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転職コラム

SLA・SLO・SLIはどう違うの?サービスレベルの違いと必要性について徹底解説!

IT業界でサービスを展開していくために、通信やソフトウェアサービスを利用することが多くなってきていると思います。契約締結をするサービス内容についてしっかりと把握するためにも、「SLA」「SLO」「SLI」といった言葉への理解が重要です。この記事では、これらについて説明をし、それぞれの違いを判別するための方法なども解説しています。ぜひともご確認ください。

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  1. サービスレベルとは

IT業界でのサービスレベルとは、通信やソフトウェアサービスにおいてユーザーへ提供されるサービスの内容・品質を意味します。具体的には、通信回線の速度やトラブル発生時のシステム不能時間についてあらかじめ水準(レベル)を設けておくこと、などを説明・定義付ける際に「サービスレベル」という言葉が用いられます。

 

また、スマートフォンで例えると、契約によってユーザーのデータ通信量やサポートなどのサービス内容や品質が異なることに該当します。サービスレベルという言葉はIT業界以外でも用いられ、コールセンターでは電話応答率、商品在庫管理では在庫切れにならない確率などを表す際に用いられています。

 

  1. サービスレベルはなぜ必要か

IT系のサービスに限らず、契約をする際は商品やサービスを提供する側と商品やサービスを受け取る側の同意が必要になり、同意を得るためには商品やサービスの水準や定義、トラブル発生時の対応などを決めておかなければ問題になりかねません。IT関連のサービスを利用する際に、サービスレベルを設定しておかないと利用する企業側が不利益を被ったり、サービス提供側が無茶な要望をされてしまうことも考えられます。

 

そのため、IT業界でサービスの契約を結ぶ際はサービスレベルを設定し、設定したサービスレベルの合意に関するSLAというものがあります。また、サービスレベルの目標についてはSLO、サービスレベルの指標についてはSLIなどといった言葉が利用されています。

 

  1. SLAとは

SLA(Service Level Agreement)とは、サービス事業者がユーザーに提供するサービスの内容や品質の水準を定義し、そのサービスレベルを保証するもので、「サービス水準合意」や「サービス品質保証」などと訳される言葉です。

 

SLAにはサービスの内容や品質以外にも、合意したサービスレベルを守れなかった場合の返金対応などについても記載されます。かつての通信サービスでは、サービス内容に対する取り決めがなく、サービス事業者とユーザーの間でトラブルが発生していました。そのため、契約内容を明確化するためにSLAが作られた経緯があります。

 

  1. SLOとは

SLO(Service Level Objective)とは、サービス事業者が提供するサービスについての目標のことをいい、日本語では「サービスレベル目標」と訳される言葉です。SLAと違ってユーザーと合意したり、内容を保証したりするものではなく、あくまでサービス事業者の「目標として設定されるもの」となるため、一般的にはSLAよりも高い水準で設定されます。

 

また、SLOはSLAと違い契約に該当しないため、SLOの内容は非公開にするサービス事業者も多くなっています。しかし、SLOを公開することによって、サービス事業者はユーザーが求める数値目標を共有できる、過剰な要望を未然に防ぐことができるなどのメリットが生まれます。ユーザーからしても、SLOを確認することでSLAを遵守できるか否かなどの予測もしやすくなるため、SLOが公開されていることによるメリットは大きくなります。

 

  1. SLIとは

SLI(Service Level Indicator)とは、SLOを達成するための測定可能な指標のことをいい、日本語では「サービスレベル指標」と訳されます。システム稼働が可能な時間比率を表す「可用性」やユーザーからのリクエストに対する「エラー率」などの指標・数値をSLIとして測定し、SLOについて検証することになります。

 

SLOをSLOとして成り立たせるためには複数の数値目標が必要になり、可用性やエラー率などのSLIが設定されていないと測定することができません。そのため、SLOを定義付けるためにはSLIの設定が必要になります。

 

また、本記事の内容とは関係ありませんが、米国NVIDIA社の通信インタフェース規格にもSLI(Scalable Link Interface)という言葉があります。混同しないように注意しましょう。

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  1. SREとは

SRE(Site Reliability Engineering)とは、Googleのエンジニアリングチームから発生したシステム管理やサービス運用といったソフトウェアエンジニアリングに対するアプローチ方法です。上述したSLA・SLO・SLIは大まかにサービスレベルについての言葉であったのに対し、SREはシステム管理や運用についての言葉になっているため、言葉を定義する根本的な内容が異なります。

 

SREの特徴は、システムの信頼性を重要な機能としてとらえている点と、ソフトウェアツールを用いてシステムの管理・運用・問題解決などを自動化し、膨大なタスクに対応することを重視している点になります。ITインフラの構築がクラウド化されていくことによって、コードを利用したソフトウェア構築が増加し、SREが注目されるようになりました。また、SREは従来の管理や運用アプローチとは異なるため、システム運用とソフトウェア開発の経験・スキルが必要になります。

 

  1. SLA・SLO・SLI・SREのそれぞれの違い

まず、SLA・SLO・SLIは大まかにサービスレベルについての言葉で、SREはソフトウェアエンジニアリングのアプローチ方法となりますので、その点で区別をします。

 

SLAとSLO・SLIについては、サービス事業者とユーザーの契約の有無で判断することができます。SLAは「サービス水準合意」や「サービス品質保証」となりますので、契約の内容を遵守しなくてはならないのに対し、SLO・SLIはサービス事業者が独自に設定した目標や指標となるため、極論的に表現をすると遵守する必要がありません。

 

SLOとSLIについては、SLOというサービスレベル目標を設定するためにはSLIというサービスレベル指標が必要になるため、「SLOはSLIの集合体」、「SLIはSLOの必須構成要素であるとともに内包されるもの」とも言い換えることができるでしょう。

 

言葉が似通っているため判別しづらい部分もありますが、用語の指し示す言葉の意味や適用される範囲などを考えると理解しやすくなるかと思います。ひとつひとつ確認をして、混同しないように注意しましょう。

 

  1. まとめ

SLAは契約内容と言い換えても差し支えのない言葉となっており、サービス事業者とユーザーの間で齟齬をきたさない内容で締結する必要があります。SLAの代表的な設定項目には、前提条件、サービスの内容や品質、サービス事業者とユーザーの責任範囲、数値測定の運用ルールなどがあり、サービス利用時に必要になること・想定しておくべき決まりを設けるものです。しかし、あまりに細かく設定をしてしまうとそれだけコストが発生し、有名無実な内容になる可能性もあるので注意が必要です。

 

また、「SLAでサービス事業者とユーザー間で契約を結んでいるので、SLOやSLIを設定は不要のではないか?」と感じる方もいらっしゃると思います。しかし、SLOやSLIを設定していないとシステム可用性や信頼性が把握しづらくなり、適切なサービス内容を測定したり、何の指標が提供しているサービスに影響を及ぼしているのかなどがわかりにくくなります。

 

実際に契約を結ぶ立場にある方は、SLA・SLO・SLIについて適切に理解し、サービス事業者と商談ができたほうが好ましいかと思います。この記事が少しでもお役に立てば幸いです。