを応用するAIが発展した。

④パターン認識の技術は、現代社会の至るところで利用されている。

 

今では当たり前になっているスマートフォンが登場し、進化を続けたことで人々の生活は大幅に変化しました。パターン認識や機械学習などを利用したサービスはまだ発展途上にあるといえますが、これからますます進化をし、スマートフォンと同じように我々の日常生活を変革させることになるでしょう。