1990年の設立当初から金融業界に特化したシステムインテグレーションに強みを持ち、2年連続全世界FinTech Top100にランクイン(※)するなど、グローバルでも高い注目を集めている株式会社キャピタル・アセット・プランニング(以下、CAP)。

IDC FinTech Rankings top100より(2017年92位→2018年88位)

「金融機関向けシステム向けシステムインテグレーション」と「資産管理プラットフォームの提供と相続・事業継承コンサルティング」という大きく2つの事業を手がけており、着実に業績を伸ばしている。事実、2018年9月にはJASDAQから東証二部に市場変更し、さらなる躍進を遂げようとしている。

そんな同社を率いるのが、公認会計士・税理士・日本証券アナリスト協会検定会員といった資格も有する代表取締役社長の北山雅一氏だ。実は、大学卒業後は監査法人に勤務していたという北山氏はどのようなキッカケでCAPを立ち上げたのか?そして、描くビジョンは?北山氏のパーソナリティーに深く迫りながら、話を聞いた。

【写真左】 株式会社キャピタル・アセット・プランニング 代表取締役 北山雅一氏

1957年生、大阪府出身。1979年、慶応義塾大学商学部を卒業した後に中央監査法人入所。1985年、陽光監査法人(現・新日本有限責任監査法人)入所。「金融マンのためのLotus1-2-3活用法」を出版し、1990年に株式会社キャピタル・アセット・プランニングを大阪にて設立。2016年に東京証券取引所 JASDAQ市場に上場。2018年9月には東京証券取引所 市場第二部に市場変更を果たす。公認会計士、税理士、日本証券アナリスト協会検定会員の資格を保有。

【写真右】 株式会社アールストーン コンサルタント 野口義弘

大学卒業後、大手人材サービス企業に新卒入社。IT企業に対する中途採用のソリューション提案営業を手がける。その後、アールストーンにジョイン。前職の経験を活かしながら、エンジニア採用に特化したコンサルティングに従事している。

【写真中】 株式会社アールストーン 事業企画・開発部 高橋実希

大学卒業後、アールストーンに新卒入社。コンサルタントとして、主にクリエイティブ領域において採用支援を手がける。その後、事業企画・開発部に異動し、マーケティングを担当している。

 

最初のキャリアは監査法人。国内有数のエクセレントカンパニーを担当する。

アールストーン・野口 : 北山様がキャピタル・アセット・プランニング(CAP)を設立されたのは1990年で、それ以前は監査法人に勤務されていたと伺いました。まずは、北山様のプロフィールと合わせて、CAP設立に至るまでのお話をお聞かせください。

CAP・北山氏 : 学生時代に話は遡ります。私の親族はなぜか経営者が多く、いとこが9人いるのですがそのうちサラリーマンは1人しかいない、そんな家系でした。同じく父も経営者でしたが、私が大学に入学した1975年にその会社が倒産してしまったのです。もともとは私の祖父が創業した会社で、関西の私鉄各社の交通広告事業を手がけていました。事業自体は上手くいっていたのですが、ある取引先が倒産してしまったことに伴い、連鎖倒産したんです。その時に父が、「お前は公認会計士になれ」と言ったことが監査法人に入所したキッカケになりました。

アールストーン・高橋 : お父様はなぜ「公認会計士になれ」と仰ったのでしょうか?

CAP・北山氏 : 公認会計士が破産管財人となって父の会社の更生計画を作ったのですが、その方の仕事が素晴らしかったからですね。それからは父の助言通りに公認会計士の勉強をして試験に合格。中央監査法人に新卒で入社しました。それが、1979年のことです。

アールストーン・高橋 : それから監査法人でのキャリアを歩んでいくわけですね。

CAP・北山氏 : そうですね。当時、中央監査法人は、国内ではトップクラスの監査法人でした。入所したときに言われた、「エクセレントカンパニーの中のエクセレントカンパニーを監査することにプライドを持て」という言葉はとても印象に残っています。実際に、私が担当したのは銀行や証券会社といった、まさにエクセレントカンパニー。そこで金融業界に触れたことが、CAP創業にも深く関わっています。

ニューヨークの本屋で人生を変える一冊と出会う。

アールストーン・野口 : 監査法人で経験を積んだのち、CAPの創業に至るキッカケは何だったのでしょうか?

CAP・北山氏 : ある金融機関を担当しているときに、投資信託の基準価格を計算するためにVisiCalという表計算ソフトを使っていたんですね。当時最先端のソフトでプログラムを組んで計算することができたので、「これは何かに使えるかもしれない」と思ったんです。また、中央監査法人から、1985年に陽光監査法人(現・新日本有限責任監査法人)へと転職した際に、たまたま仕事の都合でアメリカに出張したんです。ニューヨークのマンハッタンにあるボルダーという大型書店で本を眺めていたら、「Lotus1-2-3 financial modeling」という書籍が平積みされているのを見つけたんです。この本は、当時のアメリカの金融マンにとって必読書になっており、とても面白く読み進めました。そして、「これを日本の金融マンに向けに訳した書籍を出したい」と思い立ち、すぐに企画書を作って出版社などに連絡。すると、ぜひその話を進めましょうと言ってくれる出版社が現れたんです。

アールストーン・高橋 : 出版後の反響はいかがでしたか?

CAP・北山氏 : 1989年3月にその本を出版して、翌週には外資系保険会社から「本に載っているシステムを作ってくれ」という依頼がきました。とても驚きましたね(笑)。

アールストーン・野口 : 監査法人の経験をもとにして著書を出版し、それを読んだ保険会社様から仕事の発注が来た。――それが、1990年のCAPの設立につながっていくわけですね。

CAP・北山氏 : そうですね。おっしゃる通りです。

 

「サイエンスとアートの融合」にこだわる

アールストーン・高橋 : 2018年10月には、JASDAQから東証二部に市場変更し、企業規模もさらに拡大されています。創業からもうすぐ30年を迎えようとしていますが、これまでの事業運営は順調だったのでしょうか?

CAP・北山氏 : いえいえ、まったく順調とは言えないですよ(笑)。設立当初は金融業界向けのシステムインテグレーションを軸にしていて、事業の成長スピードは遅かった。売上高が10億円を超えるのに、18年かかりましたから(笑)。

アールストーン・野口 : しかしながら現在、CAP様の売上高は60億円を超えています。ブレークスルーのポイントは何だったのでしょうか?

CAP・北山氏 : 1995年の生保損保相互乗入や2001年の確定拠出年金開始、2005年の金商法施行・証券業法改正、2010年の金融商品取引法改正など、金融行政の大きな変化に柔軟に対応したことが一つのポイントになっていると思います。

とても記憶に残っているのが1995年1月の阪神・淡路大震災です。とある生命保険会社さんからライフプランに関わるシステム開発を受託し、まさに開発しているところに地震が来たんです。開発中のデータが入っているデスクトップPCが地震の揺れで落ちてしまい、壊れてしまいました…。何とかハードディスクを取り出して、データを復旧させて無事に納品することはできましたが、あの時はとても大変でしたね。ただ、納品したシステムに関しては、高い評価を得ることができ、評判が評判を呼んで、受注が伸びていきました。

 

「日本証券アナリスト協会主催期末決算説明資料」より抜粋

 

アールストーン・高橋 : 北山様が培ってきた金融業界の知見がシステム開発に大きなアドバンテージとなり、評判を呼んだのだと思います。それ以外に、お客様から「選ばれる理由」としてはどんなものが挙げられますか?

CAP・北山氏 : ここ最近、UI/UXの重要性が注目を集めていますが、当社は90年代からユーザーインターフェースにこだわってきました。ですので、「システムの使いやすさ」という点も魅力に一つになったのだと思います。ただ、それはシステムだけに限りません。例えば、お客様への提案資料などについても、できるだけ見やすいように作成します。私はよく「サイエンスとアートの融合」について周囲に話していますが、科学的な思考だけではなく、美術的なクリエイティブセンスも大事にしています。

アールストーン・野口 : そうなんですね。

CAP・北山氏 : 少し話が脱線してしまいますが、実は私はスマホゲームが好きなんです(笑)。特にシミュレーションゲームをよくプレイするのですが、グラフィックがとてもキレイなんですよね。その画面を見て「キャラクターをどうやって動かしているんだろう?」と気になってしまいます。あと、海外ドラマや映画もよく観ます。平日に録画した連続ドラマを週末に一気に観ることもあるんですよ。ゲームやドラマ、映画も、物事をどのように表現するかという点で刺激になります。それが、私のこだわりである「サイエンスとアートの融合」に結びついているんだと思います。

 

多様化する社会に対して、パーソナライズしたサービスを提供していく

アールストーン・高橋 : 現在、CAP様は「金融機関向けシステム向けシステムインテグレーション」を軸としながらも、「資産管理プラットフォームの提供と相続・事業継承コンサルティング」と言った新しい事業領域に踏み出されています。今後のCAP様が目指すビジョンについてお聞かせください。

CAP・北山氏 :1990年当時から金融業界向けに多くのシステムを提供してきた私たちは、時代に先駆けてFinTechに取り組んできたとも言えます。そうして培ってきた知見を活かし、これからは個人顧客起点の金融商品を我々自身が作っていくフェーズに入っていきます。人生100年時代を迎える中、特に私たちが注目しているのは「資産管理」です。

今は多様性に富んだ社会で、結婚して子供がいる方もいれば、そうでない方もいる。生き方も、本当にさまざまです。そうした個人顧客に対して、パーソナライズできる資産管理プラットフォームを提供していきたいと考えています。RPAやIoTといった技術を応用しながら新しい商品を生み出し、人々を幸せにしていきたいですね。

 

 

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