2015年に上場した企業と過去のデータの特徴の比較をしてみた

市場データをおさえて転職にプラス

このところ、大企業、有名企業の上場が相次いでいます。2014年は、人材・生活関連情報の広告を情報誌、ウェブ・携帯サイトなどの自社媒体で展開する「リクルートホールディングス」をはじめ、ファミリーレストラン・チェーンの草分け的存在「すかいらーく」、西武鉄道やプリンスホテルなどを傘下に持つ「西武ホールディングス」が東京証券取引所第1部に上場。 2015年に入っても多くの企業が名乗りを上げ、最近では2001年(平成13年)に民営化された郵政三社「日本郵政」「ゆうちょ銀行」「かんぽ生命保険」の上場(東証第一部)が話題になりました。

IT企業ではどんな企業が上場しているか

2015年、IT業界ではインターネットメディア運営企業の「GMOメディア」、地域情報口コミサイト「エキテン」を運営する「デザインワン・ジャパン」、自治体向けのクラウドソリューション事業を展開する「スマートバリュー」、スキンケア大学・メンズスキンケア大学を運営する「リッチメディア」なども上場しました。 マックスむらいこと村井智建さんが2015年3月まで社長を勤めていて、スマホアプリ が好調な「AppBank」、キュレーションアプリのグノシーがヒットしている「Gunosy」などは設立が2012年というとても若い会社ですが、上場を果たしています。 目指す業界、企業のIPO(Initial Public Offering。新規公開株の意味)情報は、転職活動に欠かせません。上場・非上場の違いやメリットデメリット、上場企業の特徴はチェックしておきましょう。

企業が上場する理由

株式市場には「JASDAQ」や「東証マザーズ」といった新興市場から、大手企業が集まる「東証1部」まで、様ざまなものがあります。まず上場するメリットを見ていきましょう。

上場のメリット

・信用力のアップ→株主が経営を監視、財務状況などの透明化を図る必要があるため、取引先などからの信用力向上につながる。 ・資金調達力の向上→上場にあたり多くの株を発行。証券市場を通じた資金調達が可能になる。 ・企業の価値が高まる→知名度向上により取り引きの拡大が期待でき、さらに優秀な人材確保にもつながる可能性がある。 ・管理体制の充実→経営体質が改善、強化され、あらゆるリスクへの対応力が期待できる。 ただし、株式上場したことによりデメリットも生じます。

上場のデメリット

・負担の増加→会社情報の開示義務、株主総会運営などによって、新たな事務負担が発生。また管理体制の整備を行うことで、コスト負担が増加する。 ・買収のリスク→株式が市場で自由に取引されるため、株の買い占めなどにより、常に買収のリスクに晒される。 ・社会的存在としての責任→上場すると企業は「社会的存在」として認識され、周囲からの目も厳しくなる。 ・不自由な経営→株主の意向により、思い通りの経営が出来なくなる。 このようなデメリットがあることから、竹中工務店、JCB、サントリー、ロッテ、JTBなど、上場しない大企業も存在します。

近年、どのような会社が上場している?

近年(2015年、2012年、2010年)に上場した企業の特徴を見ると、特に増えているのはサービス業で、2010年は22社中3社、2012年は46社中14社、2015年は77社中22社で大きく数字を伸ばしています。 2010年のデータを見ると、どの業界も1~数社で横並びになっていますが、2012年になると、サービス業が他を大きく引き離して第一位、2015年も引き続き一位となっています。

「サービス業」「情報・通信」企業が躍進

もう一点、見逃せないのは「情報・通信」業界でしょう。サービス業同様、2010年は5社、2012年は9社、2015年には20社と倍々で増加しています。通信・情報企業上場の背景には、技術革新、SNS、ソーシャルゲームの普及と人気など、様ざまな理由があると思われますが、意外と社会問題(物価高騰ほか)に影響されにくいことも考えられます。 ただし、一概に企業の安定が高いということではありません。 なお、今後のサービス業大手の上場としては、「2016年、コメダ(本社は愛知県名古屋市。喫茶店チェーンの珈琲所コメダ珈琲店などを展開している企業)が上場するのではないか?」と投資家の間で噂されているそうです。 「コメダ」を買収したMBKパートナーズが持ち株会社「コメダホールディングス」を設立したことから、これは上場への準備では?といわれています。

webディレクターとして、株式市場を見渡す目を持とう

株式市場の動きに注目すべきは、投資家や金融アナリストだけではありません。「ナショクラ」といわれる大手企業のほとんどは上場しています。 今後、そのような企業との取り引きを目指すなら株式の話、業界の展望は押さえておきたいものです。また営業や打ち合わせにおいて、コミュニケーションの引き出しの一つとして使えます。 さらに、好調なITベンチャーの営業利益率など、オープンなデータが多数あるため、上場などの大きな動きがあった際、業界動向の分析も可能。これから来そうなWeb業界のトレンドも、株価を見る事で先取りすることができます。 市場調査や世の中の流れを把握するのは Webディレクターの仕事のひとつ。マーケターとしての能力を高めるにも、株式市場分析は役に立つといえるでしょう。