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チームラボ 取締役 Director, Co-Founder 田村氏インタビュー

多様な人材が集まるシナジーを活かし、社会にインパクトを残すWebソリューションを提供していく。

取締役 Director, Co-Founder 田村哲也氏

お台場にある「チームラボボーダレス」など、最新のテクノロジーによって様々なクリエイティブを生み出してきた”ウルトラテクノロジスト集団”、チームラボ。同社が手がけてきたデジタルコンテンツは多数のメディアにも取り上げられ、高い評価を受けている。しかし、そうした事業は、彼らが持つ一つの側面に過ぎない。チームラボのメンバーは650名を超え、そのほとんどがエンジニアである。さらに、誰もがその名を知る大手企業と、インパクトのある受託開発(※)のプロジェクトを手がけている。 ※チームラボでは「Webソリューション事業」と呼ぶ。クライアントが持つ課題を共に明確にし、解決するためのサービス(Webやアプリやサイネージ等)制作、プロモーションやメンテナンス、アップデートを一気通貫で行う。 そんなチームラボにおけるエンジニアのやりがい、手に入れられる成長・経験。そして、どのような環境があるのか。チームラボの取締役としてエンジニアたちを牽引する田村哲也氏にお話を伺った。

大手企業のシステムを、企画段階から担う

大手企業のシステムを、企画段階から担う - チームラボ 田村氏

まずはチームラボの受託開発プロジェクトの特徴についてお聞かせください。

田村氏:一般ユーザー向けのWebサービスに関する開発プロジェクトが豊富にあります。銀行の口座アプリや航空系のマイレージ公式アプリ、薬局や飲食などのECサイトまで、大手企業から直接ご依頼をいただき、開発していますね。

使用言語など、開発環境はいかがでしょうか?

田村氏:言語はJavaがメインですが、PHPやRubyも使用していますし、最新の言語も積極的に取り入れています。また、サーバーはGCPやAWSといったパブリッククラウドを使い、負荷がかかるとスケールアウト可能な設計を行いながらインフラを構築しています。チームラボでは、インフラからサーバーサイド、フロントエンド含め、フルスタックエンジニアとして全工程に関わるスキルを求めております。

開発は最上流から携われるプロジェクトが多いと伺っています。

田村氏:上流工程はもちろん、提案段階から入り、どんなテクノロジーを入れるかまでエンジニアも一緒に考えます。それからお客様と要件定義を進めていきます。開発だけでなくお客様が持つシステムの技術的なサポートをさせていただく場合もありますし、お客様の情報システム担当者様とどんなシステムにしていくかを話し合っていきます。リリース後には改修や機能を追加するなど、上流から下流まで一貫して関わることができます。

チームラボさんには営業がいないと聞いており、かなり特徴的だと感じています。

田村氏:営業がいないと「どのように仕事をいただくのか」という話になると思います。チームラボでは、電話アポや訪問といった営業スタイルは、創業当時からありません。得意でもないですから(笑)。 新規のお客様に関しては、ご紹介や問い合わせから始まるケースが多いです。私たちがコンペに参加して、そこからご依頼いただくこともあります。お客様に提案する際は、ディレクターのような役割もする「カタリスト」とエンジニアが一緒に考えて、ご提案内容を検討していきます。

コンペにも参加されるのですね。競合他社がひしめく中で、チームラボさんが持つ強みとは、どこにあると考えていますか?

田村氏:提案力と実現力は、大手にも勝負できていると考えています。当社だけで、サーバーサイドからフロントエンド、スマートフォンアプリ、インフラまで対応できますし、デザイナーはもちろん、機械学習エンジニア、画像処理エンジニア、数学者、建築士まで在籍しています。例えば、お客様がアプリだけでなく、店舗にまでそのサービスを拡張させたいというご要望があれば、システム開発に加えてデジタルサイネージなどの店舗の拡張までご提案することが可能です。それぞれの分野のスペシャリストがチームラボに在籍しているからこそ、実現できることだと思います。だからこそ、チームラボに頼めばオーダー以上のものができると、お客様から期待を寄せていただけるのだと思っています。

社会にインパクトを与える開発に、チャレンジできる。

印象的だと感じている開発プロジェクトを教えてください。

田村氏:Webソリューションという文脈でいくと、デジタルアプリやサイネージ、空間提案までしていますので、ご提案できる場はあり過ぎるくらいあります(笑)。その中で特徴的な開発プロジェクトといえば、日本テレビ様で行ったテレビ史上初の音ゲー「嵐 Feat. You」でしょうか。視聴者がライブ生放送中のテレビの前で、スマホやタブレット、PCを使って、テレビ画面上に流れてくるアイコン(音符)を見ながらタイミング良く音を鳴らしていくゲームです。これを企画からデザイン・WEBアプリケーション開発まで、当社で担当しました。

テレビ史上初の音ゲー「嵐 Feat. You」

様々なデバイスで楽しめる「嵐 Feat. You」(画像はニュースリリースより抜粋)

まさか、チームラボさんが開発していたとは(笑)。

田村氏:ご存知でしたか(笑)。このプロジェクトでは、アプリをダウンロードするのは敷居が高いと考え、ブラウザ上からゲームを楽しめる仕組みにしました。テレビから流れる音符を見ながらスマホなどを使ってタップ操作であわせるので、数ミリ秒でもズレてしまうとゲームが成立しません。ですので、技術者と相談しながら、ズレが出ないようにアルゴリズムを考えていきました。 ゲーム参加者は40万人くらいを予想していたのですが、ふたを開けると137万人もの視聴者が参加。当日はGoogleアナリティクスで同時アクセス数をリアルタイムで監視していたのですが、10秒間隔で数万の同時アクセスユーザ数が増えていきました。サーバーは東京に約120台用意。不測の事態が起こった際はサーバーを切り換えられるよう、シンガポールにも同数のサーバーを用意していました。また、本番のシミュレーションも綿密に行い、サーバーを攻撃する側と守る側に分かれて検証し、攻撃から守れなかった部分については改善を施していきました。

提案からリリースまでの期間はどのくらいだったのでしょうか?

田村氏:半年くらいですね。企画から開発、デザインまで全てチームが手がけています。この企画は大成功でしたね。

反響も凄かったのではないでしょうか?

田村氏:ソーシャルテレビ・アワード 2014など、多数の賞をいただきました。日本テレビ様も弊社も総力を上げた取り組みで、3分程度のライブ放送のために大変多くの人手をかけたプロジェクトだったので、本番の放送時はとても緊張感とプレッシャーがありましたね。

その他に、一般の方々の目に触れるような案件はありますか?

田村氏:JR東日本さんの駅構内に置かれている、「acure pass」という自動販売機はチームラボがサイネージアプリケーションを企画・開発・デザインを担当いたしました。アプリで商品を購入し、自販機にQRをかざすと商品を受け取れます。誰かに商品をプレゼントしたり、キャンペーンに参加もできる、イノベーション自動販売機です。管理システムだけでなく、タッチパネル部分や連動スマートフォンアプリも私たちが担当いたしました。

チームラボがサイネージアプリケーションを企画・開発・デザインを担当した「acure pass」

acure pass

成長スピードは、他とは比べ物にならない

成長スピードは、他とは比べ物にならない - チームラボ 田村氏

ここからは、開発チームの組織構成やカルチャー、雰囲気といった部分をお聞きしたいと思います。

田村氏:開発チームには、専門性で括った「班」とアウトプットで括った「プロジェクト」という2つのチームがあります。「班」は領域が近いエンジニアが集まりますので、その中で専門性の強いナレッジの共有や課題などを相談。班長や先輩エンジニアがいますので、彼らがメンター的な役割を果たしながら、若手をサポートしています。 「プロジェクト」は、案件ごとにカタリストやエンジニア、デザイナーなどがアサインされて立ち上がります。サービスリリース後は、「プロジェクト」は解散・縮小するなど、「班」とはちがって流動的です。新人でも早い段階で、プロジェクト内の開発リーダーを任せていきます。そこで困ったことや疑問点は、班内で相談することができます。

開発リーダーはどのタイミングで任されますか?

田村氏:早い人は、新卒2年目から開発リーダーになることもありますね。もちろん、システム・サービスの規模や難易度を調整してのアサインにはなりますが、どんどん仕事を任せてスキルを上げていける環境を提供したいと思っています。

エンジニアは「プロジェクト」にどのようにアサインされるのでしょうか?

田村氏:経験・スキル・今後伸ばしたいスキルなどを加味しながらアサインしています。複数のプロジェクトの開発リーダーを担当するエンジニアもいますし、横断的に開発部分だけを担当しているエンジニアもいて、状況もそれぞれです。基本的には、カタリストがプロジェクト全体を取りまとめ、開発リーダーが技術まわり見つつ、両輪となってプロジェクトを進めています。

チームラボさんでは、エンジニアを数字で評価しないと聞きました。評価軸やエンジニアのKPIといったものはどのように設定しているのでしょうか?

田村氏:エンジニアは目標数字を立てにくいですし、技術的な項目だけの評価ですと、経験できるかどうかはプロジェクト内容に左右されてしまいます。技術の幅や深さは各人がプロジェクトの経験の中で成長してもらいたいと思いますが、その能力をどれほど個人やチームのアウトプット、チームメンバー、お客様に還元できたかは特に重要視してると思います。「この人すごい!この人と一緒に仕事したい!」というような、その人への周りの方々の感動が評価につながると言ってもいいかもしれませんね。

チームラボさんのエンジニアは、どのようなキャリアを持った方が在籍していますか?

田村氏:新卒も多くいますが、WEBソリューション分野では意外に大学で情報科学を専攻していない人も多いですね。文系や社会工学といった理系出身ではない人も多くいますよ。趣味で開発をやっていた人が、新卒で入るケースも珍しくありません。中途の場合はやはり、Sierから転職される方が大半です。開発に注力したい、現場で頑張りたい、システムが大きすぎて自分が何をやっているか分からない、といった状況の中で、当社に新しい環境を求めて転職する方も多いです。

チームラボさんにマッチするエンジニアは、どんな方でしょうか?

田村氏:どんどん新しいことを吸収したいというマインドを持ったエンジニアにきてほしいです。関わる開発案件は、常に業界や技術が変わっていきますし、開発リーダーといったポジションも担っていきます。望めば望んだ分だけ高速に成長できる環境だと思います。3年以内にフルスタックエンジニアになりたい、大規模プロジェクトの開発リーダーをしたいといった目標も、叶えることは難しくないと思っています。

限界は決めず、あらゆることに挑戦していく

限界は決めず、あらゆることに挑戦していく - チームラボ 田村氏

開発チームと他のチームとの連携はいかがですか?

田村氏:Webエンジニアとデータサイエンティストのチームがそれぞれあるのですが、かなり密なコミュニケーションを取りながら、システムの改善や機能を追加しています。他にもデジタルアートのチームと一緒に、案件を進めていくこともあります。 お台場にあるデジタルアートミュージアム「チームラボボーダレス」では、展示やコンテンツはインティラクティブエンジニアチームが担当し、チケットサイトやミュージアム入場のためのシステムはWebエンジニアチームが手がけました。展示場の空間演出の中に数学的アルゴリズムが必要な場合は、数学者達を集めてアルゴリズム検討するなど、チームラボの技術者が集まることで生まれたシナジーで、すでに様々なことを実現しています。

最後に、今後のWebソリューション事業のビジョンや方向性についてぜひお聞かせください。

田村氏:「Webソリューションといえば、チームラボだね」と言われる組織にしていきたいです。現在は、アート集団という印象が強いですが、Webソリューションのクオリティを上げ、さらに実績を残し、お客様の信頼を積み重ねて行きたいと思っています。 デジタルが生活を変え、感動を生み出す分野であれば、なんでもやりたいです。「ここは自分たちの専門分野だ」と決めている部分に関しては、より知識を深めながらクオリティの高いものを生み出していきたいですね。

チームラボ:取締役 Director, Co-Founder 田村哲也氏、アールストーン:代表取締役 吉岡誠司、コンサルタント 高山勇気

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