【イントリックス 代表・気賀氏&CTO・猪目氏インタビュー】 BtoB企業のWebコンサルを手がけるイントリックスが、大手から支持される理由とは?

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【イントリックス 代表・気賀氏&CTO・猪目氏インタビュー】 BtoB企業のWebコンサルを手がけるイントリックスが、大手から支持される理由とは?

 

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グローバルに活躍しているBtoB企業に特化し、Webコンサルティング・制作を手がけているイントリックス株式会社。2009年の設立から10年を超える歴史を歩みながら実績を積み重ねており、誰もが名を知る業界大手メーカーなどからも高い信頼を得ている。さらに同社には、エンジニアやPM、アナリストにデザイナーと、各分野のスペシャリストが在籍。大規模なサイトリニューアルをワンストップで実現している。

 

――そんなイントリックスはどのようにして誕生し、大手BtoB企業から支持される要因はどこにあるのか。そして、どんなカルチャーが根付く会社なのか。代表取締役社長・気賀氏、CTO・猪目氏という創業者2名に、アールストーンの代表取締役・吉岡誠司とマーケティング担当の高橋実希がお話を伺った。

 

 

<写真左→右>

■イントリックス株式会社 代表取締役社長 気賀崇氏

新卒でブラウン・ブラザーズ・ハリマンへ入社。ニューヨーク本社の国際株式投資部にて、日本およびアジア株のアナリストを務める。その後、サイエント株式会社に入社。Eビジネス戦略策定やグローバルWeb再構築支援に従事。取締役、マネージングディレクターを歴任。2009年8月にイントリックス株式会社を設立し、代表取締役社長に就任。

 

■イントリックス株式会社 取締役/CTO(最高技術責任者) 猪目大輔氏

株式会社グラフィカへ入社し、印刷会社向けのシステム開発に携わる。その後、株式会社イマ(現株式会社アマナ)入社。2000年よりストックフォト事業のデジタル化を技術責任者として推進。2002年にサイエントジャパン株式会社入社。システムコンサルタントとして活躍し、2008年にテクノロジー担当ディレクターに就任。2009年イントリックス株式会社を設立し、取締役/CTOに就任。

 

■株式会社アールストーン 代表取締役 吉岡誠司

大手人材紹介会社にてコンサルタントとして実績を残し、執行役員に。その後子会社立ち上げで代表取締役としての就任、自身での人材紹介会社の起業等を経て、2019年よりアールストーンの代表を務める。

 

■株式会社アールストーン 事業企画・開発部 高橋実希

大学卒業後、アールストーンに新卒入社。コンサルタントとして、主にクリエイティブ領域において採用支援を手がける。その後、事業企画・開発部に異動し、マーケティングを担当している。

 

「サイト群」という考え方で、世界中にある企業サイトを最適化。

 

アールストーン・吉岡 : 気賀さんは新卒で金融業界を経験されてから、Webの世界に入られました。何かきっかけなどがあったのでしょうか?

 

イントリックス・気賀氏 : 新卒で入った金融業界では、アナリストとして株の分析や運用を担当していました。最終的に株を売るのか買うのかという結論を下すことがゴールの業務だったのですが、ある時から、それよりも企業が抱える問題を解決するような仕事が、自分には合っているのではと考えるようになりました。

 

当時(2000年頃)はインターネットが普及し始めたタイミングで、そういった時代背景が後押しとなって、金融からデジタルに関わる道へと転身することにしました。

 

アールストーン・吉岡 : 金融業界にいた頃は、ニューヨークで働いていたと聞いています。学生時代からグローバル志向が強かったのですか。

 

イントリックス・気賀氏 : 私は慶應義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の一期生で、インターネットは大学在籍中の90年代前半から使える環境でしたので、デジタルに興味はありました。……ただ、グローバル志向はあまりなくて。大学の英語では一番下のクラスでしたから(笑)。新卒の時にニューヨークへ赴任したタイミングで、英語を懸命に学びました。そのおかげで、世界が格段に広がりましたね。

 

アールストーン・高橋 : 猪目さんは新卒からエンジニアとして、長年システム開発を担当されていますね。

 

イントリックス・猪目氏 : エンジニアとしてキャリアをスタートさせましたが、クリエイティブ系の仕事にチャレンジしたいと思っていました。最初の会社で、広告ビジュアル制作を手がけるアマナと接点があって、面白そうな会社だなと。当時アマナはエンジニアを募集してなかったのですが、直談判して入れてもらいました(笑)。それが1995年あたりですね。

 

アマナでは、事業の三つの柱の一つである、ストックフォト事業のデジタル化に20代後半で関わりました。既存事業のデジタル化というテーマは非常にやりがいがあり、面白かったですね。この経験を機に、さまざまな業種のデジタル化支援をしたいと思って転職したのがサイエントでした。

 

アールストーン・吉岡 : 気賀さん、猪目さんが出会ったのが、デジタルコンサルティング会社のサイエントさんですね。同社ではどのような仕事を手がけていたのでしょうか?

 

イントリックス・気賀氏 : 2000年に一足先に私がサイエントに入社していました。本来サイエントのアプローチは、戦略、UI、システムを三位一体で提案するものだったのですが、当時はITバブルの崩壊で大きな予算を持っている企業が少なかったのです。そこでサイエントでは、各事業部がそれぞれ仕事を取ってきていました。戦略コンサルの仕事に関わった最初の2年は、三位一体で提案するような仕事はなかったですね。

 

景気が回復してきた2003年からタイミング良く関わったのが、大手建設機械メーカー様のプロジェクトでした。グローバルサイトのリニューアルが目的で、関連する海外サイトまで作り替えるというビッグプロジェクトです。この時に、イントリックスの考え方の核となる「サイト群」という概念を明確化することができました。

 

アールストーン・高橋 : 「サイト群」とは、どのような考え方なのでしょうか?

 

イントリックス・気賀氏 : 上場企業は海外のローカルサイトを合わせると、200〜300程度のサイトを持っています。となると、たった一つの本社のサイトを改善したとしても、他の299が整っていなければ意味がありませんよね。つまり、全てのサイトを俯瞰して見るための考え方が、「サイト群」です。

 

この考えをもとに、建設機械メーカー様のプロジェクトを立ち上げ、私がPMを担当。システムまわりを猪目が担当することになりました。お客様がとても柔軟な方だったこともあって、当初ご相談いただいていた単体サイトリニューアルよりもはるかに大きい「サイト群」に基づく提案が通り、プロジェクトも期待通りの成果が出ました。グループ経営に大きなインパクトをもたらすテーマながら、だれもこうした視点でサービス提供していないことに、大きなチャンスを感じたのが、この時でした。

 

 

BtoB企業のデジタル化に、大きな可能性を感じた。

 

アールストーン・高橋 : イントリックスを設立しようとしたきっかけなどはあったのですか。

 

イントリックス・気賀氏 : 2008年のリーマンショックですね。この影響によってその後サイエントを離れ、私たちも独立することにしました。独立する際には、「サイト群」という考え方を持って、大企業が抱える課題を解決できるという確信がありました。

 

今も昔も個別のWebサイトを作る制作会社は数多くありますが、「サイト群」という考え方で企業が持つすべてのWebサイトを対象としてプロジェクト推進する制作会社は当時全くありませんでした。なので、これは意味があるビジネスだと思ったのです。

 

イントリックス設立後は、さまざまな大企業のWebサイトのリニューアルを手がけました。その中で、BtoB企業をご支援することの可能性をより強く感じるようになりました。

 

アールストーン・吉岡 : BtoB企業に注力しているのは、何か理由があったのでしょうか?

 

イントリックス・気賀氏 : BtoB企業のコミュニケーション活動こそホワイトスペースだと、サイエント時代から私は考えていました。そのため、イントリックスはBtoB企業にフォーカスした企業にしようと考えたのです。 

 

アールストーン・吉岡 : なるほど。

 

イントリックス・気賀氏 : 企業のコミュニケーション支援は、基本的に大手広告会社の領域ですが、CMなどマス媒体が中心になります。しかし、それが効くのはBtoCであり、しかも大きな予算が必要になってくる。建設機械にせよ部品メーカーにせよ、BtoB企業のターゲット顧客は狭く限られているので、BtoCほどマス媒体は使いません。

 

故に、BtoBのコミュニケーション支援には、大手広告会社がそこまで力を入れていない。ならば、私たちのような規模の会社でも大手企業と直接やり取りができるだろうと考えたのです。

 

日本企業が、グローバルで価値を発揮するために。

 

アールストーン・高橋 : 現在、手がけている主なプロジェクトなど、具体的な事例をお聞かせください。

 

イントリックス・猪目氏 : 企業名を言うことはできませんが、大手製造業におけるデジタル活用を多面的にお手伝いしています。グローバルサイトやローカルサイトのリニューアル、コンテンツ制作、システム基盤の再構築などですね。私たちが大切にしていることは、企業のWebサイトを訪れる人にどんな価値提供をするべきかを必ずお客様と一緒に考えることです。このフェーズを「戦略フェーズ」、「企画構想フェーズ」と呼んでいます。

 

お客様の中でも、デジタル活用へのスタンスには温度差があります。戦略フェーズ、企画構想フェーズには、上層部をはじめとする社内のより多くの方々にデジタルの可能性に関する理解を深めていただくという啓蒙活動的な側面も含まれています。

 

イントリックスが他の会社と違うのは、戦略フェーズを通じてお客様のデジタル活用の意識を全社に広げることができる部分です。デジタル活用に消極的な方は、業種や部門によって活用方法が異なるのに、一律一般的なやり方しか説かれていないから、その重要性にピンとこないというだけ。お客様の状況に応じた適切な進め方をご提案すれば、たいてい理解していただけます。実際に、当初は一部門だけが対象だったプロジェクトを、全社プロジェクトに格上げしてご支援するケースは珍しくありません。俯瞰視点を重視する当社ならではのアプローチだと思います。

 

アールストーン・吉岡 : 社内の担当者でも、プロジェクトを格上げするのは難しいことだと思います。それをイントリックスさんが実現できる理由はどこにありますか。

 

イントリックス・気賀氏 : 当社には各分野の専門家がいます。そのため、クライアントが抱える課題・問題に即答できます。また、BtoB企業に特化しているからこそ、豊富な経験に基づいてすぐに初期仮説を立てられます。その企業のデジタルステージを見分け、ステージと業種や企業規模に合わせてプロジェクトを提案し、ブラッシュアップしていくナレッジがあるのです。その初動の早さで培った信頼があって、プロジェクトの格上げの提案などにも真剣に耳を傾けていただけるのかなと思っています。

 

イントリックス・猪目氏 : また、イントリックスの提案の幅広さは、他社では真似できないレベルのものだと自負しています。「Webサイトを作りましょう」となったら、3か年戦略の立案からサイトの設計・構築、デジタルマーケティング基盤の構築、グローバル展開支援、Web担当者教育と幅広いテーマに対応できます。

 

アールストーン・高橋 : 提案の中で、特に注力している部分などありますか。

 

イントリックス・気賀氏 : Webサイトの外枠をキレイにしても、日本企業はコンテンツが決定的に不足しています。この問題は根が深いですね。日本人は「阿吽の呼吸」とか、「目と目を見れば分かる」といった考えがあるので、コンテンツを形にするのが苦手なのです。

 

しかし、それでは、グローバルで通用しませんよね。世界にこれだけ情報を欲している人がいる中で、形にしないとビジネスとして話にならない。たとえ日本人に分かったとしても、その他の70億人いる世界中の人は理解できません。

 

アールストーン・高橋 : 確かに、グローバル化がさらに加速しています。

 

イントリックス・気賀氏 : 日本の製造業はグローバルに売りに行かねばならないですし、開拓しなければならない。ここから10〜20年は、新規開拓の時代になるでしょう。その中で、取引相手となる企業がどの国にあるか、何を欲しているかも分からない。情報をタイムリーに伝えていくために、Webサイトでの発信が必須になっています。

 

しかし、自分たちの良いところを伝えるコンテンツを日本企業は長年作ってこなかった。だからこそ当社では、コンテンツ作りを含めた全工程に対応できるように、各分野の専門家が在籍しているのです。

 

 

各分野のスペシャリストが、力を発揮する。

 

アールストーン・吉岡 : デジタル活用を戦略から考えるチームが社内にあるとのことですが、どのようにチームを編成していますか?

 

イントリックス・気賀氏 : プロジェクトによって変わりますが、戦略フェーズは3名から多くて4名。戦略部門やクリエイティブ部門から1-2名ずつ参加し、PMも加わります。ユーザーのターゲット像を決めていく段階で、戦略部門のスタッフがお客様のビジネスにキャッチアップしながら仮説を立て、クリエイティブと一緒に形にしていきます。

 

アールストーン・高橋 : プロジェクトはPMが取りまとめていくイメージですか。

 

イントリックス・猪目氏 : 餅は餅屋なので、そのフェーズでバリューを発揮する人が中心になります。また、各専門家が意見を出すことで、より良いアウトプットを出せるようにしています。たとえば、システム開発で言うところのバグは、仕様通りに動かないことを指します。しかし、当社ではお客様視点で不便さを感じたら、それは全て「バグ」と判断します。

 

情報設計の専門家からすると、人の視線は左上から右下に流れるから、この位置にこのボタンはありえないからバグだとなる。アナリスト視点ですと、レポートをダウンロードする機能があっても、この項目の並び順だと見にくいからバグとなる。この考え方は、エンジニアだけの集団だとまずあり得ない。バグの捉え方一つ取っても、当社は考え方が違います。多様な視点は、当社の大きな強みだと考えています。

 

アールストーン・吉岡 : BtoB企業のデジタルへの移行については、日本はどのような段階にありますか。

 

イントリックス・気賀氏 : 今までIT化やデジタル化と言われてきたのは、業務システムの効率化が目的でした。現在日本でデジタル化と言われているのは、顧客接点の部分になります。これは今までになかったことです。お客様ごとに製品のカスタマイズをすることが多いBtoB企業では、顧客接点に営業が立ち、お客様に説明することが不可欠と考えられていたからです。

 

それが、インターネットの登場で顧客接点のデジタル化が可能になりました。ロジカルに情報を整理するだけでなく、見る人の感性に訴えるデザインやUI、人間工学的な観点での情報の探しやすさを実現できるようになったためです。

 

ただし、業務システムのようにリアルなプロセスが決まっているものをデジタル化するのとは異なり、人を介して行われていたお客様との接点をデジタル化することの難しさがあります。また、日本では「飲みニケーション」的な文化が根付いていたため、欧米のようにコミュニケーションがプロセス化されていないことも、難しさの要因の一つですね。

 

アールストーン・吉岡 : 日本の文化を考えると、BtoB企業のデジタル化は難易度が高いですね。

 

イントリックス・気賀氏 : でもだからと言って、プロジェクトにおいてBtoB企業に、「何をデジタル化したいのか考えてください」と言ったところで前進しません。こちらから仮説を示してどんどん引っ張っていかなければならないのです。

 

そういう意味では、業務システム開発など大きな仕事をしている人が当社に来ると、当惑される時があります。当社のプロジェクトは、やることが曖昧過ぎて仮説ベースで進めざるを得ず、要件をきっちり決めて動く業務システム開発とはあまりに違いすぎるからです。

 

しかし、顧客接点をデジタル化しようとすると、前例がないことが当たり前。むしろ、それがうちの会社の面白いところでもあるんです。焼け野原を嘆くのではなく、何もない野原だからこそ、何の縛りもなく自由な発想で仕事ができる。そういう視点を持つ人が、当社にマッチするはずです。

 

仮説からどんどん進める人がフィットする会社。

 

アールストーン・高橋 : イントリックスでは、現在約40名の社員が在籍していると聞いています。どのような文化がある会社なのでしょうか?

 

イントリックス・猪目氏 : 普段、社員は各分野のエキスパートとして業務を遂行していますので、一見もの静かに見えます。しかし、一旦火がつくと情熱的で面白い社員ばかりですね(笑)。

 

年に1回社員旅行に行くのですが、2018年は、富士五湖の一つである西湖でイカダを作ってレースをしました。社内行事を冷たい目で見る人もいますが、うちはそんなことはありません。気賀はかなり体育会系で、夏は登山に冬はスキーと会社の部活動に参加。合宿も開催しています。一方で、コーヒーにこだわっている社員もいて、サイフォンと豆を用意して社内で作って楽しんだりもしています。

 

アールストーン・高橋 : イカダを作ってレースする社員旅行…!とてもアクティブですね。

 

イントリックス・気賀氏 : 社員旅行は企画チームを4名ほど選ぶのですが、彼らの企画力がまたすごい。2019年は、設立10年記念として台湾旅行へ行ったのですが、旅のしおりはプロ顔負けのクオリティでしたから(笑)。業務で多忙な中でも、色々なことにエネルギーを注ぐのが当社のカルチャーですね。

 

アールストーン・吉岡 : なるほど。社員はどのようなマインドをお持ちの方がいますか。

 

イントリックス・気賀氏 : 地味だけど、良いことをコツコツできる人が多いですね。私たちのお客様である日本の製造業の人たちもそういった気質の方が多いので、その点で親和性があると思っています。

 

アールストーン・吉岡 : お二人はどのような方と一緒に働きたいと思っていますか?

 

イントリックス・気賀氏 : 私たちは何も決まっていない状況から、プロジェクトを進めています。ですので、「整ってないとお手上げの人」だと、なかなか仕事が進まないと思っています。

 

当社には仮説を立て、類推を行う十分なノウハウがあります。それを武器にしながら、ゼロベースでプロジェクトを推進し、それを楽しめる人と一緒に仕事をしたいですね。

 

イントリックス・猪目氏 : 進化や進歩を楽しめる人が、当社にフィットすると思っています。ある一定の年齢、経験を積むと、大きく進化することもなくなってきます。しかし、うちには自分の専門分野以外のエキスパートがいるので、新しい視点、気づきにあふれており、それが自分の進化につながります。デジタルは方法論が確立されていないので、それらを構築していく醍醐味も味わえます。そんな部分に魅力を感じる方と、一緒に仕事がしたいですね。