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LCM(ライフサイクルマネジメント)とは?メリットと正しく選ぶコツを解説

「LCMサービス」というものをご存知でしょうか? LCMサービスはうまく利用することで時間やお金を削減できる、企業経営に役立つサービスです。この記事では、LCMサービスの概要について説明をし、メリットや業務内容、選ぶ際のポイントなどを解説しています。ぜひともご確認ください。

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  1. LCMとは?

LCM(Life Cycle Management)とは、パソコンやサーバー機器などのハードウェア、OSやアプリケーションなどのソフトウェアといった、IT資産の選定・設置・設定・運用・保守・廃棄までの業務を代行あるいはサポートするアウトソーシングサービスです。LCMというサービスを提供することを、一般的に「LCMサービス」と呼びます。

 

LCMサービスで多いものはパソコンに関するものになりますが、サーバーやネットワークに特化したものや、業務に必要なITシステムをハードウェアとソフトウェアの両面からすべてのフェーズでサポートするもの、企画・設計や運用などのフェーズごとにサポートするものなどがあります。

 

  1. LCMはなぜ必要なのか

現代の仕事では、パソコンなどのコンピューターを利用したシステム管理が当たり前になっています。しかし、パソコンの種類も多く、業務環境を構築するにも専門的な知識が必要です。自社の人材がすべてに対応できれば問題はありませんが、環境構築をするにもそこにリソースを割かなければならず、自社ですべてを賄おうとすると、企業として本来集中したいことが後回しになってしまいます。

 

また、業務環境の構築ができる人材が不足している企業も多いため、IT資産やシステムの構築や運用などをおこなうLCMサービスが利用されるようになりました。企業がLCMサービスに業務の一部を任せることにより、本来集中するべき仕事にリソースを費やすことが可能になり、人手不足の解消、セキュリティ面の強化、コスト削減などの恩恵を受けることもできます。

 

  1. LCMサービスのメリット

LCMサービスのメリットを3つお伝えします。

 

  1. 人手不足の解消

大規模な企業などでは、情報システム部や技術部、開発部などのITに関連する部署を設けていることが一般的ですが、小規模な企業などではなかなかそうもいきません。現代の仕事でパソコンは必ず利用するものといっても過言ではありませんが、企業内にITに強い人材がいないことも多々あります。

 

LCMサービスを利用すると、企業のIT環境の構築や運用などの業務を任せることができるので、企業内でITを担当する人材がいない場合でも人手に困ることがありません。また、大規模な企業の場合、準備をするパソコンが数百台以上にのぼることもあり、それらの環境を整えるとなるとITに強い人材がいてもかなりの時間を浪費してしまいます。LCMサービスを利用することで、人手と時間がかかってしまう業務に自社リソースを割く必要がなくなるため、大企業においても人手不足を解消することができるといえます。

 

  1. セキュリティ面の強化

企業にIT人材がいない場合はセキュリティ面についても自社対応が難しくなりますが、LCMサービスに業務を依頼すればその問題も解決することができます。また、不要なパソコンを廃棄する場合、自社で情報を消去してもデータ復元などで情報漏洩のリスクがありますが、IT資産の廃棄まで担当するLCMサービスを利用することでセキュリティリスクの回避がしやすくなります。LCMサービスは業務としてセキュリティ面の対策を請け負っているため専門性が高く、安心して業務を任せることができるでしょう。

 

  1. コスト削減が可能

自社リソースを割かずともできる業務については、LCMサービスを利用することでコスト削減につながることが考えられます。人手不足の項目でお伝えしたITに強い人材がいない小規模な企業の場合、自社の人材でIT関連についての強みを出せない代わりに人件費を抑えることが可能です。当然ながら、企業によって給与は異なりますが、IT人材を一人雇う費用とLCMサービスにIT関連の業務を任せるとでは、LCMサービスを利用したほうがコスト削減につながるでしょう。

 

大企業においても、パソコンなどのハードウェア機器を借りることで、購入するよりも費用を抑えることが期待できます。パソコンは消耗品であるため経年劣化もしていきますし、時代の流れによってスペックも大きく変化し、処分をするにも費用がかかります。そのため、その都度購入するよりもLCMサービスを利用して、必要に応じてパソコンを入れ替えていったほうが経済的になる可能性があります。

 

  1. 自社の事業に集中できる

企業にとっての最大のメリットは、LCMサービスに業務を任せることで上記3つのメリットから、自社の事業に集中できることになるかと思います。

 

時間やコストなどを削減することによる売り上げの伸長ももちろん可能です。しかし、経費を抑えることには限界がありますので、事業の成長に意識を向けたほうが利益は上がりやすくなるのではないでしょうか。LCMサービスを利用することで働きやすい環境を作ることにもつながりますので、この点のメリットは非常に大きいといえるでしょう。

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  1. LCMサービスの内容

LCMサービスの内容を4つお伝えします。また、すべての業務を一貫しておこなっているものや一部のみのをおこなっているLCMサービスがあり、サーバーやネットワークのみの選定・キッティング・サポート業務などを請け負っているLCMサービスも存在します。

 

  1. 機器の選定と調達

企業が利用したいシステムやIT資産として保持している機器によって、適切なハードウェアやソフトウェアは異なります。数あるIT機器のなかから状況に合ったものを選ぶには専門性の高い知識と広い情報が必要になるため、事業としてそれらをおこなっているLCMサービスに依頼をすることで効率がよくなります。また、企業によっては機器の購入・レンタル・リースとサービスを選ぶこともでき、必要によってメーカから調達もしてくれるため、柔軟な対応が期待できます。

 

  1. キッティング

キッティングとは、ハードウェアとソフトウェアのセッティングをおこない、IT機器をすぐに利用できる状態にすることです。IT機器をキッティングするにはITインフラ周りの専門的な知識が必要になり、サーバー、ネットワーク、セキュリティなどについての理解が求められます。IT業界は技術進歩が早いので、インフラエンジニアなどの専門職を設けていない企業はキッティングも難しくなりますが、LCMサービスを利用することで、上述したようなメリットが発生し企業の負担も軽減できます。

 

  1. ヘルプデスク・サポート

ヘルプデスク・サポートとは、システム開発の工程では「運用・保守」に相当します。LCMサービスは、IT機器の不具合や操作方法などの質問に電話やメール、リモート操作などで応じる「オフサイト」と、クライアント企業に常駐する「オンサイト」というものがあります。また、オフサイトのLCMサービスでは、365日24時間対応の企業も存在していますので、安心してサービスを利用することができるでしょう。

 

  1. 下取り・データ消去

企業が保有しているIT機器の下取りをしているところでは下取りを、レンタルやリースの場合は返却を受け付けます。LCMサービスを提供している企業では、特殊な方法で取り出せるハードウェアに残った情報まで完全に削除し、物理的に破壊してくれるところや、廃棄の直接的な請負はせずとも、廃棄業者への紹介や仲介、業務代行をおこなってくれるところがあります。

 

情報セキュリティに特化した部門がある企業はIT機器の廃棄もできるでしょうが、そうでない場合は最新のセキュリティ情報を追い続けることにも限界がきてしまいますので、LCMサービスを利用するメリットは大きくなるでしょう。

 

  1. LCMサービスを選ぶときのポイント

LCMサービスを提供している企業は多岐に渡るため、選ぶときにもしっかりとした観点を持たなければなりません。この項目では、LCMサービスを選ぶポイントを2つお伝えします。

 

  1. サービスの特徴を比較する

上述してきたように、LCMサービスにはさまざまな種類があり、サービスの組み合わせも異なっています。一番多いものはパソコンですが、サーバーやネットワーク以外にもコールセンターのシステムに特化したもの、オンプレミスあるいはクラウド上にITシステムを構築するもの、キッティング代行の有無、ヘルプデスク・サポートの有無、利用する機器のメーカーを選択できるか否かなど、特徴が異なります。

 

同じようなLCMサービスを利用するにしてもサービス内容が異なりますので、LCMサービスにアウトソーシングすることが決定したあとは、サービス提供企業の情報をよく比較する必要があります。また、当然ですがLCMサービスに依頼をする業務が増えるとその分費用は増えてしまいます。ベースとなるサービス内容から依頼者側が選択をして、カスタマイズできるものなどもありますので、内容に加えて金額についても留意してください。

 

  1. 自社に合ったものを選ぶ

自社に合ったサービスを選ばないと、コストが余計にかかってしまうことになり非効率です。例えば大規模な企業なら、パソコンなどのハードウェア機器を大量に導入するとなると相当数の人員やITに詳しい人材が必要になるため、LCMサポートを利用したほうが時間と労力の削減につながります。しかし、機器を導入したあとの運用や保守はITに詳しい人材にシステム内容を引き継げば自社で対応可能になるでしょう。

 

それに対して、IT人材のいない小規模な企業の場合、機器の選定からシステム構築、運用・保守までをLCMサービスに外注したほうが業務効率化につながり、事業に集中することができます。仮に規模が大きくなったり、自社でシステム開発をしていく決定をした際は、自社のIT運用を任せられる人材を獲得すれば問題は解決できるはずです。

 

また、機器の購入・レンタル・リースやオフサイトとオンサイトなども選択基準として大切になります。企業の規模や事業によって適したLCMサービスは異なりますので、複数社と連絡を取るなかで知識を深め、最善の選択ができるように意識する必要があります。

 

  1. LCMサービスを利用する企業、LCMサービスを提供する企業

LCMサービスは基本的にBtoBのビジネスモデルになりますので、LCMサービスを利用する企業とLCMサービスを提供する企業に分かれます。この項目では、両者について説明をします。

 

  1. LCMサービスをを利用する企業

LCMサービスを利用する企業の主な理由は、コストの削減やリソースの無駄を省くことになるでしょう。かつては大企業がアウトソーシングするイメージが強かったLCMサービスですが、費用が安くなってきたこと、パソコンやタブレット端末などの普及、システムの複雑化などによって幅広く利用されるようになりました。

 

実際に、IT企業や小規模な企業で利用されていることも多くなっています。さらに最近では、飲食店のレジスターをタブレット端末で代用している場面を見かけることが増えてきていると思いますが、こちらもLCMサービスとして利用されているケースのひとつとなります(レジでのタブレット代用のすべてがLCMサービスというわけではありません)。

 

  1. LCMサービスを提供する企業

富士通やソフトバンク、日立、NEC、キャノンなど、日本を代表する企業がLCMサービスを展開し、検索エンジンで【LCMサービス】と検索すると、20社以上の企業が検索画面に出てきます。検索結果からわかるように、大規模から中小規模の企業もLCMサービスを提供しているため、選択肢はかなり多いといえるでしょう。

 

LCMサービス企業の売り上げランキングなどがわかる資料はありませんでしたが、これらの状況からLCMサービスの需要の高さを窺い知ることができます。また、先述した飲食店でのタブレット端末のように、IT機器の進化によってLCMサービスが広がっていく可能性も十分に考えられます。

 

  1. まとめ

LCMサービスは、自社の状況を適切に把握しサービスを比較検討することで、コストやリソースの削減ができ、機器の選定から廃棄までを任せることができます。LCMサービスを提供している企業の多さから鑑みると、社会に求められているサービスだといっても過言ではないでしょう。

 

自社でIT機器を購入し、自社の人材でITシステムを整えていく以外にも、LCMサービスというものがあることを知ることや利用することで、企業経営の方法が変わることも考えられます。気になった方は、LCMサービスを提供している企業に資料請求や見積もり依頼などをしてみてください。この記事が少しでもお役立てになれば幸いです。