PythonでWEBスクレイピングを始めるには?必要なライブラリや注意点をご紹介

WEBサイトから必要なデータを自動で収集するスクレイピングは、ビジネスでも活用が広がっています。
Pythonを使えば手作業では数日かかる作業も数分で完了できる一方、適切なライブラリの選択や法的制約への配慮が重要です。
本記事では、スクレイピングに必要なライブラリの特徴や選び方・実装する際の注意点を、初めて取り組む方にもわかりやすく解説します。
効率的なデータ収集を実現するための基礎知識を、体系的に学んでいきましょう。
Contents
スクレイピングとは?
スクレイピングは、WEBサイトから必要なデータを収集する技術です。プログラムでHTMLを解析し、必要な情報を取り出して利用します。
手作業では数日かかる作業も数分で完了でき、多くの企業が価格比較や市場調査に活用しています。
APIとの違い
APIはWEBサービスが公式に提供するデータ取得の仕組みです。
一方、スクレイピングはWEBページから直接データを抽出する手法です。
APIは安定性が高く扱いやすいですが、スクレイピングはAPIが提供しないデータも収集できます。
PythonでWEBスクレイピングに必要なライブラリ
Pythonでスクレイピングに使用できる4種のライブラリをご紹介します。
BeautifulSoup
HTMLやXMLを解析して、指定タグや属性から、情報を取り出せます。
Requests
WEBサーバーにアクセスしてデータを取得するためのライブラリです。
Selenium
ブラウザを自動操作し、JavaScriptで生成されたコンテンツやログインが必要なページに対応できます。
Scrapy
大規模なスクレイピング用フレームワークです。複数サイトから並行してデータを収集できます。
ライブラリのインストール方法と選び方について
スクレイピングの規模や対象サイトの特徴に合わせて、ライブラリを選びます。
ライブラリ名 |
適した用途 |
BeautifulSoup |
静的ページの解析 |
Requests |
基本的なデータ取得 |
Selenium |
動的コンテンツの取得 |
Scrapy |
大量データの収集 |
初見では、RequestsとBeautifulSoupの組み合わせから始めるのがおすすめです。シンプルで扱いやすく、多くの場面で対応できるためです。
RequestsとBeautifulSoupのインストール
インストールには、Pythonのパッケージ管理ツールpipを使用します。
# コマンドラインや端末に以下のように入力します。
pip install requests
pip install beautifulsoup4
スクレイピングの基本的な流れ
スクレイピングの3つの重要なステップをご紹介します。
1つ目は、対象サイトの調査です。規約や規制を確認し、HTML構造を分析してデータの位置を特定します。
2つ目は、コード実装です。下記は結果を端末に出力する例です。
import requests
from bs4 import BeautifulSoup
# ①RequestsでページのHTMLを取得
response = requests.get(‘https://example.com’) # 対象URLにリクエスト
# ②BeautifulSoupでデータ抽出
soup = BeautifulSoup(response.text, ‘html.parser’) # HTML解析
titles = soup.find_all(‘h1’) # h1タグの要素を取得
# ③テキストを出力
for title in titles:
print(title.text)
3つ目は、データの保存・処理です。CSVやデータベースに保存し、必要に応じて整形や分析をおこないます。
Pythonスクレイピングの注意点
スクレイピングには法的・技術的な制約があり、配慮が必要です。
利用規約・著作権などの事前確認が必要
最初に、サイトの利用規約を確認します。規約でスクレイピングを禁止している場合があります。
また、robots.txtでクローラーへの制限を確認し、遵守してください。
取得したデータは著作権法も考慮し、無断公開や商用利用は避けるようにしましょう。
WEBサーバーへの負荷に注意が必要
WEBサーバーの負荷を考慮し、アクセス間隔を1秒以上空けるなどの配慮が必要です。
また、ユーザーエージェントを適切に設定し、スクレイピングを明示するのが望ましいです。
まとめ
WEBスクレイピングは効率的なデータ収集ができますが、制約への配慮も必要です。
まずはRequestsとBeautifulSoupから始め、徐々に要件に応じてSeleniumやScrapyへステップアップをおすすめします。
本記事を参考に、まずは基本的なスクレイピングに挑戦してみましょう。