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ランサーズ CTO 横井氏&プロダクト開発部副部長 秋好氏エンジニア対談

創業からアーリー/グロース/レイターの各ステージで注力した戦略テーマについて。

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(左から)CTO 横井氏、プロダクト開発部副部長 秋好氏

日本最大級のクラウドソーシング「Lancers」を中心に、デジタルマーケティング支援、地方創生など、多角的にサービスを展開しているランサーズ株式会社。
ランサーズのビジョンである「時間と場所にとらわれない働き方を創る」というその可能性に共感し、各方面から第一線の技術者達が集まってきている。

CTO 横井氏とプロダクト開発部副部長 秋好氏に対談という形式で語っていただく中で明らかになったこと、それはビジョン実現を支えているのは「個のエンパワーメント」の浸透が大きく影響しているということだ。

創業からどのようにカルチャーが作られていったのか、アーリー/グロース/レイターの各ステージで注力した戦略テーマについてお二人のお話を伺った。

アーリーステージ(2008~2014)

技術について

エンジニアとしてランサーズの創業から事業を牽引してきた - ランサーズ 秋好氏

横井氏:早速ですが創業メンバーの秋好さんにお伺いします。創業当時、秋好さんはエンジニアとしてジョインされたと聞いています。

秋好氏:そうですね、最初は社長(秋好陽介氏)と2人でひたすら開発していましたね。当時はスキームなどは当然あってないようなものなので、疲れるまで開発を繰り返す日々でした。

横井氏:開発のしすぎでマウスに穴が開いた話は有名ですよ笑。そして創業の年の2008年末には「Lancers」がローンチされてますよね。

秋好氏:そうですね、案件の第一号はなんとLancersのロゴ制作を依頼しました。翌年以降は露出の増加とともに依頼件数が伸びていき、サービスが落ちることもありました。立ち上げの時期は発生する問題を力技でシューティングするといったことを繰り返していました。
これは今だから言える話ですが、2012年に専用サーバーからAWSへ移行した際、顕在化したスロークエリが悪さをしてパフォーマンスが悪化したことがありました。indexを張って回避したり高度なチューニングにチャレンジしたり、当時は上から下まで本当になんでもやっていました。

採用について

成長するランサーズの軌跡

横井氏:続いて採用についてですがこの時期の採用って本当に苦労しますよね。

秋好氏:実際2008年から2011年までは正社員2名で続けていました。当時の採用を振り返ると、「本当に自分達と同じ熱量でできるのか」という強烈な想いがないと絶対に成し遂げられないのでそこだけはこだわっていました。求人があるわけでもないのにイベントで直接声かけてもらったり、鎌倉のオフィスに来てまで一緒にやりたいって言ってくれる屈強なメンバーが少なからずいましたね。

横井氏:それでいうと苦労しながらもサービスの成長に伴いスタッフの人数をなんとか増やしていますね。

秋好氏:そうですね。社長もずっと開発だけをやっているわけにもいかなくなりましたし、サービスが拡大し組織としてしっかり動かしていく必要がでてきましたので。
採用の観点でいうと2013年以降は渋谷に拠点を移したことで圧倒的に応募数が増えました。今でも採用は苦労しますが、この時期にたくさんの方とお会いできるようになったのはインパクトが大きかったですね。
また採用への投資や事業のスケールのために2013年に資金調達を実施しかなり戦略的に立ち回れるようになりました。

横井氏:資金調達ってVCの方と面談ありますよね。みんなどうでした?

秋好氏:そりゃもう浮足立って笑 ざわざわしていましたよ。

グロースステージ(2015~2016)

横井氏の参画

責任者として開発の全てを統括している - ランサーズ 横井氏

秋好氏:横井さんはどうしてランサーズに合流しようと思ったのでしょうか。

横井氏:もともとランサーズのことは知っていてクラウドソーシングの印象が強かったのと、あとは「何か変えようとしている集団」というイメージはありましたね。
合流を決めたポイントは「ビジョンや想い」に共感できたことと、エンジニアとして考えたときにチャレンジングなことができる確信があったからです。
特にビジョンを体現しているなと思ったのは、「エンドユーザーに近い距離で仕事をしている」ということ。
社内でランサーさんの名前をバイネームで呼んでいるんですよ!?WEBサービスの会社でありえます!?ありえないですよね。ランサーオブザイヤーもこの会社の象徴的な取り組みだと思います。

秋好氏:横井さんがジョインされてから本当に会社が変わっていったのを覚えています。どんなことを意識されていたんですか。

横井氏:今でもそうですが、数ある課題を1つでも多く解くことに掻き立てられていましたね。結果としてそれが自分のバリューになっているという実感がありました。
例えば、あるビジネスアイデアの提示に対して実現イメージやプロトタイプを3時間で作ってフィードバックをもらう、みたいなスピード感でとにかく周りを巻き込む意識をしていました。

CTOの誕生

CTOの誕生 - ランサーズ 横井氏

秋好氏:CTOになるまでそれほど時間があったわけではないですよね。

横井氏:正直に言うとプレイヤーとしての時間はもう少し欲しかったですね。
最初にオファーがあった時は断ったのですが、改めて真剣に考え抜いて決めました。当時組織戦略も関与していましたし、責任を持つことから逃げてはいけないと思いました。一方で以前から在籍している他のみんなの存在も無視できるものではなく、ただとにかく「覚悟」が気持ちを動かしたのだと思います。

秋好氏:ウルトラ宣言ですね。

横井氏:そうそう、背負う覚悟みたいなものが芽生えました。「ウルトラ宣言」で全社レベルでの施策をドライブさせたいという想いを宣言した結果、みんなの気持ちも変わってくれたのだと思っています。

開発への変革

秋好氏:CTOとして横井さんが取り組んだ施策と背景について具体的に教えてください。

横井氏:世の中的にはランサーズがどんどん有名になり事業もメンバーも進化を続ける中、開発だけは進化が遅れていました。
このままだと事業のオーダーに対して緊急感も統一感もなくばらばらと舞い降りてくるものをただ受けるだけになってしまうということに危機感を感じ、事業のエンジニア集団として意思をもって開発をしていくために、いくつかの組織横断施策を展開しました。

秋好氏:他にも開発チームの改革に着手したことは大きかったですよね。デザイナーチームとインフラチームのミッションの自由度や役割が大きく変わりました。

横井氏:もともとデザインチームやインフラチームへのオーダーは正面からくるものや差し込みのものなどが混在し、関係者からのプレッシャーで徐々にディフェンシブになっていったのですが、それを改善しようと試みました。

<開発の改革>
中身を4つ(大規模系、改善系、障害系、基盤系)に分類し、あらかじめ配分を決めて開発するように改善したことで意思決定と施策の精度を圧倒的に改善。

<組織の改革>
開発チームのエンパワーメントを加速することで、自分事として施策がどんどんと進み開発生産性への大きな貢献を実現。

変革対象 ソリューション
インフラチーム ・Docker環境の構築
・アプリサーバーのコード化
・Aurora移行
・サーバースペック導入
デザインチーム ・スタイルガイドの導入
・UIガイドの導入

秋好氏:この取り組みがあったからこそ、自分たちのサービスが社会課題を解決しそのためにはシステムアーキテクチャを磨かなければという意識が定着しましたよね。エンジニアとしてビジネスに向き合う機会を作りにいく文化ができ始めた時期です。

レイターステージ(2017~)

「昨日より今日」という精神で向かい合ってくれる人と一緒にやりたい - ランサーズ 横井氏、秋好氏

秋好氏:率直にこれからどうなると思いますか。

横井氏:世界を見るべきだと思います。
日本でどれだけやっても解決できないことがたくさんありますが、外に目を向ければ海外では似たような課題を解決している事例がありますよね。僕たちが先頭を歩いて社会に向き合っていきたいですね。

秋好氏:わかります。そのためにランサーズという会社で働くエンジニアが何よりも使命感を持っていてもらいたいですよね。エンジニアのクレドを作ったり、充実した環境を用意するのも「わくわくする組織」でありたいからですし。
これからは正義や開発とはどういうことなのかを自分たちで決めていくし、評価も含めてどんどん進化させていきたいですね。
ちなみに横井さんが想うこれからのエンジニア組織ってどんなイメージですか?あるいはどんな人と一緒に働きたいですか?

横井氏:いかに課題を解決できる可能性があるか、ですね。イシューを解決するための実現能力を有している技術者だからこそ新しい発想やチャレンジを繰り返していくことを期待しています。
今の世の中、努力しなくても何とかなる世界だったりしますが、「昨日より今日」という精神で向かい合ってくれる人と一緒にやりたいです。また、 新しく迎えるという意味でいうと既存の社員だけでは解けな課題を広げたり一緒に説いてくれる人を仲間にしたいと考えています。

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