よく聞く「DX」とは?エンジニアのDX案件も合わせてご紹介

よく聞く「DX」とは?エンジニアのDX案件も合わせてご紹介

近年、企業における業務のIT化が急速に進んでいます。企業がIT技術を導入して新しいサービスを生み出したり、組織や業務のあり方に変革をもたらしたりすることを「DX(デジタルフォーメーション)」と呼びます。

今回の記事では、DXとは何か、DXを導入する企業が増加している背景を解説します。また、DX導入の成功例、DXの具体的な案件や求人、さらに今後DX市場で活躍するためにエンジニアとして身につけておくべきスキルについてもご紹介します。

 

DX(デジタルフォーメーション)の定義とは?

 

DXとは、企業が積極的にIT技術を取り入れることで、企業のビジネスモデル、組織文化、制度などを、よりよい方向に変革(transformation)していく取り組みのことをいいます。

 

2018はDXを以下のように定義しています。

 

「企業がビジネス環境の激しい変化に対応し、データとデジタル技術を活用して、顧客や社会のニーズを基に、製品やサービス、ビジネスモデルを変革すると共に、業務そのものや、組織、プロセス、企業文化・風土を変革し、競争上の優位性を確立すること」

 

また、日本マイクロソフトの調査によると、2021年までに日本のGDPの約50%をデジタル製品やデジタルサービスが占めると予測されており、DXの浸透は日本経済に約11兆円もの経済効果をもたらすとされています。

 

企業がDXを導入して新しいIT技術およびデータを使いこなすことで、さまざまなメリットが期待できるのです。大きなメリットとしては以下のような点が挙げられます。

・利益率が向上する
・生産性が向上する
・コストを削減できる
・生産および運用時間を短縮できる
・顧客獲得の成功率を上げることができる
・顧客獲得時間を短縮できる

これらのうち、とりわけ「利益率の向上」と「コスト削減」において非常に高い効果が出ているのが特徴です。

 

「2025年の崖」

 

経済産業省の研究部会は、2018年に「DXレポート」を公表しました。実は、このレポートのサブタイトルは「ITシステム『2025年の崖』の克服とDXの本格的な展開」となっています。この「2025年の崖」とは何を意味するのでしょうか?

 

●2025年の崖とは

老朽化したシステムや複雑になり過ぎたシステム、あるいはブラックボックス化したシステムなど、既存の古いシステムがいつまでも残存しているという現状があります。

 

既存のシステムの更新ができず、DXの実現が遅れることで、2025年以降に最大12兆円の経済損失が生じる可能性があり、これが「2025年の崖」と呼ばれています。

DXの実現が遅くなるほど、企業の国際競争力の大幅な低下や国内経済の停滞につながる恐れがあるのです。

 

●DXレポートで述べられている課題

 

・経営面の課題

既存の古いシステムやブラックボックス化したシステムを解消できず、新たなデジタル技術とデータの活用が遅れれば、企業の経営にも影響を及ぼします。

 

刻々と変わるIT市場の変化に対応できず、さらに新たなビジネスモデルへの迅速な移行も困難になり、結果的にその企業は「デジタル競争の敗者」になってしまう可能性があるのです。

既存のシステムが残存することで、維持管理費が高額化するという問題もあります。ほかにも、保守運用の担い手不在によるサーバーセキュリティ面での危険、システムトラブルやデータ損失などのリスクが挙げられるでしょう。これらもまた企業の経営を悪化させる一因にもなりかねません。

 

・人材面の課題

既存のシステムの担い手であるエンジニアが高齢化し、退職することで、先端ITエンジニアの供給不足、古いプログラミング言語を理解できるエンジニアの供給不足が起こります。そのまま古いシステムを使い続けていた場合、いつか古いプログラミング言語を扱える人が社内にいなくなってしまい、システムを維持できなくなるだけではなく、新しい革新的な技術と言語にも対応できなくなってしまうでしょう。

 

具体的にどのようなDX案件があるの?

 

DXを導入した企業の成功例や、DXの案件・求人には具体的にどのようなものがあるのかをご紹介いたします。

 

●DXの成功例

 

・資生堂

資生堂が取り入れたDXの形として、「Optune(オプチューン)」がよく知られています。資生堂のOptuneは、ユーザーごとに適切なスキンケアを提案できるシステムです。専用のスマホアプリでユーザーの肌を測定し、おすすめのスキンケアを提案します。このOptuneの導入は、スキンケア商品の月額課金制度という新しいモデルを確立しました。

 

・メルカリ

かつてはネットオークションというとパソコンで行うのが普通でした。また、それまでのネットオークションは商品の販売・購入を、実名で行うことが多く、プライバシーに関するリスクがありました。

メルカリは、新たなIT技術を取り入れることで、スマホだけで簡単に出品・落札ができるようにしました。また、実名に関するリスクをなくし、匿名で配送ができるサービスも構築。近年はAIを駆使した即時買取サービス「CASH」なども開始しています。

 

●DX関連の案件・求人例

 

・DXディレクター(プロデューサー)

近年、DXディレクター(プロデューサー)という言葉も徐々に目立つようになってきました。DXディレクター(プロデューサー)の仕事は、さまざまな業種におけるホームページの制作ディレクション、ITツールを活用した企業・営業支援などです。

 

・DX推進担当

DXの本格的に導入を目指す企業において、DXを推進する役割を担います。具体的な業務としては、システムコンサルティング、セキュリティ・インフラ構築業務、保守運用などです。

 

・Salesforce導入担当

顧客管理システムとして人気の高い「Salesforce」を導入する企業が増えています。Salesforce導入担当は、システムの導入、運用、および事業推進・改善などをリードする役割を果たします。

 

・その他

AIエンジニア、データサイエンティスト、ビジネスデザイナー、UXデザイナーなどが挙げられます。

 

身につけておくとよいDX時代のエンジニアのスキルとは

 

DXを導入する企業が大幅に増加し、DX市場はこれからもさらに拡大を続けることが予測されます。それに併せて、新しいスキルを持ったエンジニアの需要が高までしょう。

来るべきDX時代を見据えて、DX市場で価値あるエンジニアとみなされるために必要となるスキル、身につけておくべきスキルについてご紹介します。

 

・今後、エンジニアに求められる重要なスキル

 

IPA によると、「今後強化・新たに獲得したい技術」として以下のような技術が挙げられています。

 

1. AI技術
2. IoTシステム構築技術
3. セーフティおよびセキュリティ技術
4. システムズエンジニアリング技術
5. ビッグデータの収集・分析・解析技術

 

また、今後強化したい技術における重要度ランキングは以下の通りです。

 

1. ビッグデータの収集・分析・解析技術
2. AI技術
3. 他製品・システムとの接続検証技術
4. IoTシステム構築技術
5. アジャイル開発技術

 

・今後、不足が予想される人材

同じく、IPA 社会基盤センターが公表したデータによると、DX市場で今後不足が予想される人材として以下が挙げられています。

 

1. ビジネスをデザインできる人材
2. IoT等新技術の専門技術者
3. 設計技術者
4. システム全体を俯瞰して思考できる人材

 

このデータを見てみると、DX時代のエンジニアに必要なスキルは、単に新しいプログラミングスキルや技術だけでなく、ビジネスをデザイン(企画)するスキル、DXやデジタルビジネスの実現・推進を主導していく能力などが求められると言えるでしょう。

 

まとめ

 

DX市場が拡大する中で、エンジニアに求められるスキルや能力も変わりつつあります。そのため、これまでのプログラミング言語や技術に加えて、AIやビッグデータ、IoTなどの技術を習得すると、よりエンジニアとしての価値が高められます。

また、新しいサービスを生み出す企画力、発案力、デザイン力、プロデュース力、企業におけるDX推進をリードしていく能力―こうした新しいスキルや能力なども、今後はエンジニアのアピールポイントとなるでしょう。
急速に変化していくIT業界の中で、自身の市場価値を維持できるよう常に新しいスキルの習得を目指してみてはいかがでしょうか。